Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

高崎JAMMER'S

2013-02-10 | 過去のライブ後記


2/11
和泉さんのピアノトリオで出演するはずだった高崎JAMMER'Sさんに
ちょっと事情が生じてトリオではなく急遽「MERKABA」で出演する事になった

バタバタと前日10日夜のうちに前ノリ
20時過ぎに店に到着すると間もなく
和泉さんは翌日の僕とのDuoのプロモーションのために
4曲ソロピアノを奏でた





僕はトリオの代役で高崎に行く事を告知されてから
プレッシャーでお腹がピーピーになってしまった

だって… ねぇ…
ピアノ、エレベ、ドラムというトリオ編成だからと
前売り買ってる方がいらっしゃるだろうに…
ギリギリでDuoに編成が変わっちゃったわけだから
チケット代割引とかちょっと特典を付けたみたいだけど
でもねぇ
僕のポジションはやっぱりプレッシャーになるですよ


それはさておき
和泉さんのプロモーション演奏が終わると
音楽大好き人のJAMMER'Sのオーナーさんと居酒屋で前打ち上げ
とてもヒューマンなオーナーさんと親睦を深めた後に
ホテルチェックイン

就寝

起床



ピーピーで臨んだ高崎
前ノリから一夜明けて いざ出陣です



毎度お馴染み
東洋の密売人コンビ


和泉さんはよく
朝イチで髪を結んでないでホテルのロビーに降りてくることがある

髪を結んでないと
ネイティブアメリカンかオールマンブラザーズか北京原人か
というような迫力がある

一応北京原人は伏せといて
「オールマンブラザーズみたいな迫力ですね」
と伝えるとご本人まんざらでもない様子

「やめてよ~さかきぃ、、その気になっちゃうじゃない~」
と言いながらご自分の靴を指差し
「じゃまずこのコッペパン靴を捨ててウエスタンブーツに買い替えなきゃねぇ」
と言いながらコッペパンを履いたままのコッペパン原人は
向かいのコンビニへ入っていったのでありました

コンビニ店員もさぞビックリしたことでしょう



そして会場に移動

リハの前にまずは腹ごしらえ
前回別件で高崎に来た時にマネージャー氏がチェックしていた凄い店で昼食


会場と同じアーケード内にある食堂
「中央軒」へ向かう
左端はJAMMER'Sのオーナーさん


いやしかし...やはりこのくだりは
恒例になりつつあるモノクロ画像で..



追跡!!密売ルート衝撃の潜入捜査

密売人(右2人)をアジトに案内する仲買人(左)



彼らは取材班の隠しカメラに気付かぬままアジトに向かう




取引のため妖しげな奥へ通されると完璧なる昭和の風景
壁には体育会系学生から感謝の色紙が沢山貼ってある

何とはなしに連れてこられたが…これはもしや…
大盛りで評判のお店だったりして…

果たして...
まさにそうでありました

カタヤキソバを注文したら二人前あるくらいの大皿が出てきました
これで620円とかだった
普通の焼きそばが520円とかだったかな


女将さんは品が良いのに庶民的で
厨房の中のご主人も口数少ないけどニコニコしてる

僕等が入った時に既に居た
昼間からビール飲んでるオヤジ客たちも
この店の値段と量と女将の笑顔に満足してニュートラルに寛いでる様子

その客達が帰っていってすぐ
そのうちの一人の客が戻って来て厨房の親父さんに何か差し入れると
「いつもありがとうねぇ」と親父さん
その客は親父さんの息子でもあるかのようにはにかんで帰っていった

マネージャー氏いわく
「こういう昭和のお店が元気に残っているのは嬉しいですよねぇ」

いろいろな土地に赴き
こういうシブイお店を発見したりすると
つげ義春の世界に片足を踏み入れたようで楽しい
マネージャー氏によれば
この先雪解けの頃にはこのユニットで東北を攻めることになるらしい
もっきりやの少女と出会えるか楽しみにしていよう




そして僕は二人前相当のカタヤキソバを完食しましたです




そこから会場でのサウンドチェックとリハーサルが始まる



持ち込みのPAで音環境を整えてからリハーサル



今日のリハでは新曲が4曲も増えたから
体に染み込ませるのに結構必死

でも、どんどん本番で試しながら(っていう言い方も何だけど)
レパートリーを増やして行こう
という建設的な空気が定着し始めてるから
ユニットの筋力が付き始めてるってことだと感じられる

新しいレパ曲は
まだ体に馴染んでない分 演奏に固さも出るけど
演奏を重ねる毎にどんどん固さは取れ
表情も膨らんでゆくから
その行程が楽しいし
固さを克服してゆくことが
常に目の前に見える明確な目標ともなってくれる



ピアニストは大抵、客席に横顔を向けて演奏するけど
僕の演奏位置からはピアニスト和泉宏隆さんの真正面の表情を見ることが出来る
だからお客さんから見えてるか判らないんだけど...


1音1音 紡ぎ繋いでゆく時に、眉の辺りに現れては消え
消えては現れるほんのささやかな切なさが
このピアニストさんは大変美しい

演奏上のアイコンタクトを取るつもりが
このほんのささやかな表情の移り変わりを
ステージ上でうっかり見入ってしまうと涙腺が弛みそうになる



RHは終了
音と心も整ってあとはお客様を迎え入れるだけ




僕は実は今
右手の人差し指と中指と薬指の爪にヒビが入ってしまっていて
アロンアルファで補修して演奏してる

本番は爪が割れるとか考えもせずに感情まかせに弾くから
ツアーとかで連日演奏する時期は昔からよく爪を割ってしまうのだ



アロンアルファを塗ると爪の厚みや質量が変わるから
自分の爪だけで弾弦した時とは音色が変わってしまう

それが気になるからミスりやすくなる

ミスらないために慎重になると
それはそれで小さくまとまったつまらない演奏になってしまう

小さな演奏にはなりたくないから葛藤が続く
なかなか苦しい状態なのだ



楽屋でギリギリまでウォーミングアップして
アロンアルファで不自然な厚みが出来てしまった爪を
再度ヤスリで削り
また割れないギリギリまで極力自爪に近づける

やれるだけの準備をして
ステージ上でも気持ちを折らないでやれるだけのことをした



終演後
お店の音響さんの一人は
ギターの音がとにかく綺麗でやられた
と言ってくれた

もう一人は
良かったです
良かったとしか上手い言い方が出来なくて...
でも良かったです
と言ってくれた

お客様のご婦人から
ギターの音がが泣いていてとても良かった
と言っていただいた



今回は急遽決まったトリオの代役というプレッシャーと
指3本爪にヒビというハンデを抱えての登板となったので
何しろ余裕が無くて
自分たちの演奏が良かったか悪かったか普通だったか
僕自身には客観的に解らないのだ


ただやれるだけのことはした...
悪くはなかったはずだけど客観的にはどうだったのだろう…


だんだん自分に課したハードルが高くなってきてるのかなぁ…


でもまあベストは尽くしたのだし
先に繋げるものは提示出来たと思うから良しとしよう




高崎JAMMER'Sさん
大変お世話になりありがとうございました





そうそう...

Rh時に僕に勧められて
僕のギターをおっかなびっくり弾いてらした永遠の少年、オーナーさん

土浦ローガンズさんもそうでしたが
音楽の素晴らしいところは
人間にいつまでも青春を与え続ける力があるってところです


ということで
無事終了 ^^






このチームの流行りは
吉野家の蕎麦屋があると必ず立ち寄る

蕎麦吉野家は十割蕎麦(つなぎを使わず蕎麦粉だけ)なので
それがお目当てなのだ


高崎からの帰り道
マネージャー氏の記憶を頼りに
関越道に乗る手前の蕎麦吉野家へ

僕等だけ貸切状態で
天重とざる蕎麦のセットを食べながら雑談



和泉さんいわく
ユニット名さ
MERKABAH(マカバ)っていうの
意味は良いんだけどちょっと韻がね
マカバっていうと牧場牛乳を連想しちゃうのがちょっとねぇ…

だからマカバとは名乗らずにMKB52っていうのどう?
えむ けー びー ひふてぃーつーね
52は僕らの平均年齢ね



僕らの平均年齢は53ですよ
と僕


いいのいいの例えなんだから
...Libra
っていう案もあるんだけどね
と和泉氏


Libraって何?
と僕


天秤座ですよ意味は
と和泉氏


もしかして和泉さん天秤座なの?
と僕


そうだよ 9月○○日
天秤座の第一周期ですよ
と和泉氏


へぇ知らなかった
僕も天秤座ですよ
と僕


どおりで
音のバランスが取れると思ったら二人とも天秤座だったかい
じゃぁユニット名は
「両天秤」にしよう
と和泉氏


一同ゲラゲラゲラ
そいつはいい それは最高だ と
無責任にウケるマネージャー氏と僕



堅気社会と折り合いの取れない3人男の旅はこの先も続くようです
無責任に
それでいて真摯に
ある時は凹みある時は有頂天になりまた足元を掬われて転び
転びながらまた笑う


あと少しで
3月4月のツアーが決まってくるようなのでまた告知させていただきます


出会いを大事にしながら一本一本のライブを大切に奏でてゆきたいです


ユニット名が 悪ふざけの末に
「MKB52」か「両天秤」
に変更にならないよう祈っててください




コメント (4)
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