Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

嗅覚

2009-11-09 | 記憶の風景


7ヶ月半の息子の離乳食

本人がだいぶ満腹になって顔を背けがちなところを
あとちょっとで完食だからとグイッと抱きかかえて
気が散らないように茶碗の中を見せて
最後の数口を与えようと自分も茶碗を覗き込んだ時
柔らかいお粥の匂いに包まれて、一気に過去の記憶に飛んだ


自分の記憶の一番古いあたりの家族が過ごした部屋

母の腕の中で、自分がお粥のようなものを食べさせてもらっている感覚
その匂い

食べる速度を、自分なりに図っている感覚





次の一口までに「間」を置いているのは
抱かれている暖かさを感じている時間が心地良いから

そしてその心地良い感覚は、全ては相手には伝わっていないことを
乳児である自分が感じている

半分伝わり、残りの半分は親の観察と想像力によって補われているのだな、と
そう感じてる感覚



全ての自分の思うところの快適さが、以心伝心、相手にうまく伝われば
それはそれで良いのかもしれないが
伝わらない部分を、相手が想像し補ってくれる労力を愛と感じられる
そういう力を僕等は持っている


そうだった

もともと僕は
そういう感覚を持って
この世に生まれて来たのだった











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