三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月24日 水のチカラ

2015-01-23 | メンテナンスお気楽日記
レーヨンとエステルの合わせ撚糸、撚りは1600TW。機能性繊維です。
ところが、これがクセもので、巻き返しの際、ビリが強くてまともに揚がりはしない。

もっと悪い条件は、何軒かの工場から断られて回りまわって、自分の客先工場へ持ち込まれた。
当初、そのことを知らないままでの試捲き。ビリ止めどころかズボ抜けでゴチャゴチャ!

いくら、梨地棒での屈折ガイド・テグスのビリ押さえ・スプリングテンサーを使っても、
給糸(先染めソフトチーズ捲き)の状態で糸がからみ、ズボ抜けが発生する。

商社担当と連絡し、糸の特長を確認するつもりだったが、返ってきた答えが、ビリ発生で
何軒かの工場からのお断り返品された問題糸だった。となると別の視線での答えが見えてきた。


たらい回しで時間が経ち過ぎた「超乾燥糸状態」。糸の湿度が無くなりパラパラのサラサラ。
湿度があれば、糸が滑らかになり落ちつくハズ。ところがパラパラのソフト捲きでは糸口も出ない

取りあえず、霧吹きスプレーで糸を湿らし時間を待つ。外層は効果が期待できるだろうが、
内層となると、捲いてみないと解らない。50dで尚且つスピードを落としての作業だから
750gの試験捲きには4時間以上かかる。ボケ~ッと見ている訳にもいかない。

次の現場では、電話連絡があってもどうする事も出来ないが、とりあえず工場に任すしかない。
その後、電話連絡もなく、再度訪ねた時には最後まで捲き上がっていた。結果オーライか?

途中観察を聞けば、何度かテンションウェイトが踊ったと言う。ビリの捲き込みの可能性あり。
ビリ止め装置は必要だが、巻き返し作業は最後まで問題はなかったとの事。

後は、糸にいかにして湿度を補給するか?水浸しにすれば、機械にも後の行程にも問題がでる
可能性がある。スプレー効果は即効性とその場限りの対策でしかない(静電気にも効果あり)

解決ヒントは、撚糸屋さんのシリンダー保管方法にあるかもしれない?
シリンダー糸セット後、ケースに濡れ毛布を掛けて乾燥を防ぎ湿度を保ったまま次の行程へ。

そんな方法が取れれば、作業は安定するハズだ。さあ、考えてみよう。

ともあれ、糸作業には湿度が必要だと言う基本すら忘れかけている。
どんな作業ですら、コツや使い勝手はある。でも見えもしないし、教えてももらえない。

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