最近、文字が出てこなかったのだが
一つ前の記事を書いたら、何故かスッキリして
記憶の風景の一つを書きたくなった
僕は、子供の頃、サンタクロースの手を見たことがある
もちろん幻だと思っているが、今でもその手を、ハッキリ憶えている
あれは何歳だったろうか
まだ小学生以前だったように思う
クリスマスにサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる
という大人の話を半分くらい信じながら
居るなら会ってみたい、と思っていた
イブの夜、家の1階で夕食を取って
まだ皆が食事中なのに自分一人、2階へ上がった
プレゼントが置かれるとしたら、その部屋なのだ
常夜灯の薄暗い光
冬なのに、何故か窓が開いていた
寒い...
綺麗好きな母が、食事中を利用して、
部屋の空気入れ替えをするために開けていったに違いない
日曜の朝とか、布団を剥ぎ取って起こすし
冬だっていうのに、なんで窓開けとくんだ
と
心の中で舌打ちをしたことをハッキリ憶えている
部屋の電気を点けるよりも
プレゼントが届いてないか、と薄暗い中でキョロキョロした
押し入れも開けてみたがプレゼントは来ていなかった
軽い失望とともに1階へ戻ろうと踵をかえしたその時
開いた窓から吹き込む風に揺れるカーテンの下に
大きな手が一瞬見えて、すぐ引っ込んだ
それはジャガイモのような色をして
太い葉巻のような形の指が数本
指の甲には薄らと金色の産毛が生えていた
ビクンと恐怖で体が硬直したままカーテンを見つめた
物音は全くしない
「その手の大きさからしたら
身長2メートルくらいあるサンタが、窓の外に居る...」
窓の外に、トナカイのソリが、音もなく宙に浮かんでいるのか
空高い場所にソリを待機させて一人でやってきたサンタは
僕に見付かり、今、窓の下に咄嗟に身を隠して息をひそめているか
そのどちらかしかない
カーテンをめくった途端もし、大きな毛むくじゃらの顔と目が合ったら
サンタよりデカイ声を出して恐怖を紛らわせればいいか...
心の準備をして窓に近づいた
いつでも逃げられる体制で
限界まで手を伸ばして
指先でカーテンの端をつまんで
悲鳴を上げないようグッと息を止めて
サッと開けた途端、数メートル飛び退いた
...当然
何も居ない
緊張を解かず
やはりいつでも逃げられる体制を取りながら
そ~っと窓の下を覗いた
が、やはり何も居ない...
窓から首を出したまま、しばらくキョロキョロと外を見回した
緊張が徐々に緩み、再び外気の寒さに気付いた時
高い空のどこかから「♪シャン♪シャン♪シャン♪」と
ベルの音が遠のいてゆくのが聞こえた気がした
いや
現実は聞こえてないのだけれど
明らかに聞こえたのだ
「やっぱり来てたんだ」
そう思った
そのあと1階に転がり降り
「サンタの手を見た!サンタの手を見た!」と興奮して親に告げたことは憶えているが
親の反応は何故か憶えていない
その年のプレゼントは何だったか..
それもよく憶えていない
一つ前の記事を書いたら、何故かスッキリして
記憶の風景の一つを書きたくなった
僕は、子供の頃、サンタクロースの手を見たことがある
もちろん幻だと思っているが、今でもその手を、ハッキリ憶えている
あれは何歳だったろうか
まだ小学生以前だったように思う
クリスマスにサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる
という大人の話を半分くらい信じながら
居るなら会ってみたい、と思っていた
イブの夜、家の1階で夕食を取って
まだ皆が食事中なのに自分一人、2階へ上がった
プレゼントが置かれるとしたら、その部屋なのだ
常夜灯の薄暗い光
冬なのに、何故か窓が開いていた
寒い...
綺麗好きな母が、食事中を利用して、
部屋の空気入れ替えをするために開けていったに違いない
日曜の朝とか、布団を剥ぎ取って起こすし
冬だっていうのに、なんで窓開けとくんだ
と
心の中で舌打ちをしたことをハッキリ憶えている
部屋の電気を点けるよりも
プレゼントが届いてないか、と薄暗い中でキョロキョロした
押し入れも開けてみたがプレゼントは来ていなかった
軽い失望とともに1階へ戻ろうと踵をかえしたその時
開いた窓から吹き込む風に揺れるカーテンの下に
大きな手が一瞬見えて、すぐ引っ込んだ
それはジャガイモのような色をして
太い葉巻のような形の指が数本
指の甲には薄らと金色の産毛が生えていた
ビクンと恐怖で体が硬直したままカーテンを見つめた
物音は全くしない
「その手の大きさからしたら
身長2メートルくらいあるサンタが、窓の外に居る...」
窓の外に、トナカイのソリが、音もなく宙に浮かんでいるのか
空高い場所にソリを待機させて一人でやってきたサンタは
僕に見付かり、今、窓の下に咄嗟に身を隠して息をひそめているか
そのどちらかしかない
カーテンをめくった途端もし、大きな毛むくじゃらの顔と目が合ったら
サンタよりデカイ声を出して恐怖を紛らわせればいいか...
心の準備をして窓に近づいた
いつでも逃げられる体制で
限界まで手を伸ばして
指先でカーテンの端をつまんで
悲鳴を上げないようグッと息を止めて
サッと開けた途端、数メートル飛び退いた
...当然
何も居ない
緊張を解かず
やはりいつでも逃げられる体制を取りながら
そ~っと窓の下を覗いた
が、やはり何も居ない...
窓から首を出したまま、しばらくキョロキョロと外を見回した
緊張が徐々に緩み、再び外気の寒さに気付いた時
高い空のどこかから「♪シャン♪シャン♪シャン♪」と
ベルの音が遠のいてゆくのが聞こえた気がした
いや
現実は聞こえてないのだけれど
明らかに聞こえたのだ
「やっぱり来てたんだ」
そう思った
そのあと1階に転がり降り
「サンタの手を見た!サンタの手を見た!」と興奮して親に告げたことは憶えているが
親の反応は何故か憶えていない
その年のプレゼントは何だったか..
それもよく憶えていない