Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

大阪京都 vol.2

2009-06-15 | 竹斎先生








おい...

起きるよ













どした?

そんなに膨らんで...

















昨夜、盛り上がりすぎたせい?




さあもう起きるぞ







ほら
ちゃんとこの街にさよならして









下道で京都まで1時間

ビルが無くなり徐々に緑の小山が増えて来たら
おっつけ目的地に着いた



大学の敷地内に乗り入れ、校舎の外側を回り込み停めた場所の目の前がテニスコートになっている
午前中の学会に妻が出かけてしまうと息子と二人で車中に残る

じきに目の前のテニスコートに学生が集まり出し
そのうち緩く軟式ボールを打ち合い始めた

軟式テニスはよくは知らないが見てる分には長閑だ

打った球は、空中を飛ぶうちに空気抵抗で速度が落ち 相手の近くにバウンドする頃にはゆっくりになっている
球を打つポクンッポクンッという音を聞きながら車中で読書する





この女子大は長閑だな...
こういう時空ならゆっくり考えごとが出来るし、ゆっくり悩むことが出来る

以前行った聖心女子大も静かだった...


色恋抜きの知性は静かなり、だな...

ん?色恋があったら既に知性とは呼ばないか...?

まぁ、とにかく、
人生を考えるような知性を磨きたかったら
一時、色恋を離れてみるべし、ってとこか


しかし早稲田は凄い賑わいで、毎日祭りのようだった
今もバンカラ気風が残っているのだろうか
それともやはり共学だからか、渋谷か下北の街が大学になったかのようだ
そういう場所でもし名を上げたかったら「大きな声で喋る」しかないだろう
しかもそれは音の飽和状態の中で、きっと聞く側の眠気をもようさせるばかりだろう
僕みたいな人間は、そういうところに毎日通うのはきっと辛い...

などと徒然に無責任に思いを遊ばせる





午前中は妻のメインプロジェクトではない講義だったので
息子が泣いたら妻が授乳をしに来ることが出来たが
問題は午後
13時から16時までは絶対に出て来れない

しかも最近、哺乳瓶から飲んでくれない


多分...
午後は車の中で激泣きの修羅場になるだろう





14時をまわり、そのうちいよいよ竹斎先生がお乳欲しがって泣き始めた

母乳しか飲んでないから、すっかり最近は哺乳瓶から飲まない
が今日は飲んでもらうしかないから哺乳瓶の粉ミルクを与える



さあ、飲むか、泣き続けるか
案の定、全く飲まない

車中で泣かせっぱなしにする
声が渇れてくるがあと1時間半以上、母は帰ってこないのだ


「おっぱい~」

「は...早く~」

「おねげ~します!お代官様!」

「お慈悲でごぜ~ますだ..」

「あぁもう...の...喉が...焼け付くぅ...」

「もう...だ...め...だ...」

「ぐぎぇぇええ~~~」




生きるためには好き嫌い言ってられないってことを
こういう時に誰に教わらなくても否応なしに学んでゆくのではないだろうか

大怪我でもしたのではないかと思うくらい尋常でない泣き声が
凶器のように鋭く僕の鼓膜に突き刺さり続ける
そういう場に居て、母乳をあげられない僕が
それを理解することが出来ない竹斎先生の泣き声を煩いと思わず愛し続けるのは
自らの内なるものとの全身全霊の戦いだ


結局、小一時間格闘し続け最終的には飲まずに泣き疲れて寝てしまった


こいつは頑固者だ
育児が大変だぞ
などと頭をよぎるが なーに
はなから親の思い通りになど動くはずもない
本来誰もが社会の平均値になどハマるはずもない

はみ出ろはみ出ろ
思い通りにやるだけだ
簡単に死んだりしないんだから

腹が減ったら何でも食べるだろう

疲れて寝てしまった先生は ずっとおっぱいを飲むような口の動きをし続け
まだ骨が塞がってない前頭部はヒクヒクして前髪のなん束かを小さく動かしていた



せめて夢の中で
お腹いっぱいに飲むのだ

あと40分でママが帰って来るよ




16時過ぎにママが駆けつけ授乳

そしてすぐまた教室に戻る

息子は、お腹は膨らんだが、泣き過ぎてグッタリしている




大丈夫?
































少し笑う元気が戻って来たか..
良かった良かった












じゃ、キミの好きな早口言葉やってあげようか



最初はゆっくりからな



ディ~~ダァ~ブゥリュ~~ディ~~ダァ~ブゥリュ~~ディ~



ディ~ダブリュ~ディダブリュ~ディダブリュ~ディダブリュ~ディ!



dwdwdwdwdwdwdwdwdwdwdwdwd!!!



dwdwdwdwdwdwdwdwdwdwdDWDWDWDWDWDWDWD!!!!



ににんがし にさんがろく にしがはち にごじゅう にろくじゅうに にしちじゅうし にはちじゅうろく にくじゅうはち!











さっきまでオッパイが貰えなかった理由なんて、竹斎先生には理解出来ない

むしろ、父親がここに居るのにオッパイを貰えない事を
苛立ちとともに怒りの感情を抱いたかもしれない

ついさっきまで、気も狂わんなばかりに泣いていたのに
今はこうして笑ってくれる

赤ちゃんていう生き物は「根に持たない」んだな....

人は何歳くらいから「根に持つ」ようになるんだろう


うまく言い表せないが
今日、こうして過ごせた事に
僕は心の中で感謝した




















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