Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

2022/5/14.15 豊橋公演

2022-05-16 | 演奏記録


今朝もベランダに花が満ちているのを見ては和み



毎年育ててる原生アサガオの双葉が
着々と育っているのを確認し喜びつつ
5/14、豊橋に向けて出発です






機材や楽器がある時の雨は本当に嫌なのですが
そこを転んじて
嫌を嫌と思わない修行の
絶好のチャンス日となった豊橋公演1日目





私は沢山準備をするタイプの奏者なので
まとまった仕事が終わった今年の1月中旬以降
この公演に照準を合わせて
徹底的に長期練習を積んで来ました

誰のためでもない自分のため

自分の人生が終わる時
後悔しないように
です





新東名を西に向かって走ると
DUO LIBRAで全国を周ってたことなど思い出します

 

 

ところで本番というのは何故緊張するのか
緊張せずに日常のような平常心で本番に臨めないものか

緊張すれば身体も固くなり
演奏のしなやかさが損なわれるだけなのだから

ところがやはり本番日が近くなると
緊張というか
心身が臨戦体制に入り
目に入る日常のことなどは上の空になり
頭の中のイメージだけを追うような感じになる私

それは未熟の証だとも思い
また
そういうモードでは疲れるばかりなので
本番前からわざわざ疲れる必要もあるまい

リラックスするようにマインドコントロールしてはみますが
リラックスと臨戦体制を繰り返すことになるばかり




車で出るときは必ず十分に時間的余裕をみるため
だいぶ早く着きそうなので
新東名を少し手前で降りて下道で向かいます

 


 


豊橋市内に入り可愛い路面電車
いろんな色いろんな形のが走ってるようです







興行主であるクレッシェンド企画さんと合流
お昼をいただきながら軽く打ち合わせ
昔は東海道の宿場町だったところにある老舗で
菜飯田楽をいただきました





そして会場に到着
初めての場所で
最大限に演奏や客席からの見栄えなど良くするために
頭と体をフル回転させながら搬入、機材組み上げ
そしてセッティングからリハまで
怒涛の時間が流れます

その時に気付くわけです

あぁ
やっぱり臨戦体制に入っておいて良かったんだな
って

火事場の馬鹿力的なパワーで
限られた時間の中で自分をフルに使うには
日常モードでは緩くて駄目なんですよね

こういった日常から非日常への急激なスイッチングに
若い頃は心身が付いてゆけず
長年ずいぶんと悪い意味での緊張をしてきたけど
もう還暦も過ぎたのだから
そろそろ達観したいところ

臨戦体制に入りつつも
リラックスするようにマインドを調整してみる

いろいろやってみる

やれるだけ練習したのだからもう大丈夫
とか
心配してもしかたない、と
無責任な感じに思ってみたり
本番前にフィンガーグリップで指を動かしたり
逆に居眠りなどしてみたり

いろいろやって結局
どうすれば一番良いかなんて
何もわからなくなって結局本番時間が来る

本番の中では

準備期間にしっかり心身に入れたものだけが働いてくれる

 曲中では勝手に指が動き
MCでは勝手に口が動く


ちょっと指運びが崩れると
間違えないようにしなきゃ
なんて雑念がよぎる

雑念がよぎると必ずミスを重ねることを
経験から知っているので雑念を捨て去る


しばらく無心で弾いている

運指が楽なくだりで
ふと
唾も飲み込んでいないことに気付いて
ゴクンと飲み込む

強い照明を当てられているので
客席は真っ暗にしか見えない

楽しいおしゃべりも
真面目なことも
一人芝居のように進めてゆく


ちょっと面白かったら
まず自分が笑う

この空間でもし
今のギャグで笑ったのが自分一人だけで
あとの人々が暗闇の中でシラケていたとしても
私は自らが笑わなければならない
私は自分の演奏で自らが感動せねばならない

強く自分を信じる力が必要なのだ


そして
その一人芝居がどうだったか
それは終演後にお客さまから
声をかけていただいた時にやっと確認出来る

とても良かった
感動した
などと言っていただけた時にやっと
迎合もせず出来得る限りの誠実を
音に乗せて放ったことが
受け入れてもらえていたことが確認出来る


演者としての責任を果たせた思いと

時空を共有できていたというような感動が起こり
そして開放感から腰砕けになり
私にとってのその公演はやっと終演となるのです


良かった
自分の演奏に100%絶対の自信などは到底持てないけど
何とかなったのだな


音楽なんて有っても良いけど
無くても死にはしないものなんだから
そんなふうに受け取ってくださった方が居て
本当に良かった
そう思いながら会場で出してくださった美味しいお寿司を
いただいたのでした

この日の会場だった京寿司さん
お世話になりありがとうございました




 

 

 

。。。。。。。。。

 

 

 

 

 

5/15
公演2日目の朝
今日は雨じゃなくて嬉しい

 


昨年に続き2回目の出演となりました
素敵な佇まいのアモンダンさん



演奏というものは
リハでいくらやっても観えない部分というのがあり

それは本番を1回やることでやっと観えるようになる

初日が終わってやっとペースが掴めるという
演者が背負わされた宿命というか摂理がある




ということで今日は昨日よりだいぶ観えてるわけです




なのでこの日はセッティングにもリハにも
昨日より余裕がもてましたし
何より緑と木製の物達に囲まれての演奏
開けた窓から涼しい風が吹き抜ける
私の好きな波長に包まれた空間です

 


私の演奏スタイルは繊細なコントロールが必要なものですから
どうしても小さな演奏ミスはあるものの
まずまず良い感じで奏でることが出来た気がします




昼公演が終わり休憩中に

食事をいただきました




アモンダンさんは本当に心地良い店内空間で
お料理もお洒落で美味しいです
ディナーとかなかなか予約が取れない状態なのだそうです












外が徐々に暗くなって
空がほんの少しだけ夕焼けになった頃
夜の部スタート





もう2回本番をやってるので3回目となる夜の部は
もう何の緊張もしません

けど

体力的に集中がどこまで保つか
が勝負になるなと思いながらスタート


主観としては調子良かった昼の部
と同じくらいの集中で演奏しているのですが

思いがけないところでボンミスする

これはやはり体力集中力が落ちてるなと自覚
自己内部で修正をしながらチャレンジを続ける

本番というのは一瞬一瞬
一期一会だとよく言われますが
本当にその通りですね

演奏によって楽しみや感動など呼び寄せる運気は
万華鏡のように刻々とその様子を変化させており
捕まえたと思った瞬間に足元を掬われ
もう駄目だと思った先に幸運が待っていたりもする

14日の1公演
15日の2公演
その中のどの時間を切り取っても
一つも同じものは無いです

良い演奏運気を引き寄せたければ
また
音楽の神様に守られたければ
清い思いを深く抱き
祈り続けながら奏で続けるしかないのだと思います


生きてきた人生の中での
また生きている今の
人と人との繋がりの

良いも悪いも全てにマインドを開きながら

そこから感じる痛みは
音楽に柔らかく包んでもらいながら


私のとっての音楽は
ある時は現実逃避の道具であったし
ある時は神からのメッセージと感じもしました
人生の羅針盤であり杖でもあります

それが年齢と体験を重ねるごとに
音楽の本質が観えてくるに伴れ

音楽で感動させようとか
癒されたいとか
伝えたい思いがあるとか
他にもいろいろ故意に何かしようとしなくても良い
ということが解ってきます


人の邪念で余計なものを音に乗せる必要はない

ただそこに音を鳴らせば良い
いや...

鳴らす必要すらない
共鳴し合えば音は勝手に発生する


言葉にならない思いを
音楽は代弁してくれる

誠実な心ほど
言葉にならない思いがあり
実直な心ほど
音楽に涙する


音楽をどのように使っても
人それぞれの自由だが
私は前述したように使いたい

そんな真理がこの2日間で
少しだけ観えた気がしました


2日目の会場
アマンダンさん
ありがとうございました




。。。



終演後
今回の興行主であるクレッシェンド企画さんが
打ち上げを用意してくださいました

この2日で私
全ての力を使い果たしたので心残りはありません
あとはもう無防備になって酔うことが出来ます




















クレッシェンド企画の代表
Nさんに尋ねてみました

何故、私という奏者を
このように毎年豊橋に呼んでくださるのか

Nさんがご自身のことを語られ始めて
私は少しわかった気がしました
(僭越ですが勝手に私の想像で書きます)

Nさんは金銭欲とか名誉欲とかが
普通の人より少ないタイプなのだそうで
(私もそんな方向の人間です)

Nさんは楽器を弾く人ではないけれど
人間一人一人をギターの弦1本1本に例えるなら
一人一人を爪弾きながら
人間の集団という一つの楽器を使って
心地良い和音を奏でるのが好きな
アーチストだってことです

だから私とNさんの関係を例えるなら
音楽の嗜好性が合う者同士の

バンドのメンバーみたいな感じなんじゃないかしら


ベースが低音とリズム、グルーブを担い
ギターはメロディと和音を担い
両者は折り合い協力し合いながら
一つのサウンドを作ってゆくのと同じように


一人一人丁寧に呼びかけ
人が集う場所を作り

選び抜いた喜びの音を奏で
心地良いと感じる周波数を共鳴させ拡張させてゆく


豊橋公演の根幹にあるスタンスは
そういうようなものではないかと
思いました
 ^^


この後記の最後に
クレッシェンド企画のNさんはじめ
R子さん
スタッフの皆様に
心から感謝申し上げます

ありがとうございました



そして豊橋での来年の公演日も
もう決定いたしました


2023/5/14(日)
会場:豊橋プラット アートスペース

日程以外の詳細は後日追記させていただきますね


豊橋Cafe Accordianaのオーナーであり
アコーディオン奏者のタカミさんの出演とコラボも確定してます
動画



















 

コメント
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