Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

11月25日【SOLOときどきDUO】後記

2014-11-26 | 過去のライブ後記





目覚ましが鳴る少し手前に目が覚めると雨の音が聞こえる

やはり僕は雨男なようだ

雨だから眠い

そして雨の日の眠気が好きだ




外が明るくなってからずっと浅い眠りで夢を見続けていたようだ

夢の中では弱音で
1音1音丁寧に弾く練習をしていたみたいだ

だからか
起きたばかりなのに耳が充分に温まっている気がしたので
雨粒の一粒一粒が地面に落ちる音を聞いてみる

そこに意識の焦点を合わすと
水滴が地表に当たって跳ね返るビジョンが観え
現実から意識が遠退いて行きそうになった瞬間
外で誰かがブリキ缶を落としたような音を立てたので毛穴が一気に開き
今度は完全に覚醒した


起きて温めのお湯に浸かってからゆっくり支度をした



アンサンブルする双方にかけ合う引力のバランスとか

垂直方向にだけ働くような重力ではなく
自由なグルーヴを生み出すための浮遊的に時間を切り取る感性とか

相手の奏でる和音の内声の動きの
感知しきれない先の予知的領域での音符の置き処とか

そういった譜面に書き表せないものを楽しみ共有したい


言葉にすると意味が解りづらいが
音にすれば明確で、必ず聴き手に届く
音楽の素晴らしさの一つがこういうところに在る


そして今日はそれが共産共有出来る素晴らしいピアニストさんとの
コラボライヴなのだ


感謝と喜びを見失わないように
自らの内も外もなるだけ静寂に耳を傾けながら過ごしながら
昼過ぎ
雨の中出掛けた



五、十日で給料日で道は混んでいた

緩い渋滞が続く


ある信号で停まると前のワンボックスに
PUNDA limited
とシールが貼られていた



プンダ…


ワンボックスのドライバーにとっては大きなお世話でしょうが...
僕はプンダよりHONDAが好きだ






起きてから4時間ほど何も食べていない

空腹感で胃が少し歪む

歪むほど指先の神経が研ぎ澄まされる

空腹な状態が狩りの動物的本能を開かせるからだ


もっと突き詰めるなら禁欲もした方が良い

体内に残された精子を雌に渡すまでは死ねない
という動物的危機感が
明らかに演奏に対しての瞬発力や粘りをもたらす


とかストイックなことを高らかに考えていながら
お腹がグーッと鳴ったのを皮切りに
「やっぱり少し食べないと低血糖になっちゃうからな」と理由をつけて
コンビニに寄ってパスタサラダをガツガツ食べた
(そういうとこが僕が凡人なとこ)



中Pと落ち合い
話ながら会場へ


そしてリハ

ほんの5分程
パネさんと音量バランスを探り合って
すぐに落ち着くべきポイントに落ち着いた





パネさんと演るのは先日のリハからまだ2回目だが
他のプレイヤーとでは得られない不思議な感じがある


意識しなくても
自然発生的に曲の温度が上がる


こういう表現が適切か解らないが、思うに
曲の起承転結を正しく理解して扱っているから
勝手に浮力が付くのではないか、と思う

力を奪い合わない

与え合う

見えない何かに誘導されるように
演奏温度は上がり
決して力んだ自覚は無いのに
リハが終わってみると
一回本番をやってしまったように
演奏エネルギーを使い果たし
魂が抜けたような状態になった


楽屋で指先だけ温めながら体力を回復させる


本番まであと1時間




。。。。。。。。。




そして本番終了

1部は僕の独奏
2部はパネさんの独奏

それぞれの部でduoも3曲ずつ


リハ1回と今日の本番しかまだ合奏してませんが
二人の音の相性はかなり良いと思われます

まだ幾らでも音世界を広げられる可能性も感じます


先日リハをやって手応えを感じ
またこういう機会があると良いな
と思っていた矢先
数日前に急遽オファーを頂き

12/23、24の2days
館林、西ノ洞さんで
クリスマスディナーライブを行うことになりました

近々に詳細をアップします


Duo LIBRA
そしてSilent Passion,Tabula Rasa

僕のライフワークの一つであるピアノとのアンサンブル
を模索しながら行き着いた一つの明確な答えが
このduoにはあると思います


お時間許すようでしたら是非
クリスマスに聴きに来てくださいね
















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1 コメント

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与え合う (まき)
2014-11-26 23:52:41
とても自然に音を共有できる時間だったみたいですね。
奪い合わない。それぞれの持つものが合わさりながら、ゆっくり溶けていくような。
次回は素敵なクリスマスディナーライブになりそうですね。
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