三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 2月26日 仕事のお値段(原着撚糸)

2018-02-26 | メンテナンスお気楽日記
                    アルミナガイドの糸道(ヘタリ)はケバが発生しない。でも・・

そりゃ、誰だって「少しでも高い工賃は欲しい。それが、同じ加工工程ならば、なおの事。
しかし、そんな「オイシイ話」はめったにある事でもないし、大抵の場合は「それなりの理由」がある。

「原着糸加工」の撚糸屋さんからの相談でした。「巻き玉が固くなりすぎ、紙管がつぶれてしまう」
当然?50から20の極細糸ですから、時間はかかっても、テンションの掛からない低速は指示してある。

糸道ガイドのキズには、特に気を付けないといけない糸だから、仕事が変わる前から強く釘を刺してある。
ところが、ケバの発生は確認できないとの事。次に考えられるのは「アルミナガイドの糸道」です。

炭素繊維の原着撚糸では、通常、考えられない箇所に機台ダメージを及ぼす。簡単に言えば、
炭素(ダイヤモンドと同等?)の粉を練り込んだ糸を巻くのだから、糸ヤスリを巻く様なもの。

「アルミナガイドはキズが付かない」は思い込みです。ガラス器にも当然カット方法はある。
機台の寿命や維持費、他糸加工を考慮すれば、当然、解っている事なので、工料も高くなっている。


「原着糸」とは、ポリエステルやナイロン原液に色を付けてから、糸を作る方法です。原液着色です。
後染に比べ、製造過程での環境への影響、染色堅牢度などの利点があります。ロットの多い製品には最適です

その中の「黒色」に炭素粉末を練り込んだ原糸もあります。製品の特性や特長などは、まだ理解していないが
何軒かの撚糸屋さんでは、東レ・帝人などの原糸パーンを見ることが出来る。

相談があれば「この仕事に係れば、浮気仕事、他仕事は出来ないょ、機台維持費も倍とは言わないが・・・」
でも、目先の加工賃につられて、色気を出す。言い訳は「自分の代で終わりだから」
そのくせ、機械維持費としての「上乗せ」も生活費として消えているのが、現状です。


そもそも「加工賃」がオカシくなったのは「海外生産」が引き金でした。
月給が5千円とも1万円とも言われた「人件費」と競争するなんて、誰が考えても無理な話です。

それを、首を縦に振ってしまった撚糸屋も悪いとの話も聞きますが、受け入れざる事情も多々あった。
今さら「昔の価格」と言っても、これも無理がある。ものづくりの流れが、そうなってしまった。

デフレをインフレにすると誰かが言ったが、それは、ものづくりを辞めるしか方法がないのか?
確かなことは、外注先がない、加工所がない、仕事の出来る人がいないなどの、相談が多くなった。

「仕事のお値段」とは、家業としても代々引き継いでいく、生活費が確保できる「仕事の価値」です。

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