迷宮映画館

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胎児が密猟する時

2013年04月19日 | た行 日本映画
若松監督の遺作となってしまった「千年の愉楽」の上映と合わせて、若松監督の作品の上映会となった。事前にリクエストを取って、堂々の一位になった作品ということで、ここはやっぱり見ないと。

1966年の作品で、登場人物は二人のみ。舞台もほとんどがアパートの一室という低予算と言ってしまえばそれまでだが、なんとも特殊な、独特のねっとりと、でもどこか乾いたような空気が感じられる。

アパートの専務という男は、売り場の売り子を自室に連れ込み、秘め事をする・・・はずだったのが、男が豹変する。女性を縛りあげ、監禁する。体中を鞭でうち、女性をひれ伏させ、自分のいいなりにさせようとする。女はなんとかして抵抗するが、結局はあきらめ、ひれ伏するしかなくなる。

なぜにそこまで女を支配しようとするのか?そこには男の妻との葛藤があった。子供を産みたいという妻をどうしても受け入れられず、拒否した男は、妻に出て行かれる。

まるでわがままな赤ん坊みたいな男の本性。思い通りにならないものを許せず、自分に従い、ひれ伏させるための行動を取るしかない男。・・・哀れそのもの。自分のいいなりになったかと思う男は、結局は女に反逆される。

うーん、「完全なる飼育」を思い出したが、当然こっちの方が早いわけで、若松監督のチャレンジャーの精神が見えてくるよう。見てて、決して気持ちのいいもんではない。女を閉じ込め、縛りあげ、鞭で打つ。へどが出そうなことだ。なのに、男の弱さが際立ち、エロティックな空気はない。ざらざらと乾いたものがほほをなでるようだ。

決して好きな作品ではないが、なんとも目が離せなくなる不思議な作品だった。山谷さんのこういう役柄がやけに似合ってたのが怖い。。。

???

「胎児が密猟する時」

監督 若松孝二
出演 山谷初男 志摩みはる

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