三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 3月14日 閉館日でした。

2018-03-15 | メンテナンスお気楽日記
長野県岡谷市に出張です。片道4時間はちょっとキツイでもないが、気になる施設があるので、
早々に依頼を受けました。以前から機会があれば行きたかったけど、そこだけって訳には・・

「岡谷蚕糸博物館」日本で随一、お蚕さんからの製糸が産業化されている工場が併設されているの事。
個人で座ぐりをしているお客さんはいるが、それを、どうすれば少しでも楽(機械化)できるかが知りたい

以前、ベトナムの商社から「工場で使う、座ぐり機を探して欲しい」との依頼でした。
「資料館か博物館で、仕組みを勉強して、新たに作った方がイイものが出来ると思います」としか言えなか
った。情報としては、勝山のゆめお~れ、群馬の富岡製糸場、そして岡谷の蚕糸博物館。

岡谷の蚕糸博物館では(株)宮坂製糸所が併設され実稼働しているとは聞いているが、自分自身では見た事
が無い。ぜひ一度は見学したい施設でした。そんな事もあり、ルンルン気分で車を走らす。


客先のニット工場での仕事はワインダーの整備ですが、持って行った中古部品とサイズが微妙に違う。
切ったり削ったり、要らぬ?手間ばかりで時間ばかり掛かる。まさか「また来ます」とも言えないので
やることはやって、何とか希望に添えなければならない。

午後からもけっこう時間がかかると判断し、昼ご飯を食べて来ますと言って、蚕糸博物館に走った。
昼どきで閑散としているのかな?と思いつつ、玄関まで行って看板が目に入った「本日は閉館日です」

・・・・・・力が抜けてしまった。一人コンビニの前で食べる弁当の味気無さ。


ともかく、出張は良しとして、国内の高速道路、特にトンネル路線には驚嘆と感謝です。
今回もトンネルの数は20や30ではない、それも一本1㎞から3㎞の距離。10㎞以上のトンネルもある。

いったい誰が掘ったのでしょうか?なんて冗談はさておき、道路建設は産業発展のカナメです。
道路があるからこそ、モノが動き、人が動く。還暦のおっさんも、100㎞以上のスピードで車を走らす。

6時に家を出て、長野で6時間、それでも9時には、家で晩酌しています。ありがたい事です。

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メンテお気楽日記 3月7日 機業所

2018-03-08 | メンテナンスお気楽日記
機業所からの依頼です。機業所でのワインダーの特徴は、ともかく古い?事です。
今回は、1964年のプレートが付いていました。約54年前に製造されたという事です。

もちろん、現役です。三筋ワインダーの丈夫さには驚かないが、自分でも?見たことない部品が
組み込まれています。イモノ製のテンションブラケットやリング止めのベアリング等です。

もちろん?そんな部品はありません。整備にあたっては、新型中古機?からの部品集めとなります。
基本的には同じ様に見えますが、一番困るのは、ネジのピッチが違うことです。


機業所でいつも思うのは、ともかく敷地が広い、お庭に松の木があり、池では鯉が泳ぐ世界(でした)
女子寮建屋もあり、そこで生活していたお姉さんが、今では、外注仕事を頼める、たのもしいお姉さん?です。

三筋ワインダーにとっても、ありがたい企業でした。一号機開発から基準機までの改造開発のいしずえを担って
頂いたと言っても過言ではない。STI-2型 STB-2型があるのも、機業所のおかげです。

生糸の座ぐりから、生地織りまでの一環作業。その中から、糸に撚りを掛ける加工として、独立したのが
「撚糸屋」です。糸づくりと生地づくりの分割。その流れが、撚糸組合・織物組合として残っている。

撚糸加工もけっこう儲かる仕事だったらしい。当初は、百姓小屋や作業小屋のなかに燃台を並べただけだったが
準備機・撚糸機・ワインダーなど、人を雇わなければ加工が追い付かない。当然、工場としての態をなして来た。


そんな中で仕事を覚えました。幡屋と撚糸屋は別世界とも思っていた。だって、撚糸組合・織物組合だもの。
ところが、3型・4型の開発が見え始めた頃、世の中の流れ、糸編の流れが大きく変わった。

○○ショックかバブル崩壊かは知らないけれど、儲けを削らなければ維持出来ない。もちろん?経費や維持費は
当然のように掛かるわけだから、最終的には人件費ということになります。これが一番の間違いでした。

家内工業では天井(生産高)が見えています。設備があってもフル操業もおぼつかない。目も届きにくい。
何より、技術の伝承が危惧されたが、後継者もいない。まさにデフレスパイラルから抜けられない状態。

生き残れるのは、市場を左右できる大手企業と、趣味の世界に対応できる個人工場。両極端に分かれてしまった
80%90%をしめる「中小企業」が苦しいのが繊維不況です。中小企業こそ、生活の糧であり、地域の雇用おも
になって来た。中小企業がなくなれば、それこそスーパーだけのシャッター商店街と同じ結果に成りかねない。


たがいに助け合い、利用するのが「商い」です。売ってこその買いです。買ってばかりもいられません。
誰かが、サービスで生き残るすべを説いているが、誰のためのサービス?観光地は外国人ばかりです。

生地が売れての糸、糸があっての生地。たがいに利用するからこそ技術でありモノづくりです。そして生活。
糸がら製品へ、そこには、計り知れない多くの人々の手、技術、汗が関わっています。それが生活です。

機業所のお庭が、駐車場に様変わりしています。考えれば、皆が贅沢になったって事かも知れない。


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メンテお気楽日記 3月5日 仕事が楽しくなる方法

2018-03-05 | メンテナンスお気楽日記
まさか、スーパーで魚を値切る人や、コンビニで弁当の相談する人はいないと思うけれど・・
自分で選んで、決めて、レジに持っていく。売り場といっても話し声一つしない。

それが当然と思っている人が多くなったのはい止めないが、商店街を知っている?世代としては、
やはり、もの足りなさ以上の、危機感すら感じる。もっと言えば、ネット購入なんて最たるもの。

確かに現場?からは「楽だし、便利だし、何より安い」との声も聞こえてきます。
しかし、その事務員は、自分の街の文具店や店員、外商の顔すら知らない。たまに行く買い物も
ホームセンターやスーパーマーケットで、黙って自分の欲しい品物だけを選んで来る。


そんな状況が「ものづくり現場」でも蔓延しつつある。企業では、指示された作業だけに執着し、
そのことだけで、事足りてしまう。自分で考えたり、提案することも、まず無い。

中小企業の場合は、もっと深刻です。「相談する相手」すら、いないのです。
自分で考え自分で行動する。ホームセンターでの買い物と同じです。
先代が逝ってしまえば、相談も出来ない、ベテラン工員もヒマを頂いて久しい。


仕事が楽しくなる事柄の一つに「新しい一歩への挑戦」があります。たとえ、機台の配置や、工具の
選択。作業がスムーズになる以上に、製品の品質にも関わってきます。

もちろん一人でも出来る事なのだが、背中を押してもらう事が、大切なのです。自信にもなります。
いつも「知らない事は人に聞け」とは言っているが、それは、他人の考えも知るという事です。

ネットで品物を選ぶ。そこには自分の「思い込み」だけしかありません。

山里の旅館に泊まれば「甘エビが出てくる」という笑い話?があります。それは、亭主が一番のご馳走、
一番のおもてなしと思っているからです。「山菜なんて・・」それが思い込みであり、見えない事なのです。


自分の技術に自信を持っている人は沢山います。誰にも、どこでも出来ない「ものづくり」の技術です。
しかし、その製品を、誰がどう使っているかとなると、疑問符がのこります。西陣織がバックにも加工
される事もあります。バック製作者にとって、それが魅力ある素材と感じたからです。

西陣は着物、あれはあれ、これはこれ。こだわる必然性はどこにもない。その素材その技術を必要としている
人も必ずいます。それならば、その人のために、自分の技術を提供し、新たな技量を増やすことも出来る。

仕事を楽しくする一番の方法は、「色んな人と出会う事から始まる」と思います。

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メンテお気楽日記 3月2日 伝えたかった、事柄。

2018-03-02 | メンテナンスお気楽日記
三筋ワインダーSTI-2型の場合は、6錘機でも178㎝の横幅です。3錘機なら100㎝です。
という事は、軽自動車のワゴンでも運搬できると言う事です。事実、自分でも搬入したりもします。

中古機台で何が高いかと言うと、運搬費がけっこうな割合となる。長距離になれば、運搬・据え付け出張が
機台の半分以上になるのもザラである。現地での、組み立て出張が必要なければ、機台だけが欲しい。

で、最近の小型ワインダーの場合は、自分の車で、倉庫まで引き取りに来る、お客様が増えました。
関東圏はちょっと大変だけど、関西圏・中京圏なら、高速道路で午前中に到着します。


昨日は、滋賀県からのお客様で、3錘機と2錘機をお世話出来ました。ワゴン車に押し込む、適当なコロがなく
積み込みには手こずりましたが、大人の力で押せば動いてくれるのが、小型ワインダーです。

積み込む前には、倉庫内で電源を通し、作業仕様と機台の仕組みも説明しました。
糸掛け方法や糸道も解らない、初めてのワインダーということした。小割コーンをしてもらう処が無くなった?

11時には、北陸の糸商社から糸を買うために、早々に倉庫を出ましたが、何か説明不足が残っている様な
感じで、もの足り差すら感じてしまった。時間があれば、もっと色んな事を伝えたい。教えたい。


と言うのも、初めてのワインダーを使う人は、何でも巻けると思いがちです。その糸その糸の特質ってものまで
理解してと言うのも無理なはなしです。特に、小型ワインダーを購入する人は、色んな糸を巻きたい人が多い。

三筋ワインダーの特長は、基本機台で極太ニットのカセからの巻きや、極細の合繊巻きにも対応している事です。
もちろん、ドラムの選別や、紙管角度の選択。あらゆる糸に対応するには、それなりの部品も必要です。

その為には、客先の仕事仕様を理解して、糸を想像して?機台を組み付けます。
それでも、客先の思い通りに巻けない場合も発生します。電話でも指示もしますが、なかなか伝わらない。


そんな時、一つ付け加えておきたかったのは「スプリングテンサー」です。
テンション装置に糸が入る前に、糸を安定する働きがあります。指で糸をちょっと挟んでいる感覚です。

こんな、ちょっとした事だけど、暴れる糸やビリの入る糸でも、意外と素直に?作業が出来ます。
一度見ていれば、記憶の中に残り、自分でも対応出来ますが、知らないという事は、解るまでが大変です。

近隣なら、現場で観察しながら、対応を考えることも出来るが、遠距離納品の弱点でもある。
その為にも、せめて30分でも、客先とお茶を飲む時間が大切と感じました。世間話が一番の情報です。


  PS/取り付け方法は2月21日のブログ写真を参考にして下さい。L字金具があれば取り付きます。

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