「感覚の原点」

自分の身体を直径２cmほどに縮めて誰かの口内に入り
頬の裏側の肉をベッドにして粘膜の上で思う存分
昼寝やら寝返りなんかうってみたい

ヌルッと滑らかで生暖かく、ばい菌は居なくて
全身にまとわりついてくるように柔らかな肉のヒダに包まれる
こんな環境はこの世には無い



僕等は子宮の中で、気付くと一番最初の肌感覚を習得する
それは安らぎの感覚として残り、生れ出た後はそれを
ずっと探し追うことになる

もしも喪失感から逃れたいならなるべく肌感覚を感じているほうがいい
何かの理由で出来ぬなら、それに代る何かを賢く見付けるのがいい
負い目など持たなくていいから


何十億年か前、「口」と「腸」と「肛門」からスタートしたじゃないか
最初僕等は「ただの消化管」だった

握手をしてるかい？　管として
ハグをしてる？　親や子である以前に
SEXしてる？　雄雌である以前に

足りてないなら
繊毛で感じる粟立った６色の粒子を分けてあげるさ



脳で考えるのをやめよう
感覚を羅針盤に進む方が脳は育つ

キーワードはやはり「粘膜」と「快楽」



今、濡れてる….だろ？
（感覚の原点）