Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

花見

2010-04-04 | ギターの栄養




ウチの下の桜も満開、ということにあいなって
その溢れた桜色が、普段とあまりに違う空間を繰り広げていて
玄関を出た途端、ちょっと夢を見ているような気分になった


カラフルな色のカヌーで花見してる人もいる






艪漕ぎの花見舟なんかも出ていた

地上に降りると、上から見るより花の間が空けている
桜の花越しに見える空は薄雲っていて寒い感じを受ける

普段は殆ど人通りのない川沿い小径も
今日は花見客がそこそこ歩いてる





杖をついた人と、支える人が
なにやら慈しみのある会話をしながら通り過ぎた

付き合い始めたばかりなのだろうか
清潔感のある装いのカップルが少し緊張した表情で通り過ぎた

歩き始めたばかりの子供の速度に合わせてゆっくり歩を進める
その若い家族をそっと追い抜いたら
今度は柴犬を連れた初老の男性とすれ違う

カメラを持った老人が物憂げな表情で一人立っている

帽子を被った二人連れの女性の一人が華やいで振り返っている

会話も無く距離をおいて歩いてくる熟年夫婦がいる




この桜の下では
自らの人生を静かに感じる心や
また身近な人の命を静かに慈しむ心が似合う


そういう人間も風景の一つに重ねて初めて
この寒空に咲いた桜の花に暖かさが一つ灯るように感じる


そういう儚くも美しい彩りを壊してしまう乱暴な言霊を発しながら
桜の下を歩いてゆく人間もいる

そういう存在までも風景の一つとして観じるまでには
自分はまだまだ至らない

乱暴な言霊に少しささくれ立った神経を治めながら
まだまだ自分は花見が好きになれない
と思いながら家に戻った

















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