7ヶ月半の息子の離乳食
本人がだいぶ満腹になって顔を背けがちなところを
あとちょっとで完食だからとグイッと抱きかかえて
気が散らないように茶碗の中を見せて
最後の数口を与えようと自分も茶碗を覗き込んだ時
柔らかいお粥の匂いに包まれて、一気に過去の記憶に飛んだ
自分の記憶の一番古いあたりの家族が過ごした部屋
母の腕の中で、自分がお粥のようなものを食べさせてもらっている感覚
その匂い
食べる速度を、自分なりに図っている感覚
次の一口までに「間」を置いているのは
抱かれている暖かさを感じている時間が心地良いから
そしてその心地良い感覚は、全ては相手には伝わっていないことを
乳児である自分が感じている
半分伝わり、残りの半分は親の観察と想像力によって補われているのだな、と
そう感じてる感覚
全ての自分の思うところの快適さが、以心伝心、相手にうまく伝われば
それはそれで良いのかもしれないが
伝わらない部分を、相手が想像し補ってくれる労力を愛と感じられる
そういう力を僕等は持っている
そうだった
もともと僕は
そういう感覚を持って
この世に生まれて来たのだった