昨日母の初盆の施食法要で60年ぶりに菩提寺を訪ねた。
寺の本堂も建物も何も変わっていなかった。あの頃の
住職は父と仲がよくて家族ぐるみのつきあいをしていた。
戦後父が炭焼きを始めた時も製材所を始めた時も一緒に
働いていた。特にお盆の棚経で村を回っての、帰りには
私達にお茶菓子を置いて行ってくれた。寺の境内でもよく
遊んだが、怒られることもなかった。
私と妹が京都の高校の私学に行った時も、父はお金を借りたそうだ。
「これからの時代女の子でも自立できなあかん。そのためには教育や」
そんな持論の父と住職の意見は一致して快く貸してもらったそうだ。
その時の父も住職も母ももうこの世にいない。