名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(960);四間飛車に位取り(南芳一)

2018-07-28 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180728
昭和63年9月、南芳一先生と第47期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に南先生は持久戦模様、66歩と突きました。64歩97角62飛65歩95歩64角同飛同歩96歩88銀という変化があります。形勢は難しいのですが

大山先生はそういうのを嫌うので位を取られることになりました。

美濃囲いは進展させられないので35歩から石田流をねらえば、南先生は46銀でけん制しました。そこで45歩。

角交換にはならず44銀型に。南先生は2手損ですが、35歩を突かせているのがどうなるか。

大山先生は銀を引いて44飛~34飛で石田流を狙いました。

南先生が55歩から反発するのも当然でしょう。ここで44銀同銀同飛くらいなら互角でしょうか。

36歩は意地を張った感じです。45銀に35飛、これは44銀直から

銀銀と角銀の交換で

香も取って南先生の駒得です。37歩成だけでは追いつかないです。

ここは悩みますね。飛車を逃げるのもあるし、1手パスでも良いのです。

37歩26と35馬。28飛から桂香を拾えば大山先生も悪くない(駒損が消えていって玉の堅さが残る)ところでしたが



25と57馬では損をしました。28飛には39馬です。

33桂とためて様子をうかがいます。41飛に51金引。

南先生は飛車を切って角を打ち

桂を取れば二枚換えです。大山先生は自陣飛車で暴れようとします。66馬引が安全でしたが

44馬は危険でした。飛車を切って28飛、これで逆転しています。

68金打に29飛成で悪くないのですが、35角で馬を消そうとしたら55馬。57角成74桂71玉82銀61玉62桂成同玉58香、というのが自信なく

64歩で避けたら36歩。両取りで困っています。57角成しかないですが

南先生は飛車を取り、馬を追って香飛を配置します。これは攻防手になりそう。

馬をぶつけて交換になり

大山先生は粘るのですが駒損です。

南先生の22竜の利きを生かした寄せが決まり、後手玉が薄くなっていきます。

飛車を走って

突撃すれば

ここまで。

南先生が終始駒得で悪くなさそうなのですが、序盤で手損しているために先手玉の薄さが気になります。馬を引き付けたところは優勢ですが、その馬をはがされておかしくなっているところがあります。
大山先生は逆転した後での76手目35角が不発だったというのが残念でした。味の良い手に見えるのですけれど。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:南芳一王将
後手:大山十五世名人
先手省略名:南
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 7一玉(62)
17 6六歩(67)
18 4三銀(32)
19 6五歩(66)
20 3五歩(34)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 4六銀(57)
24 4五歩(44)
25 5七銀(46)
26 4四銀(43)
27 5八金(49)
28 5二金(41)
29 6八銀(79)
30 5四歩(53)
31 6七銀(68)
32 8二玉(71)
33 6六銀(57)
34 5三銀(44)
35 2六飛(28)
36 4四飛(42)
37 5五歩(56)
38 同 歩(54)
39 同 銀(66)
40 3四飛(44)
41 5六銀(67)
42 3六歩(35)
43 4五銀(56)
44 3五飛(34)
45 4四銀(45)
46 同 銀(53)
47 同 銀(55)
48 同 角(33)
49 同 角(88)
50 3四飛(35)
51 1一角成(44)
52 3七歩成(36)
53 3五歩打
54 同 飛(34)
55 4四馬(11)
56 3六と(37)
57 3七歩打
58 2六と(36)
59 3五馬(44)
60 2五と(26)
61 5七馬(35)
62 3三桂(21)
63 4一飛打
64 5一金(52)
65 同 飛成(41)
66 同 金(61)
67 4四角打
68 6二銀打
69 3三角成(44)
70 5三飛打
71 4四馬(33)
72 5七飛成(53)
73 同 金(58)
74 2八飛打
75 6八金打
76 3五角打
77 5五馬(44)
78 6四歩(63)
79 3六歩(37)
80 5七角成(35)
81 2八馬(55)
82 6六馬(57)
83 7七銀打
84 6五馬(66)
85 6七香打
86 5四馬(65)
87 5九飛打
88 4五馬(54)
89 6四馬(28)
90 6三銀打
91 4六馬(64)
92 同 馬(45)
93 同 歩(47)
94 6四歩打
95 2一飛打
96 5四歩打
97 7五桂打
98 4一歩打
99 4四角打
100 5二金打
101 2二飛成(21)
102 3六と(25)
103 6三桂成(75)
104 同 銀(72)
105 5三歩打
106 4二金(52)
107 5二銀打
108 同 銀(63)
109 同 歩成(53)
110 同 金(42)
111 5四飛(59)
112 5三歩打
113 6四飛(54)
114 6三歩打
115 同 飛成(64)
116 同 銀(62)
117 同 香成(67)
118 投了
まで117手で先手の勝ち

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大山将棋問題集 20180727

2018-07-27 | 大山将棋研究
後手番南先生の手を考えます。

第1問


角筋をどう受けますか?
A 92香 B 73角 C 55角

第2問


65銀は恐れないで手を作ります。
A 73桂 B 44金 C 55同角

第3問


この手が利くのが大きいです。
A 87歩 B 54歩 C 75歩

第4問


こういう落ち着いた手を指せるようになりたいです。
A 38銀 B 88歩成 C 82銀

第5問


ここもあわてません。
A 56同銀 B 31金 C 54銀上
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大山将棋研究(959);四間飛車に天守閣美濃右64銀急戦(南芳一)

2018-07-27 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180727
昭和63年9月、南芳一先生(当時王将)と第9回日本シリーズです。

大山先生の四間飛車に南先生は天守閣美濃で

64銀の急戦です。この図は75歩同歩64銀とするか、82飛のまま64銀~75歩というのが本来の手順で

角交換になると銀を引かねばなりませんからちょっと失敗なのです。

55銀と出られるから居飛車が悪くもないのですが、局面は膠着してしまいます。

角は打ちあいになり

南先生はずいぶん堅くできました。作戦勝ちです。

大山先生は75歩から動いて76歩は飛車の詰めろ。

8筋を攻めるのはわかりやすいですが

角交換には応じにくいです。45歩に64歩から

55歩、角交換を避けておきます。

ずいぶん玉が薄くなりますが、中央を抑えて8筋だけが楽しみです。

ここに歩を打たれるのが痛いです。87同飛には55金同銀左同角同銀78銀でやられそう。87歩は取れず

83歩成は実現しましたが、角をさばかれました。これでは形勢不利です。

34歩同金55銀と使えて、まだまだではありますが割打ちが入り

しがみつかれて47銀の受けに

また銀をはがされ

裸の王様です。

左翼に逃げ出したいのですが、88歩成が痛くて

左上を目指します。

飛車を取れて

盛り返した感じはありますが、入玉はできそうにないです。

31角から71飛で攻めるのですが戦力不足です。

上から押さえつけられる形になり

馬を作っても催促されます。

後手玉は寄せられず

打たせた角を成られてはどうしようもありません。

35桂が入り、馬を使われて

投了図。

木村美濃VS四枚美濃では堅さが違い過ぎました。作戦負けだと思えば手を出さずに待っている方が良いのですが、左翼から動いても押さえこめませんでした。大山先生らしい粘りも出ましたが、南先生の落ち着きが上回っています。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:南芳一王将
後手省略名:南
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 2四歩(23)
19 6七銀(78)
20 2三玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 7四歩(73)
29 2六歩(27)
30 7二飛(82)
31 7八飛(68)
32 6四銀(53)
33 6五歩(66)
34 7七角成(22)
35 同 桂(89)
36 5五銀(64)
37 4七銀(38)
38 8二飛(72)
39 8八飛(78)
40 4四銀(55)
41 3八金(49)
42 3三銀(44)
43 3七角打
44 5五角打
45 6八金(58)
46 4四歩(43)
47 5六歩(57)
48 7三角(55)
49 6六銀(67)
50 4三金(52)
51 6七金(68)
52 8四飛(82)
53 9六歩(97)
54 9四歩(93)
55 7五歩(76)
56 9二香(91)
57 7四歩(75)
58 同 飛(84)
59 7六歩打
60 9一角(73)
61 8六歩(87)
62 4五歩(44)
63 6四歩(65)
64 4六歩(45)
65 同 角(37)
66 6四角(91)
67 5五歩(56)
68 4四金(43)
69 5六銀(47)
70 4五歩打
71 3七角(46)
72 7一飛(74)
73 5四歩(55)
74 同 金(44)
75 5五歩打
76 4四金(54)
77 6五歩打
78 9一角(64)
79 8五歩(86)
80 3五歩(34)
81 8四歩(85)
82 3六歩(35)
83 4八角(37)
84 8七歩打
85 5八飛(88)
86 5四歩打
87 8三歩成(84)
88 5五角(91)
89 同 銀(56)
90 同 歩(54)
91 3四歩打
92 同 金(44)
93 5五銀(66)
94 4九銀打
95 5九飛(58)
96 5一飛(71)
97 5四歩打
98 3八銀成(49)
99 同 玉(28)
100 4六金打
101 4七銀打
102 同 金(46)
103 同 玉(38)
104 4六銀打
105 同 銀(55)
106 同 歩(45)
107 同 玉(47)
108 4四銀(33)
109 8四角(48)
110 5八歩打
111 4九飛(59)
112 5四飛(51)
113 5六歩打
114 8八歩成(87)
115 5七玉(46)
116 8七と(88)
117 6二角成(84)
118 5九歩成(58)
119 同 飛(49)
120 5五歩打
121 6六玉(57)
122 5二金(41)
123 7二馬(62)
124 7四歩打
125 6四金打
126 同 歩(63)
127 5四馬(72)
128 6三銀打
129 3六馬(54)
130 6五歩(64)
131 同 桂(77)
132 6四歩打
133 3一角打
134 4一金打
135 7一飛打
136 6五歩(64)
137 5七玉(66)
138 4五銀(44)
139 3七馬(36)
140 5六歩(55)
141 同 金(67)
142 5四銀(63)
143 6四角成(31)
144 6三金(52)
145 3一馬(64)
146 同 金(41)
147 同 飛成(71)
148 2二角打
149 4二龍(31)
150 4一歩打
151 5二龍(42)
152 5六銀(45)
153 同 玉(57)
154 7七角成(22)
155 4九飛(59)
156 6六馬(77)
157 4七玉(56)
158 3五桂打
159 3八玉(47)
160 5六馬(66)
161 4七歩打
162 3六歩打
163 同 馬(37)
164 4五金(34)
165 同 馬(36)
166 同 馬(56)
167 投了
まで166手で後手の勝ち

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20180727今日の一手(その729);筋の良い手

2018-07-27 | 今日の一手

20180727今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

この将棋は後手の右四間飛車で

42銀を33~44~55銀左とぶつけたのです。面白い構想でした。
銀交換して7筋を攻められたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得です。後手は持ち歩がありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒銀1枚。
後手の攻め駒は55角76銀で2枚。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として

角取りに銀を打たれたのですから、角を逃げたいのですがうまく逃げられるかどうか。
あるいは逃げずに角銀交換を受け入れるかどうか。代償としては、角と銀歩の二枚換えだというか、角がさばけて攻め駒になったと主張するかです。
どれもありそうで悩みますね。できるなら筋の良い手を優先して、比較検討するしかなさそうです。


△ 56歩は22角

の位置が良いかどうかは微妙なところですが、角を引かれます。これはどの変化でも出てきて、どれかに合流しそうです。


× 角を逃げる手を考えてみます。実戦は88角でした。当然87銀成

これで88成銀同飛で飛車をさばく手を期待したのです。催促する手はないので、37桂42金上35歩同歩34歩

玉頭に手を付けました。良さそうな手に見えたのですが、78歩が角取り、77角79歩成

桂取りで焦らされます。56歩22角55歩同銀58飛89と95角82飛

駒損でもさばいたという感じはあるのですが、95角の働きは悪いです。33銀同桂55飛と技をかけに行ったら36桂

損した桂馬をここに使われるのが痛いです。17玉(18玉でも)25桂同桂55角

飛車を取られて駒損は広がります。33銀と打てるのでまだ戦える形ですが、逆転することはありませんでした。
88角は角を取らずに87銀成~78歩で駒損していくのでうまくないようです。


× 95角と逃げたら

94歩84角82飛には73銀

しかありません。73同桂同角成87飛成88歩81竜

先手の駒損で、67銀打48飛66角という順と62銀から馬の捕獲の順の2つの狙いを防ぎきれません。これは後手有利です。


△ 86角だと

87銀成は95角94歩84角82飛73銀同桂同角成

後手の87飛成を消しているのでうまくいきました。

後手は87銀成の効果がなくて65歩

74歩66歩56歩22角73歩成同桂74歩

やはりこの筋で反撃することになります。67歩成73歩成65飛

74銀66飛69飛か、単に69飛かというところでしょう。先に桂を取っているので形勢互角です。


× 角を逃げないで37桂と待ったとしたら65歩

取るわけにもいかず、反撃は74歩しかありません。長いですが77銀成同桂66歩73歩成同桂74歩67歩成73歩成66飛

まで進むところでしょう。68飛を逃げるしかなくて駒損になりそうです。小駒だけの持ち歩なしで4枚の攻め駒というのは攻め足が遅いので後手もちでしょう。

65歩の時に88角87銀不成(あるいは銀成)

と一度逃げておくのが工夫です。74歩66歩73歩成同桂74歩88銀不成73歩成

うまくいったようなのですが、64飛とかわされた時に歩切れで88飛~84飛とできません。64飛に76桂が仕方なく、65飛88飛67歩成84飛58と

58同金69飛成69銀打66角

39角18玉58竜が詰めろになる形です。最初の37桂を別の手にしておけばもう少しましかもしれませんが、76桂と使う感触が悪くてうまくいきません。


○ 何度か出てきますが74歩

というのが反撃の筋です。角を逃げないで突きだすのが一番早いタイミングですね。77銀成同桂65歩同桂

というのは一番歓迎するところでしょう。(65同銀同歩77角成はまだ難しいですが。)

単に65歩ならば

95角66歩84角

82飛には66角、65飛には56銀、64飛には75銀~66銀という調子です。

77銀成同桂72飛なら

重いですが83銀71飛56歩22角82銀打51飛91銀成(あるいは不成か)

歩を渡さないように駒を取りに行きます。角と銀香歩の三枚換えですからゆっくり指せばよくなっていくはず。後手の飛車を封じてあるので何とかなるでしょう。

77銀成同桂を入れずに72飛なら

83銀71飛95角

65歩84角66歩同角という調子です。

× 我慢するのは78銀で

角を取られても傷を作らないという意味です。角と銀歩の二枚換えだというのですが、77銀成同銀65歩

後手は歩を手に入れられるのでまずい感じです。56歩22角65歩同銀63歩同飛72銀

62飛63歩72飛65飛ならばまだ指せるかもしれません。64飛81銀成66歩91成銀67角

桂香を取っても駒損を回復されそうです。
こういうのは角と銀の性能の差が出ていて、91成銀が91馬ならば先手が指せるのですけれど。


△ 我慢ついでは56金と出て

22角に78銀77銀成同銀

これなら65歩はありません。角と銀歩の二枚換えだというわけです。後手が歩を手に入れるまでは難しいのですが、いつまで通用するかよくわかりません。

56金22角に74歩

だと別の展開です。これは先手玉が薄くなったので後手も63金と守りやすくなり、77銀成同桂63金45銀

くらいでしょうか。難しい戦いです。


☆ まとめ

角銀交換を恐れないならば、得した歩の筋を突きだすのが筋の良い手です。これが一番歩得を生かす指し方になります。形勢が良ければ一番先に考えてみましょう。

角の逃げる場所は悩ましいです。どれが正解かは考えないとわからないのですが、
88角は87銀成~78歩があって駄目でした。
95角は94歩84角82飛という筋にはまってダメになることがあります。
86角が正しいとは思いませんでした。

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大山将棋問題集 20180726

2018-07-26 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


大山先生はこう指します。
A 65歩 B 38金 C 38飛

第2問


どう受けますか?
A 65同歩 B 55歩 C 77歩

第3問


これが気になる手なのですが。
A 77同角 B 77同金 C 75銀

第4問


派手な手がありました。
A 76金 B 86金 C 44歩
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大山将棋研究(958);四間飛車に左64銀急戦(椎橋金司)

2018-07-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180726
昭和63年9月、椎橋金司先生と第30期王位戦です。

大山先生の四間飛車に椎橋先生は袖飛車から

左64銀の急戦です。

大山先生はいつもの袖飛車で

椎橋先生はちょっと薄い受け方です。これでは指しにくくなりそうで、まだ42金上~41玉のほうが良さそうに思います。

32金と上がって攻めるのですが、後手玉の薄さが目立ちます。

大山先生は5筋を突き捨てて65歩

73桂に66銀。危なさそうですが、77歩成に75銀があって

銀交換で収まりました。

椎橋先生は36歩から56歩。これはわかります。

だけど45銀36歩同飛に25銀と打つのはいかにも悪手です。

35飛に44銀が良く見えたのでしょうか?25銀を取られ

と金を作るだけでは割に合いません。

大山先生は2筋を狙います。24銀26飛ならば十分でしょう。

椎橋先生は角金をかわすのですが、ここで大山先生の

86金が格好いい手です。86同歩は55角同と64角53角75角同角61銀くらい。駒損でも強く迫れば寄りです。88角成75金が最善かもしれませんが

78飛成に55角同と64角。大山先生は角をさばいて左右挟撃を目指します。

投了図。後手玉は詰めろではないですが、先手玉への詰めろが続きません。

椎橋先生にいくつかおかしな手があって一方的になってしまいました。大山先生の袖飛車の反撃は指しこなすのが難しいのですが、本局はわかりやすい例です。玉頭で少しポイントを稼いで左翼の駒をさばきました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:椎橋金司5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 3八銀(39)
16 4二銀(31)
17 6七銀(78)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 7四歩(73)
21 4六歩(47)
22 5三銀(42)
23 3六歩(37)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 7二飛(82)
27 4七銀(38)
28 7五歩(74)
29 同 歩(76)
30 6四銀(53)
31 7八金(69)
32 7五銀(64)
33 3八飛(68)
34 7六歩打
35 8八角(77)
36 5三銀(62)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 同 飛(38)
40 4二玉(32)
41 3八金(49)
42 3二金(41)
43 9八香(99)
44 6四歩(63)
45 5六歩(57)
46 7四飛(72)
47 3七飛(35)
48 6五歩(64)
49 5五歩(56)
50 同 歩(54)
51 6五歩(66)
52 7三桂(81)
53 6六銀(67)
54 7七歩成(76)
55 7五銀(66)
56 同 飛(74)
57 7七金(78)
58 3六歩打
59 同 銀(47)
60 5六歩(55)
61 4五銀(36)
62 3六歩打
63 同 飛(37)
64 2五銀打
65 3五飛(36)
66 4四銀(53)
67 2五飛(35)
68 4五銀(44)
69 同 歩(46)
70 5七歩成(56)
71 5八歩打
72 5六と(57)
73 3四銀打
74 5五角(22)
75 3七歩打
76 6五桂(73)
77 2三銀成(34)
78 3一金(32)
79 8六金(77)
80 7八飛成(75)
81 5五角(88)
82 同 と(56)
83 6四角打
84 5三銀打
85 9一角成(64)
86 5八龍(78)
87 3二銀打
88 投了
まで87手で先手の勝ち

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大山将棋問題集 20180725

2018-07-25 | 大山将棋研究
先手番田丸先生の手を考えます。

第1問


攻め筋はいくつかあるのですが、強く攻めすぎると切れてしまいます。
A 43歩 B 77角 C 31角

第2問


平凡な手なのですが、案外にうまくいきました。
A 53金 B 66金 C 43歩

第3問


これが好手です。
A 32銀不成 B 52銀不成 C 65金


最後は後手番大山先生の手を考えます。
第4問


後手玉は詰めろです。逆転を狙うには?
A 94金 B 86歩 C 86桂

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大山将棋研究(957);四間飛車に右四間飛車(田丸昇)

2018-07-25 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180725
昭和63年9月、田丸昇先生と第38回NHK杯です。

田丸先生の早い46歩~47銀を見て、大山先生は四間飛車

田丸先生は右四間飛車になりました。

早い仕掛けですね。

大山先生は54歩を突くとかなり受けやすいのです。

田丸先生は角を打ち込んで

馬を作っても攻め切るのは大変です。

45銀には53銀というのがおとなしいのですが、大山先生は角を打って馬を作るほうが好きです。

田丸先生は割打ちがあるので結構手が続きます。

19香を取られますが

飛車をさばいた図では先手もちです。

大山先生は粘りにでました。銀を打ち

自陣飛車を打ちます。

田丸先生は竜を切ってまた割打ちで

大山先生は金を殺すのですが、これが失敗かも。

96馬が働いているので受けが難しくなっています。

大山先生は馬を殺して

玉を逃げ出して粘ります。

結構難しそうですね。

ここで73成銀で受けにくそうに見えます。

田丸先生は端を突き捨てて92金寄でしたが、83金を取られて攻め切れるか?

詰めろがかかりました。部分的には受けなしですが

大山先生は先手玉を攻めつつ上部を開きます。

88玉76角成は後手の勝ちでしょう。77玉は詰めろなので先手の勝ち。

本譜田丸先生は68玉でしたから王手で持ち駒を使わされ

36馬で危ないけれど先手玉は詰みません。

また田丸先生の攻める番で

打ち歩詰めになって(駒を渡して先手玉が詰めろになったので)47歩と手が戻ります。87歩成に

また後手玉を追い回すのですが

詰めろが続きません。

21桂12飛を取りましたがここまで。

攻め将棋の田丸先生らしく、終始攻め続けた将棋でした。大山先生の受けが薄かったというか、強気に66金を取りに行ったのがおかしかったのでしょう。中段玉で粘ってみたらいつの間にか勝ちになりました。早指しのシーソーゲームは面白いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:田丸昇7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 4四歩(43)
5 4六歩(47)
6 3二銀(31)
7 4七銀(48)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 3六歩(37)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 5六銀(47)
18 7二銀(71)
19 4八飛(28)
20 3三角(22)
21 3七桂(29)
22 5二金(41)
23 2五桂(37)
24 2二角(33)
25 4五歩(46)
26 5四歩(53)
27 4四歩(45)
28 同 角(22)
29 同 角(88)
30 同 銀(43)
31 3一角打
32 3二飛(42)
33 8六角成(31)
34 4三歩打
35 4五銀(56)
36 5五角打
37 4四銀(45)
38 同 歩(43)
39 4一銀打
40 4二飛(32)
41 5二銀成(41)
42 同 飛(42)
43 6六金打
44 1九角成(55)
45 4四飛(48)
46 6四歩(63)
47 4一飛成(44)
48 2四歩(23)
49 4四歩打
50 3二銀打
51 5二龍(41)
52 同 金(61)
53 9六馬(86)
54 6三香打
55 3一飛打
56 4二飛打
57 3二飛成(31)
58 同 飛(42)
59 4一銀打
60 6五歩(64)
61 5六金(66)
62 5五歩(54)
63 6五金(56)
64 同 香(63)
65 5二銀(41)
66 5六歩(55)
67 4三歩成(44)
68 1二飛(32)
69 5六歩(57)
70 8四歩(83)
71 5三と(43)
72 8五金打
73 6二と(53)
74 8三銀(72)
75 6三銀成(52)
76 9四歩(93)
77 7二金打
78 9三玉(82)
79 8五馬(96)
80 同 歩(84)
81 8一金(72)
82 9二香(91)
83 7五桂打
84 7四銀(83)
85 7二と(62)
86 8四玉(93)
87 8二金(81)
88 9五歩(94)
89 8三金打
90 9四玉(84)
91 9六歩(97)
92 同 歩(95)
93 9二金(82)
94 8三銀(74)
95 9五歩打
96 8四玉(94)
97 8三桂成(75)
98 同 玉(84)
99 7五香打
100 7四歩(73)
101 8二金(92)
102 8四玉(83)
103 7三銀打
104 9五玉(84)
105 8三金(82)
106 8六桂打
107 同 歩(87)
108 8七銀打
109 同 玉(78)
110 8六歩(85)
111 7八玉(87)
112 8七歩成(86)
113 同 玉(78)
114 8六歩打
115 7八玉(87)
116 8七角打
117 6八玉(78)
118 4六馬(19)
119 5七銀打
120 6九角成(87)
121 同 玉(68)
122 4九飛打
123 5九桂打
124 3六馬(46)
125 8四銀(73)
126 8五玉(95)
127 7七桂(89)
128 7六玉(85)
129 8五角打
130 7七玉(76)
131 7八歩打
132 8七玉(77)
133 9六角(85)
134 7六玉(87)
135 7七歩(78)
136 同 玉(76)
137 6八銀(57)
138 7六玉(77)
139 4七歩打
140 8七歩成(86)
141 7七歩打
142 8六玉(76)
143 9五銀(84)
144 同 玉(86)
145 8七角(96)
146 9八歩打
147 同 香(99)
148 9七歩打
149 同 香(98)
150 9六歩打
151 同 香(97)
152 8六玉(95)
153 6五角(87)
154 8七歩打
155 8八歩打
156 8九銀打
157 2一角成(65)
158 5四歩打
159 8七歩(88)
160 同 玉(86)
161 9九桂打
162 9八玉(87)
163 1二馬(21)
164 7八金打
165 投了
まで164手で後手の勝ち

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20180725今日の一手(その728);素直に応じて悪い時

2018-07-25 | 今日の一手

20180725今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、FさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしと見ておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛37桂56銀で3枚。
後手の攻め駒は55金1枚ですが、44銀33角あたりは働きそうです。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
先手が指しやすそうなのですが、中央の戦いになってしまいました。中央は後手の勢力圏内です。
24歩同歩の突き捨て、37桂と活用できているのはプラス、77角の筋が止まっている、85歩か95歩を突いていないというのがマイナスです。
素直に応じて十分に飛桂もさばけるのならば問題なしなのですが、そうではないのならば77角を使えるようになるまでは我慢が必要でしょう。


× 実戦は素直に55同銀同銀

後手から66銀と46歩があります。57金打でも46歩からさばかれて悪そう。実戦では58飛とけん制したのですが46歩同歩同飛

55銀を動かさずにさばかれて指しにくくなってしまいました。45金には56飛で困っています。
44歩49飛成45金という順をひねり出しましたが44銀59歩67歩同金左45銀同桂同竜53飛成55桂と進んで

後手優勢です。先手の銀冠は堅いけれど67歩とたたけるので案外にもろかったのでした。

反撃の筋としては35歩で

66銀34歩77銀成同桂55角24飛22歩

駒損ですし、さらに37角成があるのでは苦しいです。


○ 65銀とかわすと

65同金同歩というのは角筋が通るので歓迎です。46歩同歩同金35歩

37桂は取られても中央に転戦して形勢互角です。

62飛には67金直として

74銀を狙います。


○ 67銀と引くと

さらに堅くなります。46歩同歩同金35歩

というのは同じ筋で、37金34歩28金33歩成同銀34歩同銀65歩

玉の堅さで優るので、77角を使えるようになれば桂飛と角の取り合いですが悪くはありません。


× 次に考えるのは55銀にひもを付ける手で、58飛は

56金同飛55銀

飛車を引くのならば最初に55同銀同飛58飛と同じことです。と言って55同飛同角45桂同飛56銀

無理に技をかけに行くと25飛26歩同飛55銀29飛成

59飛を狙われて悪いです。(前の変化と比べると、77角55銀がさばけていないですし、後手の飛金銀がさばけているという違いです。)


○ 57金も同じ意味です。

なお67金直では46歩同歩同金の余地がありますし、多分56金でしょうから、57金のほうが簡明です。
56金同銀55銀

45金では66銀、45桂でも56銀で損をします。55同金同角24飛22歩

54歩同歩34飛33歩54飛37角成51飛成

やはり先に駒損するのは避けられないですが、21桂を取れれば有利になります。41金と打たれて竜を引いて・・・というのは駒損でも中央から反撃が利くので形勢互角です。


× 57歩だと

銀を取ってもらえれば得ですが、46歩と突かれるとちょっと困ります。35歩同銀55銀同角56金

頑張って受けてみても47歩成55金37と29飛48飛成

と金を使われると駒得とは言えませんし、寄せ合い負けでしょう。


× 他には45桂

(あるいは45金としても同じで)45同金同銀同銀

駒損で飛角がさばけていません。


☆ まとめ

中央は後手の勢力圏内で、先手の角がさばけていないので先手よしにはなりません。37桂を取られやすいというのもマイナス要素になっていて(45桂とさばく順は見当たりませんでした)、互角にするのが精一杯です。
でも先手玉のほうが堅いのですから仕方のないことではあります。玉が堅いので多少の駒損は受け入れるべきなのでしょう。

一番素直に応じて55同銀同銀の図が思わしくない

と気が付いたら、形勢はやや悪いのではないかと思った方が良いです。早く気が付くほど対応策は見つけやすいもので、ここで考え込むよりも数段優ります。

さて金を取れないとしたら
65銀から複雑に戦うか
67銀と引いて堅さだけを主張してなんとかさばくか
57金で均衡を保つか
の三通りです。混戦が好きか、堅い玉で細い攻めが好きか、玉が薄くなっても気にしないか。どれを選ぶかは棋風次第です。


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大山将棋問題集 20180724

2018-07-24 | 大山将棋研究
先手番森内先生の手を考えます。

第1問


これで攻めが続きます。
A 45歩 B 35歩 C 25歩


ここは大山先生の手で
第2問


結構難しくなっています。
A 55香 B 72銀打 C 23飛成


再び森内先生の手で
第3問


これが大山先生を惑わせました。
A 28歩 B 86香 C 63銀

第4問


焦ると失敗します。
A 65馬 B 62銀成 C 82香
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