あまり客の入らない地下のバー。
夜更け、タバコの煙の中でひとりピアノを弾き続ける女。
若いバーテンダーが女のもとへやってきて。
あそこの客がムードのある曲を弾いてくれだってさ。
彼女がそこに目をむけると。
愛する男と目が合って・・。
彼女はゆるやかな旋律を選んで、切ない愛の詩を奏でていきます。
数人しかいない客の心を集めて、彼女はやさしく男にほほ笑むのです。
タバコをくゆらせながら彼女を見つめる男。
その視線を感じながら、彼女は指先に愛を込めるのです。
あなたを愛しているわたしは今とてもしあわせよと。