今日の棋譜20190220
昭和39年11月、升田幸三先生と第3期十段戦第3局です。
大山先生の三間飛車ですが、態度を決めるのが早いですね。
升田先生は6筋の位を取り
中飛車に。大山先生の相振り飛車は珍しく、最強の兄弟子相手だと変わった戦型もあります。
大山先生が3筋の歩を切れば(後に居飛車をもって3筋の歩交換は構わないという指し方をするので、これも珍しい感じを受けます)、升田先生は右銀を48へ。玉の囲い合いにはならなさそうです。
右銀は57へ。44銀と備えられると46銀~55歩なんて指し方は選びにくいでしょう。
6筋の継ぎ歩攻めでした。
6筋での小競り合いで
升田先生は1歩損しているので、右銀を繰り出して
1歩取りかえします。65を押さえて
銀交換、68金と締まっておきます。ここでは玉の安定度から後手もちでしょう。
大山先生は角をぶつけました。
升田先生は角交換から45角
馬を作ります。大山先生の34角は思い切った手で
飛桂交換ですが、67歩を打てるから攻めは続くと主張します。
68銀だけでは寄せきれないので左桂を跳ねました。升田先生は駒得です。45桂だけ受けておけば悪くはなかったでしょう。
75馬は受けの手ですが、45桂を許すのでは大損です。
31飛から寄せ合い勝ちを読んだのかもしれませんが、馬を追われて
桂馬のお代わり攻めがあり、形勢を損ねました。
大山先生は少し駒損ですから、ゆっくり攻めていきます。37桂に
同桂成同玉45桂28玉は良いとして、銀を打って二枚換えは正しいのかなあ?
99香を拾って、駒損はほぼ消えました。玉の堅さだけ有利です。29飛と55馬がねらいで
38銀には55馬から決めに行きます。
香を捨てて飛車を打ち
上から押し返して
26銀も37銀で寄り筋ですね。
29桂の受けには、やはりゆっくり28歩があって(升田先生としては28玉と逃げたら少し違うのかも)優勢を保ちます。
升田先生は銀金を打って粘ります。
玉を上にかわして
一息つきました。
でも28と は地味に痛いです。香を打って反撃を始めます。
金を目標に駒を配置していき
ちょっと盛り返しました。
84馬の守備力が強いですが、攻めの形になっていきます。
大山先生は銀を打って催促、崩れませんね。
端玉で74桂を避け、85銀や65桂をねらいます。
升田先生は85銀の先受けで馬を引いたのですが、65桂をうっかりしたのかも(72香成があるので)。
一段落してみると駒損が響いています。
またも金を追い
75香と交換になり
金を打って
攻めていってどうか。
馬取りで手が続きそうですが
大山先生はあっさり馬と金を交換して52香。攻防になります。
升田先生はやむなく竜を捨て桂を使いますが、望みは入玉くらいです。
大山先生は飛車を打ち込み、角を打たれても
馬を消せば寄せが見えます。
上に逃がさなければよく
しっかり守って
ここまで。
升田先生がずっと思わしくない形勢なのですが、手は続くので188手の熱戦になりました。手将棋だと互いにミスしやすいのですが、45手目45桂を許したところが不可解です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/11/19
手合割:平手
先手:升田幸三9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 7八銀(79)
8 4二銀(31)
9 6七銀(78)
10 6二玉(51)
11 6五歩(66)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 5四歩(53)
15 6六銀(67)
16 5三銀(42)
17 5八飛(28)
18 3六歩(35)
19 同 歩(37)
20 同 飛(32)
21 4八銀(39)
22 1四歩(13)
23 5七銀(48)
24 4四銀(53)
25 6四歩(65)
26 同 歩(63)
27 6五歩打
28 5三銀(44)
29 6四歩(65)
30 同 銀(53)
31 9七角(88)
32 3一角(22)
33 4六銀(57)
34 8二玉(72)
35 4五銀(46)
36 3五飛(36)
37 5四銀(45)
38 5二金(41)
39 6五歩打
40 5三銀(64)
41 同 銀成(54)
42 同 金(52)
43 6八金(69)
44 5二歩打
45 5五歩(56)
46 6三金(53)
47 3一角成(97)
48 同 飛(35)
49 4五角打
50 7二銀(71)
51 2三角成(45)
52 3四角打
53 2二馬(23)
54 8九角成(34)
55 3一馬(22)
56 6七歩打
57 5七金(68)
58 3三桂(21)
59 7五馬(31)
60 4五桂(33)
61 3一飛打
62 7四金(63)
63 8六馬(75)
64 5七桂成(45)
65 同 銀(66)
66 4五桂打
67 4八玉(59)
68 2八歩打
69 3七桂(29)
70 同 桂成(45)
71 同 玉(48)
72 4五桂打
73 2八玉(37)
74 3七銀打
75 同 飛成(31)
76 同 桂成(45)
77 同 玉(28)
78 9九馬(89)
79 3八銀打
80 5五馬(99)
81 4六銀(57)
82 3六歩打
83 同 玉(37)
84 3二香打
85 3五歩打
86 同 香(32)
87 同 玉(36)
88 3二飛打
89 3四歩打
90 4四馬(55)
91 3六玉(35)
92 3四飛(32)
93 3五歩打
94 4五金打
95 3七玉(36)
96 3六歩打
97 4八玉(37)
98 4六金(45)
99 同 歩(47)
100 3五飛(34)
101 2九桂打
102 2八歩打
103 4五銀打
104 6六馬(44)
105 5七金打
106 8四馬(66)
107 4七玉(48)
108 2九歩成(28)
109 3六銀(45)
110 3二飛(35)
111 3三歩打
112 同 飛(32)
113 3五歩打
114 6八歩成(67)
115 同 飛(58)
116 2八と(29)
117 7五香打
118 6七歩打
119 5八飛(68)
120 6五金(74)
121 7七桂打
122 5五桂打
123 3七玉(47)
124 3八と(28)
125 同 金(49)
126 6四金(65)
127 6五歩打
128 5四金(64)
129 6六桂打
130 5三金(54)
131 8五桂(77)
132 2三飛(33)
133 5六歩打
134 9四銀打
135 7三桂成(85)
136 同 桂(81)
137 5五歩(56)
138 9二玉(82)
139 7七馬(86)
140 6五桂(73)
141 6七馬(77)
142 2五桂打
143 4七玉(37)
144 5七桂成(65)
145 同 飛(58)
146 2一飛(23)
147 5四歩(55)
148 6四金(53)
149 6五歩打
150 同 金(64)
151 7七桂打
152 6四金(65)
153 6五歩打
154 7五金(64)
155 同 歩(76)
156 同 馬(84)
157 7四金打
158 4二馬(75)
159 6四歩(65)
160 7三歩打
161 6三金(74)
162 6二歩打
163 5三歩成(54)
164 同 歩(52)
165 同 金(63)
166 同 馬(42)
167 同 飛成(57)
168 5二香打
169 6五桂(77)
170 5三香(52)
171 同 桂成(65)
172 6九飛打
173 5八角打
174 6七飛成(69)
175 同 角(58)
176 6八角打
177 5七歩打
178 5五金打
179 7四桂打
180 同 歩(73)
181 同 桂(66)
182 7三銀打
183 2五銀(36)
184 5六歩打
185 同 角(67)
186 同 金(55)
187 同 玉(47)
188 7四銀(73)
189 投了
まで188手で後手の勝ち
昭和39年11月、升田幸三先生と第3期十段戦第3局です。
大山先生の三間飛車ですが、態度を決めるのが早いですね。
升田先生は6筋の位を取り
中飛車に。大山先生の相振り飛車は珍しく、最強の兄弟子相手だと変わった戦型もあります。
大山先生が3筋の歩を切れば(後に居飛車をもって3筋の歩交換は構わないという指し方をするので、これも珍しい感じを受けます)、升田先生は右銀を48へ。玉の囲い合いにはならなさそうです。
右銀は57へ。44銀と備えられると46銀~55歩なんて指し方は選びにくいでしょう。
6筋の継ぎ歩攻めでした。
6筋での小競り合いで
升田先生は1歩損しているので、右銀を繰り出して
1歩取りかえします。65を押さえて
銀交換、68金と締まっておきます。ここでは玉の安定度から後手もちでしょう。
大山先生は角をぶつけました。
升田先生は角交換から45角
馬を作ります。大山先生の34角は思い切った手で
飛桂交換ですが、67歩を打てるから攻めは続くと主張します。
68銀だけでは寄せきれないので左桂を跳ねました。升田先生は駒得です。45桂だけ受けておけば悪くはなかったでしょう。
75馬は受けの手ですが、45桂を許すのでは大損です。
31飛から寄せ合い勝ちを読んだのかもしれませんが、馬を追われて
桂馬のお代わり攻めがあり、形勢を損ねました。
大山先生は少し駒損ですから、ゆっくり攻めていきます。37桂に
同桂成同玉45桂28玉は良いとして、銀を打って二枚換えは正しいのかなあ?
99香を拾って、駒損はほぼ消えました。玉の堅さだけ有利です。29飛と55馬がねらいで
38銀には55馬から決めに行きます。
香を捨てて飛車を打ち
上から押し返して
26銀も37銀で寄り筋ですね。
29桂の受けには、やはりゆっくり28歩があって(升田先生としては28玉と逃げたら少し違うのかも)優勢を保ちます。
升田先生は銀金を打って粘ります。
玉を上にかわして
一息つきました。
でも28と は地味に痛いです。香を打って反撃を始めます。
金を目標に駒を配置していき
ちょっと盛り返しました。
84馬の守備力が強いですが、攻めの形になっていきます。
大山先生は銀を打って催促、崩れませんね。
端玉で74桂を避け、85銀や65桂をねらいます。
升田先生は85銀の先受けで馬を引いたのですが、65桂をうっかりしたのかも(72香成があるので)。
一段落してみると駒損が響いています。
またも金を追い
75香と交換になり
金を打って
攻めていってどうか。
馬取りで手が続きそうですが
大山先生はあっさり馬と金を交換して52香。攻防になります。
升田先生はやむなく竜を捨て桂を使いますが、望みは入玉くらいです。
大山先生は飛車を打ち込み、角を打たれても
馬を消せば寄せが見えます。
上に逃がさなければよく
しっかり守って
ここまで。
升田先生がずっと思わしくない形勢なのですが、手は続くので188手の熱戦になりました。手将棋だと互いにミスしやすいのですが、45手目45桂を許したところが不可解です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/11/19
手合割:平手
先手:升田幸三9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 7八銀(79)
8 4二銀(31)
9 6七銀(78)
10 6二玉(51)
11 6五歩(66)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 5四歩(53)
15 6六銀(67)
16 5三銀(42)
17 5八飛(28)
18 3六歩(35)
19 同 歩(37)
20 同 飛(32)
21 4八銀(39)
22 1四歩(13)
23 5七銀(48)
24 4四銀(53)
25 6四歩(65)
26 同 歩(63)
27 6五歩打
28 5三銀(44)
29 6四歩(65)
30 同 銀(53)
31 9七角(88)
32 3一角(22)
33 4六銀(57)
34 8二玉(72)
35 4五銀(46)
36 3五飛(36)
37 5四銀(45)
38 5二金(41)
39 6五歩打
40 5三銀(64)
41 同 銀成(54)
42 同 金(52)
43 6八金(69)
44 5二歩打
45 5五歩(56)
46 6三金(53)
47 3一角成(97)
48 同 飛(35)
49 4五角打
50 7二銀(71)
51 2三角成(45)
52 3四角打
53 2二馬(23)
54 8九角成(34)
55 3一馬(22)
56 6七歩打
57 5七金(68)
58 3三桂(21)
59 7五馬(31)
60 4五桂(33)
61 3一飛打
62 7四金(63)
63 8六馬(75)
64 5七桂成(45)
65 同 銀(66)
66 4五桂打
67 4八玉(59)
68 2八歩打
69 3七桂(29)
70 同 桂成(45)
71 同 玉(48)
72 4五桂打
73 2八玉(37)
74 3七銀打
75 同 飛成(31)
76 同 桂成(45)
77 同 玉(28)
78 9九馬(89)
79 3八銀打
80 5五馬(99)
81 4六銀(57)
82 3六歩打
83 同 玉(37)
84 3二香打
85 3五歩打
86 同 香(32)
87 同 玉(36)
88 3二飛打
89 3四歩打
90 4四馬(55)
91 3六玉(35)
92 3四飛(32)
93 3五歩打
94 4五金打
95 3七玉(36)
96 3六歩打
97 4八玉(37)
98 4六金(45)
99 同 歩(47)
100 3五飛(34)
101 2九桂打
102 2八歩打
103 4五銀打
104 6六馬(44)
105 5七金打
106 8四馬(66)
107 4七玉(48)
108 2九歩成(28)
109 3六銀(45)
110 3二飛(35)
111 3三歩打
112 同 飛(32)
113 3五歩打
114 6八歩成(67)
115 同 飛(58)
116 2八と(29)
117 7五香打
118 6七歩打
119 5八飛(68)
120 6五金(74)
121 7七桂打
122 5五桂打
123 3七玉(47)
124 3八と(28)
125 同 金(49)
126 6四金(65)
127 6五歩打
128 5四金(64)
129 6六桂打
130 5三金(54)
131 8五桂(77)
132 2三飛(33)
133 5六歩打
134 9四銀打
135 7三桂成(85)
136 同 桂(81)
137 5五歩(56)
138 9二玉(82)
139 7七馬(86)
140 6五桂(73)
141 6七馬(77)
142 2五桂打
143 4七玉(37)
144 5七桂成(65)
145 同 飛(58)
146 2一飛(23)
147 5四歩(55)
148 6四金(53)
149 6五歩打
150 同 金(64)
151 7七桂打
152 6四金(65)
153 6五歩打
154 7五金(64)
155 同 歩(76)
156 同 馬(84)
157 7四金打
158 4二馬(75)
159 6四歩(65)
160 7三歩打
161 6三金(74)
162 6二歩打
163 5三歩成(54)
164 同 歩(52)
165 同 金(63)
166 同 馬(42)
167 同 飛成(57)
168 5二香打
169 6五桂(77)
170 5三香(52)
171 同 桂成(65)
172 6九飛打
173 5八角打
174 6七飛成(69)
175 同 角(58)
176 6八角打
177 5七歩打
178 5五金打
179 7四桂打
180 同 歩(73)
181 同 桂(66)
182 7三銀打
183 2五銀(36)
184 5六歩打
185 同 角(67)
186 同 金(55)
187 同 玉(47)
188 7四銀(73)
189 投了
まで188手で後手の勝ち
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます