迷宮映画館

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明日の空の向こうに

2013年04月11日 | あ行 外国映画
ロシアのどこかの駅。こ汚い少年が、シケモク吸って喜んで、ベンチの下に寝っころがって夜を明かそうとしている。孤児だな、どう見ても。そんな子供の姿を見ても驚かない町の人たちの方をどうかと思うのだが、どうやらロシアのストリート・チルドレン、孤児の問題は解決してないよう・・。

あまりの汚さと、いつの車?と思うようなボロ車で、てっきりちょい前の時代の話なのかと思ったら、そうでもなさそう。舞台は現代のロシアだ。

ここから抜けだせばなんとかなる!子供だけで国境を超えるのは至難の業だが、できないことはない。きっと明日には素晴らしい未来があるんだと思ってる子供たち。いや、そうでも思わなきゃやってらんないのかも。

ちょっと大きいリュパとヴァーチャは、ヴァーチャの弟のペチャを置いて、ここを旅立とうとしたが、ペチャに見つかって結局は3人で逃避行。いや、大冒険か・・。足手まといのペチャは、市場のおばさんをうまく乗せて、食べ物をゲット!役に立つじゃん。

ここにいろ!と優しくいってくれるじいさんのとこも後にして、国境を越えようとする。きっとあっちに行けば、おいしいものが食べれて、素敵なうちああって、絶対に幸せになれるはず。。。。

高圧線の下をかいくぐり、命がけで、ようやく国境を越えた3人。ここには幸せがある?食べ物がある?暖かいうちがあるの?空はおんなじなのに・・。ポーランドの法律では亡命してきた・・・といわない限り、入国を認めてもらえない。彼らを保護した警察の担当者は、なんとかしてやりたい!と思うものの何もできない。。。

ということで、出てくる車に、風景に、状況に東西冷戦がまだまだ健在だったころ?と思いながら鑑賞。でも、孤児が浮浪してるなんてのはありえないか、とか、ポーランドに逃げて行っても結局は同じことなんだから、逃げるとしたら別だよな~とか、いろいろ考えてしまった。したらば、なんと現代だったと。そっか、そうなのね。。。

ロシアの孤児の話は、かなり深刻なようで、「この道は母へと続く」も、ロシアのリアルな孤児院の物語だった。おまけに実際の孤児たちで撮影したとか。

で、この子供たちの素晴らしいと言ってはまずいか、いや素晴らしい!天然なのか、演技なのか、素なのか、狙いなのか、いやーーーーー、あまりの自然な浮浪児ぶりに驚愕!!



現実は厳しい。子供たちの未来が明るいものになるとは誰も言えない。たぶん、確率的にはまずい方が大きいだろうと。でも、夢を抱かずに人間なんぞやってられん。子供たちがまだ見ぬ未来に夢を託して何が悪い!何が正解かは誰にもわからないが、まず行動できる子供たちのたくましさがリアルに伝わってきた。

◎◎◎○

「明日の空の向こうに」

監督 ロタ・ケンジェジャフスカ
出演 オレグ・ルィバ エウゲヌィ・ルィバ アフメド・サルダロフ


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
歯っかけペチャ (slver)
2013-04-11 22:41:38
こんばんは。
予告で何度も観たペチャの無邪気な笑顔、可愛かったです。是非とも観るつもりでいたのですが、ハッピーエンドは望めない話に、ペチャの笑顔は堪能したいが悲しい顔は観たくない!と躊躇した挙げ句、見逃してしまいました…。
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>slverさま (sakurai)
2013-04-12 08:32:29
私も胸がぎゅーっとなるのを覚悟で見に行ったのですが、そっちよりも冒険譚みたいな。
あまりにたくましい子供たちにキュンとなるより、唖然って感じでした。
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Unknown (xるる)
2013-11-10 23:54:46
この映画のdvdはネットで買えますか?
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>×るるさま (sakurai)
2013-11-11 07:59:57
ちょっと調べましたが、DVDはまだないようですね。
もうちょっと待ってみてください。
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