Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

夢の続編の序章

2010-06-28 | 記憶の風景



「何度も同じ夢を見る」ということがある



夢はいつも同じあたりを繰り返すばかりでなかなか続編に発展しない


この夢を見るようになったのは大人になってから
しかもだいぶ歳がいってからだが
それでももう10回以上繰り返し見ている

現実でいつ行ったのかよくわからない「山」が夢に出てくる

その山に辿り着く手前に必ず通る経路がある...






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実家から南へ
「国鉄(JRではない)」に乗って何駅か行くと
神奈川との境に多摩川の下流が流れている
その河口に私鉄が乗り継ぐ駅があって、やけに栄えている

都営や東急なんかのバスが、何系統も乗り込んで来てるターミナル的な街で
必ずいつも、乾燥していて埃っぽい感じに晴れている


街には沢山の人間がいるし大通りを車もかなり走っている
けれど全く「音」が無い
そして
車や街は...どこか昭和の気配がする

そのやけに白っぽくて眩しい風景は露出オーバーの写真のような..




だいぶ繁華街を抜けた頃、高速道路に当たる
2重に重なって高いところを走る高速道路の下を
暗渠になった溝川が流れ
その辺りに生えている背の高い草の中を
溝側が本流に流れ込む河口まで歩いて出る

密集した草の間を歩いているのに何の臭いもしない
まるで街全体がドライフードのよう
そしてやはり音は無い

本流はきっと多摩川の河口付近で
川岸にはサイクリングコースのようなものがあり
そこからは河口の方へと歩く...のか...自転車に乗って行くのか...


サイクリングコースを進むと
脈絡無くすぐに海へ出る

浜を右手に見ると
沖に「生まれたばかりの波」が見える

それは北斎の画のような形状をしている


浜と浜の間は岩場になるから
視界からは一端海が消え、また現れた時には別の浜になっている

さっきは人の居ない海水浴場だったのに
もう漁港になっていたりする

そのうちまもなく人気の無いところまで来る

そのあたりの誰も居ない浜に降り立ち
岩場を歩くうち、知らぬ間に小高いところに上ってしまい
自然に出来た小さなトンネルの中で青紫に発光する貝殻を見付ける

この浜で自分が立ち往生してるうち
この夢は終わることがよくある

しかしもう少し先に進むこともある

先に進むときは小さな宿場町に出る


ずっと浜沿いに走って来たサイクリングコースが
ある時ほんの少し内陸に入り込んだところにその宿場はある

気が付くと海を背にしてすぐ、急勾配で山になっている

その急勾配に密集して幾荘ものホテルが建っている
古くからある風情の..
あまり大きくないけど...でも5~6階はあるくらいの
ちょうど熱海かなんかにある昭和的な建築のホテル

ホテルの間の急勾配を抜けて上ると
盆のような小さなスペースが出てくる
それがケーブルカーの駅前のロータリーになっている

(まだ見下ろせばすぐそこに海が見えるのだから
そもそもこのケーブルカーはいったい「何処」から登ってくるのだろうか...
目覚めている今思えば、地の底から登って来たとしか思えないが
夢の中ではそんなことは気にも止めない)


駅前ロータリーはタクシーとバスが1台折り返せるだけの小さなスペースで
周辺に僅か数軒の土産物屋がある
(ペナントとか、小さなコケシの付いた耳かきなんかが置いてある)

このロータリーに自分が立ち、上を見上げると
この「山」の頂は、まだまだ上があることがわかる
密集した杉の林が急勾配を埋めている



さっきの小さな浜で、青紫に光る貝殻を見詰めながら終わるときと
この宿場で終わる時と
この後さらに海をつたってポルトガルとかアマゾンの方へ行くときもある

ポルトガルやアマゾンに行くときはもう話しは滅茶苦茶になる

実体験が無いためだろう..
ここから先は「世界地図」の上をカヌーに乗って旅して行くことになる

想像出来るものだけは実物のようになって登場する
それ以外は「でっかい世界地図」の上をカヌーに乗って漕いで行くのだ

でっかい世界地図には緯度経度のラインも引かれてあるから
自分が今、赤道に添って進んでいることなんかもわかるようになっている

急にナイアガラのような大きな滝から危うく落ちそうになることもある
なんだか狭くてやけに入り組んだ運河を進むと急にインドに出ることもある

...設定が滅茶苦茶なのだ..



この3パターン以外の展開に発展したことはなく
このパターンの中で夢は何度も繰り返されて来た


それが何年ぶりにこのストーリーに続編が出来た


全く違うルートからこの山に登ってゆく

ケーブルカーに乗ったのでもなく
海側から杉林を抜けて登山したのでもなく
まったく反対の街からタクシーとバスを乗り継いでこの山に登ったのだ

ケーブルカーとは反対側の、山の麓の街は山梨あたりで
この山がずいぶん大きいものだったのだと夢の中で知る








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