三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 9月26日 城下町と餅屋さん

2017-09-26 | 中古機台
室町時代や江戸時代の城下町の話ではありません。「産業城下町」と言われる地域産業の話です。

広島や豊田なら自動車産業。小松にはブルトーザーをはじめとする重機産業。
企業のネームバリューの下には、幅広い「下請け企業・孫請け工場」が幾多ありました。

大はバケット製作から、小さな特殊ボルトの製作まで、溶接・旋盤・曲げ加工など、あらゆる技術が
集約して、部品加工を通して産業を形成し、生活を支え街づくりの態を成していた。
町の鉄工所にも、0コンマ0何㍉を削り出すオヤジが何人もいた。


繊維産業も同じです。「産地」と呼ばれる地域には、撚糸屋や幡屋だけでなく、関連資材を商いとする
店もいっぱいあった。紙管・袋・綴じ糸・油剤をはじめ、キャップやボビンの補助部品、数え上げたら
キリがない。もちろん、機料店や糸商社も街の風景として溶け込んでいた。

城下町と言われる由縁は、その企業・産業にかかわる業種が多く、また、専門店としても成り立っていた。
専門店とは、自分の仕事に自信を持ち、それ以上に切磋琢磨して、知識や技術を競い合った。
商店街のお店には、帽子屋さん・傘屋さんなんて専門店もあったが、今はまず見かける事は出来ない。


いた。した。ばかりの話では恐縮ですが、最近「畑違い」の問い合わせが多くなった。
自分は「糸巻きワインダー専門」として、看板を挙げている。そこへ、織機の部品や資材の問い合わせ。
まだ、紙管やワックスの問い合わせなら、道もあるが、撚糸台や織機の部品となると、仲間がだより。

職人仕事もそうです。先月は合撚機やカバーリング機の改造にも、引っ張り出された?
「レシコンベルト張れないか?」違うだろ!と思いながらも、出来そうな仲間を紹介するしか道はない。


確かに、北陸は繊維産業の加工基地でもあった?そのための設備や技術も集約されていた。

それが今も、と、聞かれれば「危うい」としか言いようがない。日本全国の繊維産地の撤退が早かっただけの
話。グズグズしてたと言うか、高齢でも仕事をする気質が、かろうじての生き残り工場として残っている。

そんな風ですから、紙管屋さん・資材屋さんも商いになりません。商店街の店がなくなるのと同じです。
対応は、ホームセンターでガムテープやバンド・袋を買い、海外製の紙管を使うしかない。

もちろん、売ってないモノ、買えないモノもあります。その機械のための部品とかガイド類・備品。
作っていない機械の部品なんて無理な話です。そこで、中古探しがウチに回って来ます。

「中古品で商いをする」悲しい現状ですが、それが、いつまでも続くわけもない。いつかは無くなる。
いっしょに無くなるのは「技術」です。積み上げてきたモノが「伝承」もされず消えていく。


「地場産業」のない街は、味気ない街です。全国チェーン店と量販店、ホームセンターだけが目立つ。
「餅は餅屋」にあってこそ、美味しそう見えるし、応援もしたくなる。


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