今日は夕方
親い友人の結婚式に参列する
午前中
強い日差しに
新緑の鮮やかな色が映え
泣きたくなるほど目に沁みた
家中の窓を開けると風が樹の葉をサラサラ音を立てて揺らしていた
そよぐ風に吹かれ
葉音を聞きながら
出かける時間まで
ギターを爪弾いた
心地好さに目を瞑りこのまま眠りに落ちてしまいそうになる
この心地好さを乱すなら
いくら楽しい音でも興奮する音でも出したくなかった
僕はいつもどんな場所でもそんな風に感じながら弾いている
そして自分がいつもそういった選択をする理由を膨大な時間考えて来たが
その理由が何となく判ってからはもう語ることも少なくなってきた
僕の心とギターとは こんな風に癒着している
世の中の娯楽性のある場所や音には
精神を高揚させる要素が必ずある
長い年月をかけて少しずつ
僕はそういう場から遠く離れ
そういう音から遠く離れた場所まで歩いて来て
世俗的な娯楽性を手離し
今はやっと新緑の眩しさを歓ぶ心を取り戻している
娯楽性を手離した奏者を
例えば世間はプロと呼ばなくなったとしても
新緑から授かる歓びを手離す方が
僕はずっと辛いのだ
この季節の鮮やかな新緑のように
今日の友人は輝いていた
おめでとう