つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

いろんなひとが描いてる話

2005-08-04 00:12:29 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、いろはにほへとな第247回は、

タイトル:あさきゆめみし
著者:大和和紀
出版社:講談社

であります。

鈴:なんでこっちばっかりマンガ化されるのか理解できないLINNで~す。

扇:枕草子はギャグ漫画の王道そのまんまだろとツッコムSENで~す。

鈴:ぜんぜんっ!
ギャグなのは「中宮さまLOVE!」なところだけだからよいのじゃ!

扇:いや、それで充分だろ……。
ギャグな主人公におっとりとしたお姉さんって黄金パターンじゃん。

鈴:それがよいのではないかっ!
才女と言われ続けてきた清少納言も、中宮さまの前ではギャグ担当(笑)
それが延々と受け継がれてきたのだから、やはりこの黄金パターンってのはらしいのだろう。
……って、待てよ……。
「あさきゆめみし」って源氏物語のはずなのに、なんで「枕草子」の話になってんだ!?

扇:じゃあ話を戻すか。
えーと、最初が祇園精舎だっけか?

鈴:いや、それ民族違うぞ(爆)
……さて、とにかく、源氏物語のマンガ版であります。
もう説明するのがバカらしくなるくらいだけど、女ったらしの古典と言うべきお話です。

扇:民族? 血統だろ?
光源氏計画と、光GENJIというアイドルグループを生んだ偉大な作品です。
ようこそここへ、クック……♪

鈴:そういうのを生んだからと言って偉大だとはまったく思わないが……。
ん~、しかし、あまりにも有名すぎてなんか書きづらいなぁ……。
キャラ紹介っつってもいまいちだし……。
あー、でも、個人的に葵の上っていいなぁ。最後の最後までお嬢さまで、なんであたしがあんたなんかと!? みたいな感じがあって、いいキャラだったなぁ。

扇:大方の人間は、最後に愛が芽生えたって解釈してるんでは?
もっとも、危機的状況で生まれた愛は長続きしないがな。(笑)

鈴:芽生えたんかねぇ。結局、源氏の勝手な解釈じゃぁないのか、葵の上の話って。
私なら、意に添わない相手と無理矢理結婚させられて、挙げ句の果てに愛人の呪いで殺されたってぇのに、最後の最後でちょろっとだけの優しさでほだされるなんて、あり得ねぇ、って思うけどさ(笑)

扇:いや、それを言っちゃあ……まぁ、気位の高い人が最期の瞬間に落ちる(専門用語)のは受けるから、その解釈は仕方がないのでは?
私のイチオシは朧月夜、この人格好良いよねぇ~。
源氏との関係もかなりイーブンだったし。
出会いも去り際も良かったのはこの人だけだな。

鈴:朧月夜はいい女だ、ってのは誰しもが認めるところではないかえ?
源氏物語の中で誰がいちばんいい女だ、って言われたら、速攻で朧月夜をあげるぞ(笑)
だが、いちおう、この話の中で重要な位置を占めると言えば、紫の上だな。
光源氏計画と言えば幼いうちから育てて……って言うのの代名詞とも言える女性だぞ。

扇:そう、いい女なんだよ~。
式部の理想型って、紫の上じゃなくて朧月夜だったんじゃないかと思ってみたり。
源氏にとっての紫の上って所詮――
マザコン身代わり人形
だろ?

鈴:それはまったく、否定しないな
そもそも源氏自体がマザコンで母親の影を追いかけてたんだからな。
……つか、いくらかっこよかろうと、とてつもなくマザコンの匂いがぷんぷんする男なのに、なんで源氏って人気があるんだろう……。
疑問じゃ……。

扇:まぁ、そこが母性本能という奴をダイレクトアタックなのかも知れん。
オヤジ心をクリティカルヒットというと、夕顔なんだろうけどな。(笑)

鈴:オヤジ心? 萌え心を痛恨の一撃ではないか?(笑)
だがまぁ、夕顔はなぁ……。
いわゆる薄幸の美少女、ってのが似合うキャラだから、某大学時代からの友人Zの趣味にダイレクトヒットするのは否めないが(爆)

扇:私じゃないことは確かだな。(笑)
まぁ、病弱、薄幸、意志薄弱という、守ってあげたい症候群の方々の脳天直撃セ○サ○ーンなキャラだから仕方ないっちゃ仕方ないが。
つか、いわゆる萌え系キャラの大半は源氏で既に描かれてる気がするなぁ。

鈴:まぁ、SENではないことは確かだな。
しかし、確かにいろいろいるが、源氏の女性キャラをそのまま「と○め○メ○リ○ル」にしてもぜんぜんOKだろうな。
そう言う意味では、紫式部ってぇのはキャラ造形がうまいひとだったんだなぁ。

扇:男って……千年以上前から見透かされてたのな。
伝聞で聞く限り、式部はかな~りヤな性格だったらしいけど。

鈴:そう言う意味では、あけっぴろげでからっとしてる感じの清少納言とは対照的ではあるよなぁ。
……って、ぜんぜんマンガのほうの話してないような気がするなぁ。
まぁ、結局源氏物語のマンガ版だから、しょうがねぇか。
……と言うわけで、長くなってきたのでこの辺で。
やっぱり、枕草子のほうが好きだなぁ、と思いつつ、さよなら、さよなら、さよなら

扇:『はいからさんが通る』ほどのパワーはないけど、面白いのは確かです。
あ、予告しないと――次回はケモノのアレです。(アレって何?)
では、さよ~なら~。