去年の暮、福井の販売店からの依頼で、糸繰り機に「節取り装置」を取り付けました。
超旧型で糸をカットしても、ストップ機構もついていない機台だったので、さぞ、使い勝手が
悪かろうと心配していました。感度も最低にして大節にだけ対応すれば良いとのこと。
北陸の絹撚糸屋さんで使っていた装置ですから、小節やズル節があれば約5㎝過ぎで糸をカットします。
当然、糸をカットするということは、節を取り除いてからのつなぎ作業が必要となり、人手が必要です。
ワインダー工賃で言えば、合繊の約4倍の経費が相場。何と言っても人件費が掛かる仕事です。
そのため外注や工員さんを雇うことが難しく、家族作業では生産高は限られてしまいます。
それを工房でしようとするのですから、ワインダー行程になれば、織機に手が回るハズも無い。
極めて効率の悪い作業となると、自分では勝手に決め込んでいました。
ところが今日の依頼は「同業仲間も興味があるから、説明に来て欲しい」って事です。
本業のワインダー自体も「機屋さん」には馴染みがなく、これまでは?糸は買うだけで、外注や
小割業者への委託だったが、自家生産でしか糸が手に入らない状態になってきた。
だから、話があっても3錘や6錘の機械で充分。糸の分割作業専門機の要望でしかなかった。
「節取り装置」なんぞは、あることも知らず、節があれば織機は止まるものと決め込んでいた。
手間は手間だが、織機でトラブルより、余程効率がイイらしい?この点についてはまだ理解出来てない。
ともあれ、絹撚糸屋さんで使用していた機器が、短繊維の風綿対策や、合繊の不良事故処理など
異業種での利用価値が見いだされ、中古器の安さにも増して、設備として必要とされた。
いくら自分が当たり前の装置だと思っていても、まだまだ知らない人もいるのだと反省する。
でも、本来は外注工場や下請け工場がその仕事で生計出来なければイケないのだが・・・
重ねて言う。専門工員がいなくなれば、糸の品質には不安が付きまとう。より一層の目配りが必要。
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