今日の東京タワーは、本番が始まる前
何でか上手く説明出来ないけど
感じた一瞬一瞬を切り取って、言葉にして残したいと思ったので
思ったことを携帯にメモした
【1st手前の手記】
本番の前なのに身体の中から温まってるのって
例えば今日みたいにオープンリハーサルだから緊張して火照るのもあるだろうけど
でもきっとそれだけじゃなくて
オーディエンスの方たちが期待してくださる空気がすごく感じられたり
今日の本番に向けての数日前のリハーサルの中で
そのままの自分の心を奏でることが出来たから、
きっと今日の本番でも出来る、っていう自分達への期待感が
グツグツ内側から自分を沸騰させる っていうのもある
今日はすごく近くにお客さんが居て
そのままの自分を奏でるためには、そのお客さんの存在を視界から消し去って
音の中だけに没頭するしかない
それが出来るかな…僕
あと20分くらいで1回目の本番
晃教君と知り合って10年経って
初めて一緒にライヴしてから8年くらいは経った
8年前より自分は
明らかに濃くなってる
デビュー曲のアイウィルのバッキングだって以前と比べて特別変わったわけじゃない
でも以前より明らかに濃くなってる
晃教君も濃くなってるんだろうと思うけど
今は自分以外の人のことは客観的に見れない
自分の濃さに鼻血が出そうになっている
そして若い頃のように濃さが空回りすることもない
与えられた時間の中 たっぷり濃い中に浸りきるだけ
あぁ苦しい…
自分を奏でる喜びと この鼻血が出そうな圧力と...
耐え切れずに自分の中で「どうにでもしてくれ」って思う
僕はあと15分で 茹りきってステージに上がるのだ
【1stが終わった後の手記】
身体の奥の方に溜まっていた膿が絞り出されたみたいな感覚
そして1回目が終わった
こんなに時間を細かく感じられるのは、演奏したらいつも必ずというわけじゃない
今回久しぶりに晃教君と二人だけで演ったらすごく呼吸が合うから...
呼吸が合うと
僕は相手に乗り移り、相手は僕に乗り移っているかのような感覚になるのだ
そしたらもう悪い意味ので演奏のエゴなんてどっかに飛んでいってしまう
静かにゆっくり
そして大きく波打つ自分の鼓動を感じながらゾワ~ンと時が過ぎてゆく…
いや...
時の流れを感じない
何か時が止まったような感覚の中、演奏は進むのだ
1回目の演奏は
「この時間は僕が生きてる中で、たった一度しか巡り会えないのだ」
という強い思いが自然に沸き上がって奏でることが出来た
次の2回目はもう1回目のような演奏は出来ない
一度奏でてしまったらその場所はもう処女ではないのだから
2回目はきっともう少しリラックスして自由な時空になるんだろう
けど
1回目と何が変わるかなんて全く予測出来ないのだ
1回目の演奏中
狭いステージ
僕のすぐ隣で、魂を燃やしている晃教君の素敵な横顔が記憶に焼き付いた
【ステージが全て終わってからの手記】
2回目が終わって
片付けて
エレベーターに乗ったら晃教君のファンの方に声をかけていただいて
車に乗って帰るところまた違う方に声をかけていただいた
今日…良かったんだ...
かけていただいた言霊と表情からそう感じられた
そのことを思い返しながら運転してたら少し泣けてきた
ずっと長い間、音に自分を込めることに執着して
その音を使って誰かと奏でる時
ただひたすら呼吸を合わせようとするようになったのはいつからだったろう
自分の想いと相手の想いがピッタリ重なるまで諦めたくないと
そう思うようになったのはいつからだったろうか
そしてそれが出来た日は泣けるほどに嬉しい
今日は僕にとってそんな日となった
晃教君と
今日、関わり合えた全ての人達に
今僕は
心から感謝してます