明朝
咲きます
ところで
シオンは
ペペが
めちゃくちゃ好きらしいんですよ
でも
好き過ぎて
ペペの腰の羽を全部抜いちゃったんです
ペペもシオンのことが好きらしく
羽を抜かれても抜かれても近くに行くし
寄ってきたシオンからも逃げないんですよ
でも
換羽期で抜けてるわけじゃないので
抜かれたところから血が出たり
皮膚が赤く爛れたりしてるので
バイキンが入って病気や短命になってはいけないから
シオンをペペに近寄らせないようにしたんですね
カゴを別にしたり
水浴びの時も時間差でやらせたり
そのうち
ニッキがペペと凄く仲良しになったんです
仲良くなったペペとニッキは
よく空中ハウスに一緒に入ってて
ニッキは完全な手乗りなので
ハウスの中に人差し指を入れてニッキの喉を撫でると
ニーニーと甘えた声を出すわけ
その真横で
手乗りじゃないペペが戸惑いながらも
人間に撫でられてるニッキを観察してるわけです
うちに来た当初は
人の手が近付くだけで
パニック的に大暴れして逃げ回っていたペペが
緊張しつつですが
喉を撫でさせるようになったんです
手乗りじゃない十姉妹が
人の手を怖がらなくなるという変化は稀有なことで
とても感動しました
ペペとニッキは
いい子だな
なんて長閑に考えてたんですが
シオンの恋愛感情というものがあることを忘れていました
ちなみにシオンもペペも(多分)ニッキも
全員オスなんですが同姓同士の関係性でも
鳥って嫉妬心をハッキリ示すんですよね
ハウスにペペとニッキが仲良く入ってる時に
シオンを放鳥してしまったら
シオンの嫉妬が火を吹きました
ペペの奥にいるニッキに向かって
物凄い威嚇をしています
動画
ペペは戸惑うばかり
奥が暗くて見えませんが
まだ幼鳥のニッキはさぞ怖かったでしょう
最後にシオンからガンガン突っつかれて
ハウスを飛び出して私のところへ逃げてきました
小鳥は人間から見たら小さいので
可愛らしく健気なだけの生き物に見えますが
実は人間と同じように
嫉妬が起爆剤となり
マイナス感情の争いを繰り広げる生き物なんです
自分の身の回りをちょっと見渡すだけで
人間同士の嫉妬が起因となって争っている光景ばかり
ほとほとそういう風景にうんざりしている私は
小鳥なら平和かと思いきや
こうして悍ましい争いを繰り広げるわけで
では植物なら平和的かといえば
他の植物より少しでも上に出て
日光を己のものとしようとする者ばかりです
この世界の有機物は全て
この悍ましい輪廻から抜け出せない
人間の心の悍ましさにうんざりしていた私は
来世もし生まれ変わるなら小鳥など良いな
などと思ってましたが
その考えも捨てることにしました
もう有機物には生まれ変わりたくない
私は輪廻を解脱し
生まれ変わって
風
となりたい
...
過去の賢者たちが
何故
解脱の勧めを説いたか
ほんの少しだけ
わかったような気がした