欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

街には今日もたくさんの

2012-08-05 | essay




街には今日もたくさんの車が通り過ぎ、人々が思い思いの目的地へと足を運んでいます。
ふと立ち止まり、大時計を見上げる人。
大道芸人の演奏に耳を傾ける人。
小さな子供たちがメトロの行き過ぎた時の風が面白くて、鉄柵のあたりで飛び回っています。
鐘を鳴らしながら行き過ぎていく大きなバス。
この街には、今日もいろいろな物語が展開されています。
おもしろさも悲しみも含んだ奥深いシナリオが・・。
今日という日の演出でこうして繰り広げられているのです。

たくさんの舞台役者さん、今日という舞台はもう今かぎり。
せっかく与えられた晴れの舞台です。しっかり役になりきって動いてみようではありませんか。

そのキュートなカバンにはたくさんの

2012-08-05 | une nouvelle
そのキュートなカバンにはたくさんの夢がつまっていて、あけると虹色の蝶々が青空へと飛び立っていくのです。
とある娘さん、いつも笑顔でいられるわけじゃないけど、そのカバンをもっていることで花のような気持ちを忘れずにいられるのです。
カバンはおばあちゃんからもらった素敵な誕生日プレゼント。ピンクを基調にしたやさしいストライプ柄。
目をくりくりさせておばあちゃんの言うこと。
"この街ではいろんなことがあるけれど、このカバンがあれば大丈夫。
心に明かりを欲しい時はこのがま口を大きくひらいてみなさい。
たくさんの蝶々がお前の願いをもって空へ飛び立っていくから。するとね、空からお前への愛がたくさん届いてくるんだよ。"
ある時、娘さんがカバンをあけると、あら不思議。いつもの街がちがったものに早変わり。
人の笑顔が、あざやかな車のカラーが、褐色の家々の屋根が、すべてが心にほほ笑みかけてくれるのです。
"だから言ったでしょ"って、そんなおばあちゃんのしたり顔と一緒に。
ひらいたカバンは、娘さんだけじゃなくて、通りを歩いていく人にも、屋根の上のハトにも、路地の片隅に丸まる猫にも、いたるところで心を晴らしてくれるのです。
なにかが空まで届いている。
おばあちゃんの不思議な魔法が。
"メルシー、おばあちゃん。夢を見るってとても大切なことなのね。"
カバンのそばにはいつしか集まってきたハトに猫に道行くおじさんに・・、みんな笑顔で空を見あげて。