都調布深大寺元町に天平5年(733)創建の古刹、天台宗別格本山「浮岳山深大寺」の門前には古風な蕎麦店、団子屋、茶屋、土産屋などが軒を連ねて「深大寺蕎麦参道」を形成している。深大寺と言えば蕎麦、江戸時代には家光も深大寺の蕎麦を愛し三鷹への鷹狩りの際は立ち寄り必ず蕎麦を楽しんだと伝えられる。かつて深大寺蕎麦は幕府に献上されといわれ、今でいう「外食産業」として成長した深大寺の蕎麦は庶民にも楽しみの一つとして食された。参道にはそれぞれ趣の異なった20余のそば屋が建ち並び風情ある門前町となって多くの参拝者・観光客で賑わっている。相模太夫も「雀のお宿」で「天麩羅蕎麦」に舌鼓を打った。またここ深大寺は湧水が豊富で池、参道の側溝に注ぎ込まれさらさらと流れる音、秋深まり木々たちも「真赤に紅葉」し門前町は今もっとも華やいだ季節を迎えようとしている。(1711)
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