Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

「11/4チャリティコンサート後記」

2008-11-14 | 過去のライブ後記
人間て、人間を生かすことも殺すこともする

人間て、「種」の保存本能を持ってると思っているけど
実は、「個」の保存本能だと生物学者が言ってる

本能のままに生きれば
個の保存のために他を殺す

それが人間...
だそうだ


だから、「生かす」ことに心が向くよう
自分の中の「声」を、よく聞くようにしてる


今回、チャリティーの依頼があって
「困ってる人が、身近な縁でいるのなら」と
ばたばた仕込みをして、気付いたら本番だった

そして、終わった後
何も言葉が出なくなってしまった

そこまで勉強不足だった自分は
心臓移植の募金チャリティーに出ることに決まってから
臓器移植にまつわる数々の問題を知ってゆくことになった


一つの命を救うために、他者の脳死状態の命を終わらせること

臓器売買に繋がってゆく図式

妖しげな募金コーディネート組織が、この世に存在すること
(今回のチャリティーが、という意味ではなく)




自分や、家族が、移植を必要とした時
それら全てを踏まえて
僕は、募金に踏み切るだろうか...

それは、考えても良くわからない


この「わからない中」で演奏することは苦痛だった


この苦痛は、人間としての葛藤なのだし
それを大事にするしかない、と思いたいが
同時に
葛藤や、迷いを抱えたまま
ステージに立ち、意味はあっただろうか
という思いもある

人を助けると同時に
人を殺すことに手を貸したのではないか...という想い

「良かった」という声も耳に入ったが
それは、関係者サイドからの意見ではなかったか...という懸念

チャリティーが終わった後から
言葉を失い
ずっと考え続けた

答えは出ない

自分なりに出した答えもあるが
御両親の心情を思うと、今は公には書けない

いや
これだけ書いても
もし、御家族が読んだら傷付くだろう...





ただ、こう思う

僕が人と関わる時に生まれる力関係で
僕が、もし上に立ってしまったなら(仕切ることになってしまったら)

表と裏、善と悪
存在する両方のどちらかに偏らず
そこに参加する人の葛藤する自由を
命とか正義とかいう名の暴力で
封じ込めたくはない









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