小田原本町に八百屋お七に関係深き大きな「延命地蔵尊」(大仏)に安置されている曹洞宗寺院「龍珠山徳常院」はある。本尊は虚空蔵菩薩。創建は元和元年(1615)。延命地蔵尊の説明板には「江戸駒込八百屋お七の恋人、吉祥寺の寺小姓吉三郎がお七の菩提を弔う為に作った大きな地蔵尊という伝説があるので、吉三地蔵なる別称を持つ銅製の地蔵尊像である。この尊像はもと箱根芦ノ湖畔の賽の河原に安置されていたもので像背名によれば江戸「増上寺」塔頭にいた心誉常念が正徳3年(1743)神田鍋町の鋳物師太田駿河守に作らせ世の平穏を祈ったものであったが、明治2年(1869)の廃仏毀釈で箱根権現が従来の神仏混合形態から神社と寺が分かれることになり金剛王院は廃止されたので、その管理の本地蔵尊は古物商に売渡された。これを東京の業者が買い、馬車でこの海岸に運び、海路輸送をしようとした処、尊体は地を離れず、浜名主等の夢枕に立ったり、また尊体に触れた人々は発熱する状況であったので見聞きした人は、お賽銭を上げ、見る間に4斗樽にいっぱおになったと言われる。そこで。当時の世話人や町の有志が65両で商人から尊像を買取り、当寺に安置したものである。大正12年(1923)の関東大震災の時、本尊は火災に遭ったが損傷はなく、戦時の金属回収も免れた」とある。無量寺の左隣りの住宅街の一画に「山門」(石柱門)が構えられている。境内の正面にコンクリート造りの「本堂」、右に「大仏殿」がある。(2012)
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