音楽というのは
作者や奏者が音に練り込んだ想いの波長
というものが存在する
そして一度この世に産み落とされた波長は
別の波長と必ず共鳴する
独奏による私の波長に聴き手が共鳴したか否かを
私は本能的に感じ取ることが出来る
共鳴しなかった相手は
私の音を単なる静かで綺麗な
エンターテイメントとだけ捉えている
共鳴した相手は
共鳴によって心の奥の方に帯びた熱を
無意識裡に言葉や眼差しや気配で伝えてくれる
その熱は多分
私が良い演奏をした時に
演奏中に軽い風邪など完治してしまうような
人の病みを焼き切るようなものだと...
熱は艶を有し
静やかで強く正しい