迷宮映画館

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タカダワタル的

2004年10月16日 | た行 日本映画
伝説になりつつあるミュージシャン、高田渡を追ったミュージック・ドキュメンタリー映画。音楽性に力点が置かれており、高田渡の音楽を聞かせたい、という趣旨がよく見える。高田渡氏のコアなファンは多く、高田渡を語ろうとしても、それは無理。なので、あくまでも高田渡入門編と監督自身も言うように、とっつきやすい高田渡像ができている。

この映画を見ると、なかなかの音楽性を発揮し、それなりの楽しい映画に仕上がっているが、実際のコンサートにいった人の話を聞くと、そんなもんではないらしい。いつ歌いだすのか、どんな曲をするのか、なんかよーわからん話をしてちょっと歌って終わりとか。かなりはちゃめちゃだそうな。それがよいというのが、高田渡のファンとなる。

個人的に高田渡が好きかというと、好きとか嫌いとかの部類に入る人物ではない。ただ、私は音楽には異様に思い入れがある。好きな音楽は、何度でも何度でも、アホになるくらい聞くし、映画の重要な要素は音楽だと思っている。音楽だけで泣いたことも数知れず。好きな音楽はどこまでも受け入れるが、好きでない音楽は、聴きたくない。自分の耳のスイッチが切れる。今まで、高田渡の音楽は、私の耳には入らなかった。入る前にスイッチが切れていた。いくら興味深い人物でも、自分の好みだからしようがない。今回、この映画を見て、スイッチが入るかどうか、自分で試してみたが、ちょっと入ったかな・・・。

音楽的にどうのとはいわない。でも、映画としてはとてもうまい作りになっている。80時間以上撮ったというテープの中から、作り出された1時間強のタカダワタル。押し付けがましくなく、人間性がにじみ出ており、潔い作りになっている。弱冠29歳の女性監督。これからが楽しみだ。

『タカダワタル的』

監督 タナダユキ 
出演 高田渡 柄本明 松田幸一 中川イサト 2003年 日本作品


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