1月30日に佐藤浩市氏と、成島監督が来県して、新作「草原の椅子」の上映を行うという報を聞いて、チケット、ゲット。いつもの値段だったので、お得かなと。
生佐藤氏は、やはりオーラがありましたね。上半身の強さと、華奢な下半身が妙にアンバランスでしたが、パキスタンで行ったロケの逸話なんかをさらっとお話されて、映画の上映。佐藤氏が「ほぼ出ずっぱりです。99%登場してますんで・・」と、半ば自虐的な表現もありましたが、本当にその通り。ほぼ全画面に登場なされてました。
佐藤氏が大好きな方には、たまらないと思います。ということを念頭に置いて、映画のご紹介。ここも佐藤氏が「いいと思ったら、ブログやツイッターなどで、バンバン紹介して下さい。つまんないと思ったら、一切話さないでください」といっておられましたな。
さて映画です。ごく普通のサラリーマン。妻とは離婚、大学生の娘と暮らしているが、いろいろとうまくいかないことが続く。そんな中、娘がなにやら不穏な状況に。ちょっと年食った情けなさ系の男の部屋に出入りしているところを見つけてしまう。これはまずい!ということで、問い詰める。
なんのことはなく、バイト先の知り合いなのだが、その男には4歳の息子がいる。でも、それはその男の彼女の息子で、男とは血のつながりはない。この中村君がうまい!その子は、母親の虐待を受けてしまい、どうやら心に傷を負って、会話ができない。自分のことをうまく表現できない。母は出て行って、男と暮らしていたのを見かねて、娘が面倒を見ていた。
佐藤氏扮する初老の男は、ひょんなことから、その子の面倒を見ることになってしまったのだが、それ以外にも、さまざまな面倒やら問題が山積。おまけに気になる女性まで。こんがらがってうまくいかない世の中、なんとかしたいが、どうにかなるんだろうか。一歩前に進みたいとか、大きく変えたいとか、問題をすべて解決したいという大それた考えではなく、ちょっとしたきっかけ、何かが自分たちを後押しして、前に進むためにパキスタンに行ってみることする。
自分と、なぜか50になってからできた親友、預かったあの子と、そして気になっている女性、総勢4人の前進のための旅行。何かをつかむことができるのか・・・。
なかなかよくできた作品でした。だいぶ前に見たので、詳細は若干失念してますが、丁寧に作ってあって、どこにも齟齬がない。さすが成島監督!この方の仕事は間違いない。年代のギャップに、リストラの問題、幼児虐待など、とっても今日的な問題が、丁寧に描かれてます。とにかく秀逸なのが、小池栄子さん!!!この人の最近のすごさは、出る作品、出る作品、感嘆しかないくらいにすさまじいのですが、今回も本領発揮。虐待する母、苦悩してたと思ったら、ハスッパになり、はてはぶっ飛んでる女まで見事に演じてます。これだけでも十分価値あり。
いや、それだけじゃないのですが、あとは子供ですな。かなりの数の中から、オーデションで選ばれたそうなのですが、表情がとにかく素晴らしい。虐待受けて、精神的に不安定なときのまるで無表情な顔。あれは作れっていってもできないです。本当に作ってない。佐藤氏がその後、いろんなものに露出して、子供の紹介をしてましたが、自然そのもんだったんですね。
やりたきゃ演じるし、やりたくなきゃやんない。あざとさがどこにもないのです。で、きっちりと思いのたけを演じ、大人に寄り添っていく様子がお見事なのです。取り立てて佐藤氏のファンということでもなく、ちょっと見てみようか・・・くらいの動機に私に、99%佐藤氏出ずっぱりの映画は、そんなに魅力的なもんでもないですが、とにかくこの子に魅了されました。お見事です。
で、それを引き出した監督のうまさが光ってます。パキスタンの山々の剣ヶ峰と、悠々たる砂漠・・・というショットの力は弱かったかな。ここは木村大作さんあたりが撮ると、どうなっただろうと思いました。
いろんなものが詰まってて、見応えあります。今週末からの上映です。
◎◎◎○
「草原の椅子」
監督 成島出
出演 佐藤浩市 西村雅彦 吉瀬美智子
さて、舞台挨拶中に起きた電話事件!絶対に、めったにかけてこない電話がかかってきたのが、佐藤氏の目の前。よっぽどのことが起こったのですよ。いやーー、世の中なにが起きるかわからない!そんなことを実感した晩でした。
生佐藤氏は、やはりオーラがありましたね。上半身の強さと、華奢な下半身が妙にアンバランスでしたが、パキスタンで行ったロケの逸話なんかをさらっとお話されて、映画の上映。佐藤氏が「ほぼ出ずっぱりです。99%登場してますんで・・」と、半ば自虐的な表現もありましたが、本当にその通り。ほぼ全画面に登場なされてました。
佐藤氏が大好きな方には、たまらないと思います。ということを念頭に置いて、映画のご紹介。ここも佐藤氏が「いいと思ったら、ブログやツイッターなどで、バンバン紹介して下さい。つまんないと思ったら、一切話さないでください」といっておられましたな。
さて映画です。ごく普通のサラリーマン。妻とは離婚、大学生の娘と暮らしているが、いろいろとうまくいかないことが続く。そんな中、娘がなにやら不穏な状況に。ちょっと年食った情けなさ系の男の部屋に出入りしているところを見つけてしまう。これはまずい!ということで、問い詰める。
なんのことはなく、バイト先の知り合いなのだが、その男には4歳の息子がいる。でも、それはその男の彼女の息子で、男とは血のつながりはない。この中村君がうまい!その子は、母親の虐待を受けてしまい、どうやら心に傷を負って、会話ができない。自分のことをうまく表現できない。母は出て行って、男と暮らしていたのを見かねて、娘が面倒を見ていた。
佐藤氏扮する初老の男は、ひょんなことから、その子の面倒を見ることになってしまったのだが、それ以外にも、さまざまな面倒やら問題が山積。おまけに気になる女性まで。こんがらがってうまくいかない世の中、なんとかしたいが、どうにかなるんだろうか。一歩前に進みたいとか、大きく変えたいとか、問題をすべて解決したいという大それた考えではなく、ちょっとしたきっかけ、何かが自分たちを後押しして、前に進むためにパキスタンに行ってみることする。
自分と、なぜか50になってからできた親友、預かったあの子と、そして気になっている女性、総勢4人の前進のための旅行。何かをつかむことができるのか・・・。
なかなかよくできた作品でした。だいぶ前に見たので、詳細は若干失念してますが、丁寧に作ってあって、どこにも齟齬がない。さすが成島監督!この方の仕事は間違いない。年代のギャップに、リストラの問題、幼児虐待など、とっても今日的な問題が、丁寧に描かれてます。とにかく秀逸なのが、小池栄子さん!!!この人の最近のすごさは、出る作品、出る作品、感嘆しかないくらいにすさまじいのですが、今回も本領発揮。虐待する母、苦悩してたと思ったら、ハスッパになり、はてはぶっ飛んでる女まで見事に演じてます。これだけでも十分価値あり。
いや、それだけじゃないのですが、あとは子供ですな。かなりの数の中から、オーデションで選ばれたそうなのですが、表情がとにかく素晴らしい。虐待受けて、精神的に不安定なときのまるで無表情な顔。あれは作れっていってもできないです。本当に作ってない。佐藤氏がその後、いろんなものに露出して、子供の紹介をしてましたが、自然そのもんだったんですね。
やりたきゃ演じるし、やりたくなきゃやんない。あざとさがどこにもないのです。で、きっちりと思いのたけを演じ、大人に寄り添っていく様子がお見事なのです。取り立てて佐藤氏のファンということでもなく、ちょっと見てみようか・・・くらいの動機に私に、99%佐藤氏出ずっぱりの映画は、そんなに魅力的なもんでもないですが、とにかくこの子に魅了されました。お見事です。
で、それを引き出した監督のうまさが光ってます。パキスタンの山々の剣ヶ峰と、悠々たる砂漠・・・というショットの力は弱かったかな。ここは木村大作さんあたりが撮ると、どうなっただろうと思いました。
いろんなものが詰まってて、見応えあります。今週末からの上映です。
◎◎◎○
「草原の椅子」
監督 成島出
出演 佐藤浩市 西村雅彦 吉瀬美智子
さて、舞台挨拶中に起きた電話事件!絶対に、めったにかけてこない電話がかかってきたのが、佐藤氏の目の前。よっぽどのことが起こったのですよ。いやーー、世の中なにが起きるかわからない!そんなことを実感した晩でした。
普段あまりない佐藤さんのこの役柄(特に子供との)だから、
子供と距離感は、撮影が進むにつれ狭まってきたのだと思います。
ややストーリーに薄さはあったものの、
子供のことが入るとやっぱそれなりに感動もあるものです。
そっか、あの子、オーディションで選ばれたんですか?
それ、ヒットでしたね!
でも、それが子供の本当の姿なんだと各所で佐藤さんが言ってました。そりゃそうだわ、と。
にしちゃ、うまかったですよね。
作ってない。あのふくれた表情は本当に自然!
最後の方の笑顔なんて、素敵でした。