大地姉妹が営むこのTampopoというお店で
演奏をさせていただくようになってから何回演っただろう
今年も一年、沢山演奏させていただきました
Tampopo、ありがとう
あまりにもお客さんと近くて、一番最初の時は緊張して
ずいぶん自分が固くなったのを憶えています
緊張した指先が、次のコードを抑え損なう瞬間まで丸見えの距離
隠れようも取り繕いようも出来ないこの狭い狭い素敵な空間で
僕はずいぶん育ててもらいました
結局上手く弾き切れた日など一日も無く、恥ずかしくて
いつも終演後に逃げるようにして帰ってたけど
それも繰り返すうち、なんだかくだらないことに思えてきました
いくら仕込んでも、上手く弾けた日など一回も無いなら
もうお客さんの前で、技術の完成を目指すのはやめよう...
それでも演奏する場所がほしいので
最後に「気持ち」で弾くことにしたのです
拙いギターですが、せめて、なんとか...
この音で、ほんの少しでも、潤う瞬間を感じてください
そして、この歳になってまた改めて
演奏に大切なことは心だと気付かされるのでした
そしてやはり、心を伝えるための技術も必要なのです
やるべきことは何も変わらない
一廻りしてきて結局、同じ場所に立っている
だけど、一廻りする前より感じられる
慈しむ心が増している
祈ることの意味を感じられる
だから祈る力も増している
僕はこの店、この空間に、確実に育てられている
そして少しずつ少しずつ、人生の風景が明るく見えてくる
だから
僕を育ててくれる全ての人や物に
感謝をしないではいられないのです
