迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

0,5ミリ

2015年03月17日 | ら行 日本映画
年寄りは好きか?と聞かれて、「ハイ!好きです」っていう人いたら、それは怪しい。とか言いつつ、自分もその年寄りに徐々に近づいているので、なるべく嫌われないような年寄りになろうっと・・・。多分、無理だな。

そうなのよ、年寄りってのは、わがままで、あんまり綺麗じゃなくて、面倒くさくて、かわいくない!そして一人じゃ生きてけなくなる。昔だったら、山にでも捨てられたんだろうけど、今はそうはいかない。死ぬまで生きなければならない。なんか、人ってマジに貪欲だよなあ~って思ってしまった。

いつになっても性欲はあるし、見栄もある。自分のことを省みてほしいし、自分の言葉を聞いてほしい。でも、誰も振り向いてくれない。自分の声を聞いてくれない。なぜか?年寄りは嫌われてるから。みんな見ないふりしてんだよねえ。見えてんのに・・・。

出来るヘルパーだったサワちゃんは、半分棺桶に足突っ込んだような爺さんの性欲処理を見込まれる。

教訓、何が起きるかわかんなそうなところに、石油ストーブは厳禁。

事故ってしまったサワちゃんは、無一文。でもって、サワちゃんは、押しかけヘルパーを始めちゃう。一人でさびしげで、誰も近づきたく無さそうな年寄り見っけて、お世話しちゃう。痛いとこついて、弱いものいじめじゃねーーの?的なところも無きにしも非ず。ほぼおせっかいなんだけど、忘れられた人を蘇らせてるような。

死んでないです。生きてます。生きてるのに、忘れ去られてしまったら、それは死んでるも同然だ。人間、死ぬまで生きる!

人との距離ってものを考える本作。テーマは重いし、突きつけられる現実も厳しい。サワちゃんの笑顔が本物なのか、嘘なのか、作りもんなのか、摩訶不思議なまま、エピが綴られていく。家族総出!誰にも文句言わせず、思いっきり長々と撮った!!って印象もぬぐえなかったかな。ちょっとナル入ってる。

戦争を語る津川さんの独白が圧巻。この日は、安藤サクラデイになったけど、みれてよかった作品。もうちょっとタイトになると、一般的なんだけど、そこに妥協はしないのが価値あるのかしらねえ。

◎◎◎○●

「0,5ミリ」

監督 安藤桃子
出演 安藤サクラ 津川雅彦 柄本明 坂田利夫 草笛光子


最新の画像もっと見る

コメントを投稿