のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

「書く」事のフォロー。

2009-06-14 00:04:31 | 先生方に②参考になれば
運動会が終わって、勤務先の小学校もだいぶ落ち着いてきました。
今週は、生活では朝顔の観察カード、
国語では、自分のした事を絵と文で紹介する
などという事をやっています。
連絡帳も子ども達が書き始めるようになったので、
本格的な学習フォローができるようになっています。

今の段階で、各クラス1から2名ないし3名、
『ひらがな』がスムーズにでてこない、読めないお子さんがいます。
当然、書く活動にはストレスがかかってきます。
このストレスを出来る限り軽減して、
学習に多する意欲をつなげていくために
私のような仕事はあるんだと思いますので、
3つのクラスを行ったり来たりしながら、
なるべく全員を拾うように努力しています。

連絡帳など、『写す』活動の時には、
その子の国語の本を借りて、
あいうえお表のページを開いておきます。
表では大仰だなと感じたら、
あいうえおのうた
などのあるページで、55音が全部揃っているページを開きます。

そして、黒板の字が見にくそうな様子を見せたり、
手が止まりそうなときにはすかさず指差して見せるようにします。

他のお子さんの進み具合とあまりに離れるようなら、
私が読み上げながら、どんどん指差しをして
スピードアップさせるようにもします。

『板書の練習にならないでしょ』
と言われる方がいるかもしれませんが、
今の段階の彼等にまず必要な事は、
「音」と「字」を対応させ、その「字」の形を正確に覚えてくこと
だと思うのです。
黒板は遠いです。まだひらがながしっかり入っていない子にとって
マス無しで書かれる字は、繋がって見えるかもしれません。

その字が、1字ずつ浮き上がって見えるようにいなるためには
こうして、一文字ずつ「音」と「字の形」を繋げていく必要があるのではないかと思うのです。

私があいうえお表を持ち歩くのではなく、その子の引出しから
国語の教科書を引っ張り出すのは、
教えてくれる人がいなくても自分で文字を探せるようになって欲しいため。

嬉しいことに、このやり方を見ていた周りの子ども達も、
遅れている子を助ける時にこの方法を使うようになってきました。
これ、ありがたいです。

大概の場合、
「遅れてる子を手伝ってあげて」
と先生がいうと、
手の早い子は、書いてあげちゃうんですね。
それだと、遅い子はいつまで経っても字を覚えないという事にもなりかねないし、
プライドが傷つく子、依存心が芽生える子、出て来ちゃうんですよね。

お手本となる字を指し示して教えてあげる場合、
書くのは本人です。
だから、本人が
「自分で最後まで書けた!」
という気持ちを持って、先生に見せにいけるんです。


文章を作るときにも同じです。
こちらがあまりに主導してしまうと
本人が、「自分でやった!」
という気もちが持てなくなります。
そうすると、同じ様な活動が今後でてきたときの
モチベーションが下がっちゃいます。

だから徹底的に聞き出します。
今回の作文は
最初に「絵」から入ったので、
この「聞き取り」が大変楽でした。
謎の絵を書いている子も、
ひとつずつ指差して「何か?」を聞けば、
何かしら取っ掛かりになる物が見つかります。
本人からでてきた単語を大事にしながら、
文章にはこちらでまとめていきます。
聞き取りには時間をかけますが、
文にまとめていくときには、
あんまり時間をかけません。
それなりのスタイルに整えて、
前述の「指差し」を使いながら
用紙にどんどん書かせてきます。

それなりの書式にしたがって(配られる紙は皆一緒ですから文字数の上限も決まっています)、自分のした事や感じた事をまとめるのには色々な能力を必要とします。
今すぐにそれが出来なくても当たり前。そう思えば
「どう書くの?」「どうするの?」
と、しつこく問い詰める必要はないと思うんです。
今は、自分の話した事が、自分の字で用紙に書き残されていく。
その楽しさを感じてもらえればいいと思うんです。

書き終わったのを、1字ずつ確かめるように一緒に読んで、
おしまい。
もちろん、その子の表情を見て
書いた文章が本人の意に沿う物だったのかどうかは確認します。







最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さっちー)
2009-06-14 03:00:59
seiさんこんばんは~
そうか~やっぱり各クラスに何人かは
少し苦手さんは居るのか~と思ったのと、
この早い時期にseiさんの様なフォローをして
もらえる苦手さん達がうらやましい!と
心底思いました。
プライドや依存心の問題ってすごくわかるので
・・早めに対処で達成感は本当に大切ですよね。
これって担任の先生一人だと実際難しいですよね~。
seiさん、算数や国語の特定の授業以外の
帰りの会等も活躍されてるんですね。
娘の学校じゃなくても(ぜひ来ていただきたいですが)世の中どこかで見守ってくれてる人がいるんだ!とあらためてなんだかうれしく
なりました。

娘の学力はますますスローテンポ、算数なんか
は後退してますが(ハ~・・)生活面や情緒面
はかなりな成長をしているので、いつの日か
これが学力にもつながるかも?とひそかに期待
しつつ・・。
うまい具合に(笑)絶望のどん底にいるとそのうち少し光がさしてきたりして(ささいな事でも大喜び)平均値の上の子よりも喜びも
悲しみも大きい子育てですね~ホントに。
返信する
板書 (双子の母)
2009-06-14 11:51:30
こんちには。

板書の苦手なお子さんや
「読み書き」の習得に困難のあるお子さん、

「視機能」「視覚認知」の問題が潜んでいることがかなりの割合でいるようです。

視機能のうち眼球運動の問題は
簡単な訓練で劇的に改善することも多く
是非、小学生のうちに気づいてあげられると
いいなあと思っています。

双子の兄は両者にかなりの躓きがあって
小6で判明、眼球運動の改善で板書が随分楽になりました。図形の認知、体のバランス、左右認知などの問題は視覚認知発達の問題が絡み、療育を継続中で先は長いようです。

思った以上に躓きを抱えるお子さんが多く、通級や支援級関係でご存知の先生も増えてきている分野のようです。

返信する
やっぱりすごいなあ。 (しのぶ)
2009-06-14 20:49:38
こんにちは。seiさんは やっぱりすごいです。私から言えば 「スーパー先生」ですよ。
なるほど。そういうねらいがあって、そういう手法で 助けるのね・・よく分かるし、すごいと思う。すごい、すごいの連発ですね《笑》

黒板の字が つながってみえるかもしれない・・

そうかあ。そんなふうに考えたことなかったな。

(こいつ《自分の子供のことです》、バカちゃう?)

って 思ってたよ。。。ごめん、わが子供たちよ。母はざんげします。
返信する
さっちーさん。 (sei)
2009-06-16 16:30:06
そうですよ。原因は様々だと思いますが、
苦手さん達は結構いるんです。
私も、この仕事をはじめて、
「へぇー結構いるんだなぁ・・」
って思った覚えがあります。


今の段階では、まだ先生も優しくて、少し出来る様になっただけでも褒めてくれますし、
本人や周りも、まだ「比較」する感覚も薄いので、支援は入れ易いんです。
なので、今がチャンスとばかり、張り付きしてます。

連絡帳は、帰りの会ではなくて授業内で書いてるんですよ。どの先生も割合ゆったりと時間をとってくれるので助かってます。
毎日毎日、ある程度まとまった字を(しかも教科名など、同じ様な字を)繰り返し書ける連絡帳は、ひらがなの弱い子には、結構いい練習素材になるように思うんです。
でも、それも毎回殆どかけない(或いは途中で終わってしまう)ままでは、練習効果が薄いですよね。
(実は、のんびり娘1年生のときは、そういう感じでしたの)
だから、あの手この手を使って、なんとか書き上げられるように頑張ってます。

お嬢さん、生活面と情緒面が伸びているのって大きいですね。すぐにではなくても、そういうのっていつかきっと全ての面に繋がってくると、私も思いますよ。





返信する
双子母さん。 (sei)
2009-06-19 23:04:44
いつもながら、有用な情報をありがとうございます。

私は、
学校内で、特別な支援の得られないのんびりちゃんをあるものを使ってサポートする手法
或いは、
家庭内で、家族がのんびりちゃんの勉強を見るときに役立つ何か
を少しずつでも提供できたらという思いでこのブログを書いていますが、
覗きに着て下さるお母さん方の中には、
双子母さんが提供してくださるような
「専門家について」や「メカニズムについて」
といった情報がほしかった・・
という方も少なくないと思うのです。
その辺りを、いつも上手にフォローしてくださって
本当にありがたいです。

「視機能検査」は、出来る眼科が限られているようですが、ネット検索でたどり着く事も可能ですよね。

あと、訓練なんですが、その理屈がつかめれば
日常生活や、学習活動の中でも取り入れていけるものも多いのではないでしょうか?
そのあたり、数年間学校の子ども達を見てきて私が感じている事をまた書いてみようと思っています。


返信する
しのぶさん。 (sei)
2009-06-19 23:17:29
私からすると、しのぶさんの方がずっとスーパーですよ。
中学校での情緒支援級立ち上げ。
太郎君のためだけではなく、後に続く方たちのためでしょ。
もしも同じ立場におかれたとしても、私にはそれだけのパワーはないと思う。

それにね、自分の子どものときはそんなに冷静に見てあげてないですよ。怒りこそしませんでしたが、
「何で、ここまでしてわからないんだ???」
という溜息のような気分はでてきますよ。

返信する
訓練 (双子の母)
2009-06-20 00:11:00
眼球運動や視覚認知、「訓練」とはいっても「できる範囲」で簡単にできるものを週1回程度しかしていませんでした。この半年は「成長期」なのと別の理由で「ベース」の状況確認のためまったく訓練せずでした。でも、成長してました。

日常の生活では診断以前にしていた読み書きの工夫はどれも支援としては結構いい線でした。

訓練としても「DS」の眼力を上げるようなソフトでも十分だし、「こぐま会」の「小学校お受験教材」やパズルに随分使えるものがあるようです。

ただ、我が家のように大きな躓きのある場合視覚のどこに弱さがどこにあるかを知っていたほうがよい対策がたてられると思います。
我が家は浦安の「かわばた眼科」に通院中です。この筋では有名な眼科でHPに詳しく視覚認知のことも掲載されていますので是非ごらんください。


返信する
双子母さん。 (sei)
2009-06-25 21:57:48
詳しい情報をありがとうございました。

どんなお子さんでも、結局はその子その子に合わせて、周囲の環境をうまく利用して支援していくしかないと思うのですが、その時に
「どこに弱さがあり、それがどういう形で表にでてきてるのか」
を読み解く手掛かりがあれば、また色んな工夫ができますよね。

そうした手掛かりを与えてくれる専門家の存在はあいがたいですね。
返信する

コメントを投稿