つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

やっぱり嫌いだ

2005-08-28 19:15:06 | 学術書/新書
さて、こんな本もあるんだねぇの第271回は、

タイトル:数学物語
著者:矢野健太郎
出版社:角川文庫

であります。

裏表紙に曰く、

「現在記録に残っている最も古い数字、エジプト、バビロニアの数字がギリシャへ渡り、それらを受け継いだヨーロッパでパスカル、デカルト、ニュートン、オイラーなどがどんな仕事を残していたのだろうか。
数学の権威の著者が、数学の誕生から、それが発展していった様子を平易な文章で説く。」

とあり、はっきり言って、これ以上この本を解説するのが無駄なくらいに、そのまんま(笑)

と言いつつも、もう少し補足すると、大きく分類すると3種類の話になっている。

ひとつは裏表紙にもあるように、最も古い数字の話で、ここは結構興味深く読めた。
ちょっと前に、東京都の石原都知事がフランスの数字の数え方を愚弄した話題があったけど、昔から10進法しかなかったわけでもないし、バビロニアは60進法だったみたいだし、ギリシャ数字なんか、「9」を「10-1」(90は100-10とずっと続く)で表現するし、10進法だからと言って表記でわかりやすかったり、そうじゃなかったり……。

こういうのは「へー」と思ったりもしておもしろい。

ふたつめは、幾何学。
みっつめは、代数。
と、いかにも数学らしい話になるけれど、基本的に解説はほんとうに平易。

難しい漢字は極力使っていないし、文章は丁寧。
でも、∠ABCだの、△CABだの、図形関係は文章で読むといまいちぱっとしないけど、こういうときも図入りで、文章と図とをじっくり見ながら読むとわかりやすい。

その点、代数のほうが文章でいけるので読みやすいけど、ただ方程式の展開とかは、詳しすぎて読むのが面倒なときもあったりして。

でも、数学物語……物語、と言うには最初の数字の歴史みたいなところ以外は、けっこう定理の証明とかの説明に紙面が費やされていて、読み物としては不満あり。
いちおう、ターレスから始まる数学者の話でも、その数学者の簡単な略歴や小ネタ、業績なんかが書かれてはいるものの、そういうのが少ないので、気楽に読むにはちょっとなぁ……と言った感じ。

特に私は数学嫌いなので余計にきつい……。

え? なんで嫌いなのにこんなもの読むんだって?
そりゃー、借りたからに決まっているではないかい(笑)