所用でちょっと外に出る度に
冬枯れた中に浮き立つ木瓜の朱に心が掴まれる
ソロライブまであと4日となった
独奏でのライブは自分にとって特殊なパフォーマンスであり
アンサンブルライブでの演奏に比べ
ダントツに演奏に対する情報処理量が多い
なのでずっと過去から
ずいぶんプレッシャーを感じて来たものだが
本当にここ最近プレッシャーを感じなくなっている
それが何だか不思議な感覚なのだ
長年粘りつよく練習を積み重ねて来たことから
多少は達観出来て来たということなのか
それとも加齢による体力気力の低下からの無気力感なのか
よく分からない
どちらも有るようにも思うが...
ただはっきり思うのは
気張って弾く意味を全く感じなくなった
冬枯れた風景の中に咲く木瓜のように
心が立ち止まるような朱を
一瞬でも音で放つことが出来れば良いかと思う
それならもう自分は
十分にその種を持っていると思える
何も今更気張ることもない
気張るのは疲れるから極力自然体で生きていたい
ということなのかもしれない
この世界の中で
冬枯れた中の木瓜の美しさに心を奪われる類の人には
自分の音は届くだろう
木瓜に気付かぬ人には
自分の音は届かないだろう
何故なら自分の音というのは
木瓜を愛でながら人生を想い
命を慈しむささやかな独り言であるからだ
などと...徒然に想いながら
いつも通り今日も日が暮れてゆく