昭和52年11月、米長邦雄先生と第36期名人挑戦者リーグです。
この時期は大山米長戦が面白いです。升田先生は休場がちで、中原先生とはワンサイドも多いですから。
大山先生の三間飛車になりそうで
米長先生は左美濃。
銀冠にする途中なのですが、石田流をけん制して46銀と出て
さらに3筋の歩交換。このあたりが互いに意地を張っている感じが出ています。
78金と締まっていないので34飛46歩同歩というのはやりにくそうです。
大山先生が3筋の勢力で優り
米長玉が出ました。この後にねらいがあるのが正調の米長玉です。
7筋を突き捨てて歩を合わせ
6筋に飛車を回ります。どこかで見たことがあるのですが、米長の将棋だと思います。
75歩と合わせて金を進出し
桂馬と刺し違えて歩を突きだす。こういう構想が98玉のあたりからできているのです。
角をぶつけ
77銀も味が良いです。大山先生も62金直から飛車を使います。
米長先生は43角から21角成ではなくて65角成が本筋。
58飛成にも飛車をぶつけて64歩と押さえます。
いつもの大山先生なら54金打ではないかと思うのですが、米長先生相手だとなにか違うのです。端から反撃するのは勝負手ですが反動もあります。
米長先生は端を取り込ませて連打し
馬を引いて44馬を狙います。
2枚換えに成功し
さっと玉をかわす。でもまだ難しそうですね。大山先生は65歩としておくくらいだったか。
44角は攻防に見えるのですが、43金という捨て駒がありました。これは考えにくい手です。
77角成と切る手があるわけで、でもそれを飛車で取って7筋からさばく、きれいな手順でした。
銀は取れないのですが94飛というのが好位置。大山先生も反撃して
香を取り合えば
米長先生の角打ちが痛打です。
72香で退路封鎖。大山先生は銀を打って受けますが
飛車銀交換でも香まで攻めに働きます。
投了図。
米長先生の快勝譜なのですが、大山先生の明らかに疑問手というのもなく、米長邦雄の名局、というのがぴったりです。中盤の構想や43金と捨てるのも、何度並べても感心するしかないです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 3五歩(34)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 7八玉(68)
14 3二飛(82)
15 5八金(49)
16 6二玉(51)
17 7七角(88)
18 7二玉(62)
19 8八玉(78)
20 8二玉(72)
21 7八銀(79)
22 7二銀(71)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 8六歩(87)
26 5二金(41)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 6六歩(67)
30 6四歩(63)
31 6七金(58)
32 6三金(52)
33 8七銀(78)
34 7四歩(73)
35 5七銀(48)
36 5四歩(53)
37 4六銀(57)
38 3四銀(43)
39 2六飛(28)
40 7三桂(81)
41 3六歩(37)
42 同 歩(35)
43 同 飛(26)
44 4五歩(44)
45 5七銀(46)
46 4四角(33)
47 7八金(69)
48 3五銀(34)
49 3九飛(36)
50 3六歩打
51 6八銀(57)
52 1三香(11)
53 9八玉(88)
54 8四歩(83)
55 7五歩(76)
56 同 歩(74)
57 7六歩打
58 同 歩(75)
59 同 金(67)
60 7四歩打
61 6九飛(39)
62 5五歩(54)
63 7五歩打
64 同 歩(74)
65 同 金(76)
66 7四歩打
67 8四金(75)
68 8三歩打
69 7三金(84)
70 同 銀(72)
71 6五歩(66)
72 同 歩(64)
73 5五角(77)
74 6二金(61)
75 7七銀(68)
76 5二飛(32)
77 4四角(55)
78 同 銀(35)
79 4三角打
80 5六飛(52)
81 6五角成(43)
82 5八飛成(56)
83 6八飛(69)
84 5九龍(58)
85 6四歩打
86 5三金(63)
87 8五桂打
88 9五歩(94)
89 7九歩打
90 9六歩(95)
91 9二歩打
92 同 香(91)
93 9三歩打
94 同 香(92)
95 6六馬(65)
96 9五香(93)
97 4四馬(66)
98 6七歩打
99 5三馬(44)
100 同 龍(59)
101 6七飛(68)
102 6四銀(73)
103 8八玉(98)
104 4四角打
105 4三金打
106 7七角成(44)
107 同 飛(67)
108 4三龍(53)
109 7四飛(77)
110 7三歩打
111 9四飛(74)
112 5五角打
113 6六歩打
114 同 角(55)
115 7七銀打
116 5五角(66)
117 9五飛(94)
118 1九角成(55)
119 6三歩打
120 同 金(62)
121 6一角打
122 3二龍(43)
123 7二香打
124 8四銀打
125 9六飛(95)
126 9五歩打
127 同 飛(96)
128 同 銀(84)
129 同 香(99)
130 9一香打
131 7一銀打
132 8一玉(82)
133 9一香成(95)
134 同 玉(81)
135 9九香打
136 投了
まで135手で先手の勝ち
この時期は大山米長戦が面白いです。升田先生は休場がちで、中原先生とはワンサイドも多いですから。
大山先生の三間飛車になりそうで
米長先生は左美濃。
銀冠にする途中なのですが、石田流をけん制して46銀と出て
さらに3筋の歩交換。このあたりが互いに意地を張っている感じが出ています。
78金と締まっていないので34飛46歩同歩というのはやりにくそうです。
大山先生が3筋の勢力で優り
米長玉が出ました。この後にねらいがあるのが正調の米長玉です。
7筋を突き捨てて歩を合わせ
6筋に飛車を回ります。どこかで見たことがあるのですが、米長の将棋だと思います。
75歩と合わせて金を進出し
桂馬と刺し違えて歩を突きだす。こういう構想が98玉のあたりからできているのです。
角をぶつけ
77銀も味が良いです。大山先生も62金直から飛車を使います。
米長先生は43角から21角成ではなくて65角成が本筋。
58飛成にも飛車をぶつけて64歩と押さえます。
いつもの大山先生なら54金打ではないかと思うのですが、米長先生相手だとなにか違うのです。端から反撃するのは勝負手ですが反動もあります。
米長先生は端を取り込ませて連打し
馬を引いて44馬を狙います。
2枚換えに成功し
さっと玉をかわす。でもまだ難しそうですね。大山先生は65歩としておくくらいだったか。
44角は攻防に見えるのですが、43金という捨て駒がありました。これは考えにくい手です。
77角成と切る手があるわけで、でもそれを飛車で取って7筋からさばく、きれいな手順でした。
銀は取れないのですが94飛というのが好位置。大山先生も反撃して
香を取り合えば
米長先生の角打ちが痛打です。
72香で退路封鎖。大山先生は銀を打って受けますが
飛車銀交換でも香まで攻めに働きます。
投了図。
米長先生の快勝譜なのですが、大山先生の明らかに疑問手というのもなく、米長邦雄の名局、というのがぴったりです。中盤の構想や43金と捨てるのも、何度並べても感心するしかないです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 3五歩(34)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 7八玉(68)
14 3二飛(82)
15 5八金(49)
16 6二玉(51)
17 7七角(88)
18 7二玉(62)
19 8八玉(78)
20 8二玉(72)
21 7八銀(79)
22 7二銀(71)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 8六歩(87)
26 5二金(41)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 6六歩(67)
30 6四歩(63)
31 6七金(58)
32 6三金(52)
33 8七銀(78)
34 7四歩(73)
35 5七銀(48)
36 5四歩(53)
37 4六銀(57)
38 3四銀(43)
39 2六飛(28)
40 7三桂(81)
41 3六歩(37)
42 同 歩(35)
43 同 飛(26)
44 4五歩(44)
45 5七銀(46)
46 4四角(33)
47 7八金(69)
48 3五銀(34)
49 3九飛(36)
50 3六歩打
51 6八銀(57)
52 1三香(11)
53 9八玉(88)
54 8四歩(83)
55 7五歩(76)
56 同 歩(74)
57 7六歩打
58 同 歩(75)
59 同 金(67)
60 7四歩打
61 6九飛(39)
62 5五歩(54)
63 7五歩打
64 同 歩(74)
65 同 金(76)
66 7四歩打
67 8四金(75)
68 8三歩打
69 7三金(84)
70 同 銀(72)
71 6五歩(66)
72 同 歩(64)
73 5五角(77)
74 6二金(61)
75 7七銀(68)
76 5二飛(32)
77 4四角(55)
78 同 銀(35)
79 4三角打
80 5六飛(52)
81 6五角成(43)
82 5八飛成(56)
83 6八飛(69)
84 5九龍(58)
85 6四歩打
86 5三金(63)
87 8五桂打
88 9五歩(94)
89 7九歩打
90 9六歩(95)
91 9二歩打
92 同 香(91)
93 9三歩打
94 同 香(92)
95 6六馬(65)
96 9五香(93)
97 4四馬(66)
98 6七歩打
99 5三馬(44)
100 同 龍(59)
101 6七飛(68)
102 6四銀(73)
103 8八玉(98)
104 4四角打
105 4三金打
106 7七角成(44)
107 同 飛(67)
108 4三龍(53)
109 7四飛(77)
110 7三歩打
111 9四飛(74)
112 5五角打
113 6六歩打
114 同 角(55)
115 7七銀打
116 5五角(66)
117 9五飛(94)
118 1九角成(55)
119 6三歩打
120 同 金(62)
121 6一角打
122 3二龍(43)
123 7二香打
124 8四銀打
125 9六飛(95)
126 9五歩打
127 同 飛(96)
128 同 銀(84)
129 同 香(99)
130 9一香打
131 7一銀打
132 8一玉(82)
133 9一香成(95)
134 同 玉(81)
135 9九香打
136 投了
まで135手で先手の勝ち
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