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アパルトヘイト政策真っ只中の南アフリカ。アフリカ民族会議(ANC)の党員であるネルソン・マンデラは、政府のアパルトヘイト政策に対して、反対運動を行う。しかし、妨害行為、国家反逆罪、共謀罪で有罪判決をうけ、そこから長きに渡って、投獄される。
彼は、アパルトヘイト反対運動の象徴的存在で、彼の一挙手一投足は、さまざまなところに影響を与える。彼の真実、彼の狙いを知るためには、彼らの母国語のコーサ語を理解できるのが、必須となる。
そのために検閲の刑務官として採用されたのが、白人でありながらコーサ語を話すことが出来るジェームズ・グレゴリーだった。
ごく普通の白人で、ごく普通の感覚で黒人を差別し、それが南アでは当たり前のことだったのだが、そのことが、変わって行く。すべてはマンデラという人間に出会い、彼の生き様を知り、彼の真の考えを知ってから。
つい、彼らに対して、わずかな温情をかけたことから、グレゴリーは、【黒人びいき】のレッテルを貼られ、白人世界の中では、針のむしろに座らされることになってしまう。
出世し、妻を喜ばせることもやらなければならない。でも、そのことはマンデラたち、黒人の尊厳を奪うこと。グレゴリーの中で、さまざまなものがせめぎあう。しかし、時代は、確実に進んでいた。世界はアパルトヘイトをきちんと見ていた。
長きに渡ったマンデラが釈放されるとき、彼の20年の囚われの歴史を見てきた、看守がいた・・・・。
重厚な映画を撮らせたら、この人の右に出る人はいないのではないかと思う、ビレ・アウグストの新作は、なんとネルソン・マンデラを描いた。彼は紛れもなく20世紀を代表する人物だ。アパルトヘイト政策真っ最中で、彼は市内のどこにもいなかったときでさえ、その名前は知れ渡っていた。
その崇高な精神と不屈の魂、そして、長年の監禁にもかかわらず、自由になったあとは、前向きに進む。われわれが見知っているマンデラ氏は、穏やかなおじいさん、というイメージだが、その中にある揺ぎ無い魂が、どのようにはぐくまれ、確立していったかが見えたような気がした。
おのおのの立場が、見事にスパッと描かれている。ごく普通の感覚だった差別が、いかに人の尊厳を奪うものだったかを知る看守、夫の出世を願い、子供を愛し、このコミュニティで普通に生きようとする夫人、信念に生きる人たち、寄らば大樹の影の人たち。さすが、名匠の手腕だ。
今の南アの状況は、長年のくびきをたち、自由を手に入れ、明るい未来の希望あふれる国とはいいがたい様相を示している。国を作っていく道のりの難しさ、それまでの様ざまな負の遺産が、道のりを邪魔している。未来は混沌としている。
◎◎◎○
『マンデラの名もなき看守』
監督 ビレ・アウグスト
出演 ジョセフ・ファインズ デニス・ヘイスバート ダイアン・クルーガー
彼は、アパルトヘイト反対運動の象徴的存在で、彼の一挙手一投足は、さまざまなところに影響を与える。彼の真実、彼の狙いを知るためには、彼らの母国語のコーサ語を理解できるのが、必須となる。
そのために検閲の刑務官として採用されたのが、白人でありながらコーサ語を話すことが出来るジェームズ・グレゴリーだった。
ごく普通の白人で、ごく普通の感覚で黒人を差別し、それが南アでは当たり前のことだったのだが、そのことが、変わって行く。すべてはマンデラという人間に出会い、彼の生き様を知り、彼の真の考えを知ってから。
つい、彼らに対して、わずかな温情をかけたことから、グレゴリーは、【黒人びいき】のレッテルを貼られ、白人世界の中では、針のむしろに座らされることになってしまう。
出世し、妻を喜ばせることもやらなければならない。でも、そのことはマンデラたち、黒人の尊厳を奪うこと。グレゴリーの中で、さまざまなものがせめぎあう。しかし、時代は、確実に進んでいた。世界はアパルトヘイトをきちんと見ていた。
長きに渡ったマンデラが釈放されるとき、彼の20年の囚われの歴史を見てきた、看守がいた・・・・。
重厚な映画を撮らせたら、この人の右に出る人はいないのではないかと思う、ビレ・アウグストの新作は、なんとネルソン・マンデラを描いた。彼は紛れもなく20世紀を代表する人物だ。アパルトヘイト政策真っ最中で、彼は市内のどこにもいなかったときでさえ、その名前は知れ渡っていた。
その崇高な精神と不屈の魂、そして、長年の監禁にもかかわらず、自由になったあとは、前向きに進む。われわれが見知っているマンデラ氏は、穏やかなおじいさん、というイメージだが、その中にある揺ぎ無い魂が、どのようにはぐくまれ、確立していったかが見えたような気がした。
おのおのの立場が、見事にスパッと描かれている。ごく普通の感覚だった差別が、いかに人の尊厳を奪うものだったかを知る看守、夫の出世を願い、子供を愛し、このコミュニティで普通に生きようとする夫人、信念に生きる人たち、寄らば大樹の影の人たち。さすが、名匠の手腕だ。
今の南アの状況は、長年のくびきをたち、自由を手に入れ、明るい未来の希望あふれる国とはいいがたい様相を示している。国を作っていく道のりの難しさ、それまでの様ざまな負の遺産が、道のりを邪魔している。未来は混沌としている。
◎◎◎○
『マンデラの名もなき看守』
監督 ビレ・アウグスト
出演 ジョセフ・ファインズ デニス・ヘイスバート ダイアン・クルーガー
おはようございます。
映画鑑賞で色々なことを知ることができるので、ありがたいとつくづく思います。マンデラが偉大なる人物だと知ってはいましたが、長きにわたっての投獄生活を知り・・・・。本当に我慢強く信念を貫いたのだと
思うと、改めて偉大さを感じますね。そして彼の人生の裏にはこのような看守とのつながりがあったということも・・・・。いつもコメントありがとうございますm(__)m
刑務所生活とかって、過酷だと思うのですが、逆に規則正しい生活だったりして。
途中で挫折しそうですが、最後まで不屈の精神を貫いたことは素晴らしいですが、それを持続させたのは、とんでもない政策ですからね。
やっぱ闘争心は大きいです。
多分、観客はマンデラのすごさを周知している
との前提で、作ったんじゃないかと言う気がします。
ジェームス・グレゴリーにスポットを当て、
当時の南アを浮き彫りにしたかったのでしょうが、
盛り上げ方がちょっと物足りない気がしました。
まあ、私は素直にこういう映画の価値を考えて、やはりいい映画だと思ってます。
真正面にマンデラの伝記的な映画でもいいと思うのですが、ほとんど獄中ですからね。
この映画で描かれた時代からちゃんとまっすぐに
明るい方向へ行っているとは言い難いのですが、
それでもそういった現実を改めて考えさせてくれる
映画でもありましたね。うん。
長年の差別が、現在の経済格差を生み出し、それがいつまでも尾を引いていることを知らないといけないですよね、あたしたちは。