名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190320

2019-03-20 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


しぶとく受けます。
A 64歩 B 62金 C 42角

第2問


97角を取ったら23歩成と踏み込まれました。
A 52飛 B 25歩 C 48角

第3問


そつなく利かします。
A 45歩 B 64金 C 51飛

第4問


決めどころです。
A 55金 B 21飛 C 45歩
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1195);中飛車に57金戦法(升田幸三)

2019-03-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190320
昭和40年7月、升田幸三先生と第6期棋聖戦第5局です。

大山先生の中飛車に升田先生は57金戦法(金立ち戦法)です。

振り飛車はだいたい3筋を飛車で受けます。

居飛車は中央を攻めることになります。

53金に54歩と取り込むかどうかは微妙ですが、55歩を打ったのが解せません。

65銀に金をぶつけて交換するというのは、先手陣が薄くなるので損なのです。55歩を打たないで56金と寄りたいところでしょう。

52飛38飛と互いに飛車を移動した後で24歩、

2筋で飛車が向かい合い、54歩を突きだせるのは升田先生の気持ちよいところです。この歩は取れず

3筋2筋の歩を取り込み合い

97角となれば升田先生もまずまずに見えます。

大山先生は金を打って辛抱しました。するとやはり先手陣が薄い感じがします。

角がぶつかりました。升田先生が角をかわせば長いのですが

24歩97角成はまあわかります。馬を取り返さずに23歩成は大丈夫か?

48角を打たれ、飛車の取り合いから97桂で勝負するのもありそうですが、自信なしと見て37銀と使うのでは悪いです。

馬を取り返して23と が残っているのですが、先手玉が薄く、66馬が不気味です。

25歩に飛車を横にかわしても、23飛に32角があるので と金は残ります。しかし52飛と逃げられた図は後手よしでしょう。

升田先生は21角を利かせて桂を取りました。

しかし角を切るわけにもいかず

22歩では角が質駒です。飛車先を通されて

飛車を切られ

66角は厳しいです。詰めろではないけれど48銀取りを受けて88角成~89馬寄も望みなし。

升田先生は銀を取らせて形つくりに飛車を打ちました。大山先生は と金つくりで

61金を取らせても、と金を作り69銀。これは取るしかなく

左右挟撃の詰めろ。

67銀上の受けにも追いかけていけば

詰みました。

この金立ち戦法は、昔からプロしか指さないと言われていました。舟囲いがさらに薄くなるので指しこなすのが難しいのです。攻撃力があるわけでもなく、どこかで36金とか56金とか活用するのを楽しみに指します。本譜の金銀交換では失敗なのです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/07/23
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 5七金(58)
22 4三銀(42)
23 4六金(57)
24 3二飛(52)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 5七銀(48)
30 5二金(41)
31 5五歩(56)
32 5三金(52)
33 5四歩(55)
34 同 銀(43)
35 5五歩打
36 6五銀(54)
37 5六金(46)
38 同 銀(65)
39 同 銀(57)
40 5二飛(32)
41 3八飛(28)
42 2四歩(23)
43 2八飛(38)
44 2二飛(52)
45 5四歩(55)
46 4三金(53)
47 3五歩(36)
48 2五歩(24)
49 3四歩(35)
50 2四角(33)
51 9七角(88)
52 6四金打
53 6六歩(67)
54 2六歩(25)
55 2五歩打
56 4二角(24)
57 2六飛(28)
58 5四金(64)
59 2四歩(25)
60 9七角成(42)
61 2三歩成(24)
62 4八角打
63 3七銀打
64 6六角成(48)
65 9七香(99)
66 2五歩打
67 3六飛(26)
68 3五歩打
69 4六飛(36)
70 5二飛(22)
71 3三歩成(34)
72 同 桂(21)
73 2一角打
74 5三飛(52)
75 3三と(23)
76 同 金(43)
77 6七銀(56)
78 9九馬(66)
79 7五歩(76)
80 5一飛(53)
81 2二歩打
82 6四金(54)
83 4八銀(37)
84 5六歩打
85 同 銀(67)
86 2一飛(51)
87 同 歩成(22)
88 6六角打
89 7九金(69)
90 4八角成(66)
91 4一飛打
92 5八歩打
93 6二歩打
94 5九歩成(58)
95 6一歩成(62)
96 6九銀打
97 同 金(79)
98 同 と(59)
99 同 玉(78)
100 8九馬(99)
101 6七銀(68)
102 7七桂打
103 6八玉(69)
104 5七金打
105 7七玉(68)
106 6七金(57)
107 同 銀(56)
108 8八銀打
109 投了
まで108手で後手の勝ち

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190320今日の一手(その847);3枚の攻めならば受ける

2019-03-20 | 今日の一手

20190320今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、SさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金銀銀と飛角桂歩の交換で、竜成桂VS成銀の作り合い、先手の大きな駒得です。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は71竜52成桂と持ち駒角角桂桂で6枚。(4枚以上は同一視します。)
後手の攻め駒は47金46成銀と持ち駒銀で3枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が劣っているのは玉の堅さだけです。先手玉を固めるか、後手玉を弱体化させるか。大駒を持っているので攻防の手段もありそうです。
寄せ合いと見れば何手で詰めろかを数えるのですが、先手玉は37成銀18玉38金あるいは38銀で詰めろ。現状は2手すきです。
後手玉は42成桂で詰めろ。だけど取られるわけで計算しにくいです。駒を渡してよいのかということもあります。駒を渡さずに詰めろが続くならば簡単なのですが。


△ 寄せ合いから考えてみます。王手は無効で、42成桂は

詰めろです。42同金引しかなく、77角33桂(37成銀18玉26桂からの詰めろ)44角打

とすれば詰めろ逃れの詰めろです。32金上には31銀

から寄せられるので、後手は何か自陣に打って受けるしかなく、それならば桂を渡しても影響がなかったということにはなります。

どこかで持ち駒を使ってもらって、先手も29桂

と受けることになるのでしょう。


○ 44歩は少し遅いのですが

歩を渡すだけなら自玉に響きにくいです。44同金42成桂ならば詰めろが続きます。
37成銀18玉38銀39桂

というのが桂の犠打です。49銀成くらいしかなく、1手稼ぎました。47飛と取るのが大事な手で、47同成銀43歩成

先手玉は詰みません。39成銀は詰めろ。31竜

とすれば持ち駒が豊富なので後手玉が詰みます。(47飛で金を補充していないと詰まないし、39成銀と取られると詰めろなのでその前に取る必要があります。)


○ 受ける手を見てみます。29桂が良さそうな受けです。

小さな駒を渡すほうが後手の戦力が下がります。大駒を自陣に打って受けるよりも良いでしょう。37銀同桂同成銀29玉36成銀38歩

これで後手からの詰めろが乏しくなりました。35桂ならば2手すきなので44歩

43歩成が詰めろではなくても勝てそうです。


○ 39桂もあって

これは37成銀18玉38銀44歩

先に44歩と攻めた図と合流します。


△ 実戦は66角の王手。

攻防の手に見えますね。33銀と受けて、47飛同成銀31竜

31同玉41金32玉44桂同金

後手玉は詰みませんから先手Oさんの負けです。

詰みを勘違いしたわけではなくて、31竜同玉に33角成

の予定だったのだと思います。この時に先手玉が詰みだと勘違いしたのでしょう。実は詰みません。8段目に飛車を打つ王手に48桂が詰まないのです。
33同金でも33同桂でも後手玉を詰ますのは簡単です。

まぎれがないのは竜を切る前に33角成とすれば

33同玉は詰むのですから簡単でした。

さて66角に33桂

と跳ねるのが後手の正しい受けでした。これならば47飛同成銀からの詰み筋はないです。角打ちを利かしと見るかどうかですが、29桂と受けた時に56成銀があります。77飛66成銀47飛

角を取られても47金を取れるので先手有利でした。だから大丈夫です。


△ 56成銀を食らわないように99角とか(88角とか77角とか)

遠くから打つ方が余計な変化がないです。33銀47飛同成銀33角成以下の詰み筋は同じことです。
33桂に29桂

37銀同桂同成銀29玉36成銀38歩35桂44歩

99角33桂の2手が入っていても影響はないようです。


○か△ 82角も受けの手で(73角でも同じです)

角を打って受ける場合は、敵陣に打って馬を引き付けるほうが堅くなります。37銀と打つしかなくなっていて、29玉36成銀38歩

受けきりのようですが46歩がちょっと厄介です。37歩同金に48銀

もう少し受けておいてから攻めるほうが良いです。


△ 47同飛と取ってしまい

47同成銀38金打78飛48桂

と受けても悪くはありません。ちょっと駒を損しますが、後手の攻め駒は3枚のままです。79飛成の時にどうするかは悩むところですが、47金49竜38銀39銀37玉

は大丈夫です。


△ 他には29玉

早逃げが得になっているかどうか。あまり効果が無いような、役立っているような。


☆ まとめ
寄せのセオリーでは42成桂から考えるのですが、桂を渡すと後手の攻め駒が4枚になります。先手玉が薄いのでかなり受けにくいです。角を打って合駒を使わせればまだ先手有利でしたが。
小さな駒から使う方を優先して、44歩と攻めるのが本線です。でも43歩成が詰めろではないので、何かしらの受けが必要です。39桂の犠打で1手稼げるので勝ち筋でした。

どうせ受けるのならば、先に受けるほうが手堅いというのが原則です。持ち駒角桂では受けにくいのですが、29桂あるいは82角を考えます。

相手の攻め駒が3枚ならば受けやすいですし、自分の攻め駒が3枚しかないという場合でも受けておくほうを優先して考えるべきかもしれません。両方の意味を込めて、3枚の攻めならば受けることを考えてみましょう。





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする