必然的なヒストリー

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【篤姫レビュー】薩摩か徳川か

2008-09-07 20:56:48 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

イベント的に考えると今回のタイトルは「久光上洛」か、もしくは犠牲者の立場から考えて「寺田屋同士討ち」「寺田屋の悲劇」「精忠組の悲劇」といった名前が相応しいかと思うのですが、天璋院の立場からすると・・・、という意味合いでのこのタイトルなのでしょう。
でも、これでは何となくパンチが弱いような気がするのですが。

OPクレジットでは「風林火山」ではトメグループに鎮座していた木村元が『大原重徳』役で連名。初登場の『平野國臣』は演じる役者の格もありますが、役柄の大きさの割には4人連名と不遇の扱い。『真木和泉』と『桂・久坂ペア』は、ラスボス的存在?である為か今回は登場せず。

で、本題。
家茂と和宮の良好な関係はこのブログではスルーします。どうでもいいです。
その頃、島津久光は「斉彬の遺志」の名の下に兵を率いて上京。
目的は朝廷&幕府&雄藩の政治提携の実現。それを朝廷に働きかける久光。
が、朝廷の連中はあからさまに久光を見下したような態度で対応。
特に岩倉具視、何がそんなにおかしいのだ。笑えるのか、ソレ。とてもムカつく。北条高時並にムカつく。もう少しでプッツンするとこでした。熱いおでんをぶつけたくなります。
公家連中に相手にされず、京の用心棒を任された久光は歯がゆくてたまりません。そこに有馬新七らが関白・九条久忠、京都所司代・酒井某を襲撃する為に寺田屋に集結したとの情報が久光の耳に!
有馬らは久光の幕府と朝廷の共存路線には反対していたのでした。久光はすぐに説得の遣いを差し向けますが、決裂する事を読んでいた久光は、「説得ならぬ時は」と遣いに告げます。
こうして寺田屋の壮絶な同士討ちが起こりました。
有名な「寺田屋騒動第1弾」です。
「翔ぶが如く」でも同様のシーンがありましたが、「篤姫」と比べると、緊迫感も戦闘シーンの迫力も前者の方が上だと思いました。「篤姫」はかなりマイルドな仕様になっていたように感じられました。「翔ぶが如く」で有馬役を演じた内藤さんは、それはそれは迫力がありました。
的場さんも演技力からすれば、この戦闘シーン(しかも格闘の末に死ぬシーンだ!)は十八番だとおもうのですが、演出の人に「視聴者が怖がらないように、マイルドかつ哀愁が漂う様な感じで死んでください。何せ最近は『可哀想な死に方』の方が視聴者ウケがいいですから」と指導でもあったのでしょうか。折角の的場さんなのに勿体無い戦闘シーン。
何はともあれ、この一件により物語開始当初からレギュラー出演してきた有馬新七らが殉死。
的場浩司さん、お疲れ様でした。「利家とまつ」よりは存在感のあるキャラでした。

その後、久光の覚悟を見た朝廷は大原重徳を久光に同行させ、江戸へ向います。
しかし、これが天璋院の立場を危うくする事に。
政局を案じる老中らが、天璋院と薩摩の関係を疑うのは仕方がないとして、政治に直接携わっていない大奥の連中(特に本寿院)はどの面下げて天璋院に文句なんぞ言えるのだろうか。
また無礼千万アウトな行為をやらかしたか、本寿院。彼女は一体、何回天璋院に対してアウトな行為をすれば気が済むのでしょうか。こんな老害ババアなんか、さっさと大奥から追い出せよ。
天璋院は徳川に心身を捧げたことを自らに言い聞かせる為に、薩摩のにおいを感じさせるものを焼き払います。有害ガスが出そうなものも燃やしています。斉藤さんがいたら、即刻注意されそうな物まで燃やしています。しかし、その彼女の覚悟は和宮と家茂に通じた模様。
今回の唯一の救いは、いまだ立場は微妙なものの家茂と和宮の「息子夫婦」に己が覚悟を理解してもらえた天璋院のエピソードでしょうか。


次回、我が世の春を迎えた久光が江戸に到着。
久光の後ろ盾には朝廷がいます。久光の幕政改革が徳川家に与えた影響とは!?
そして、久光帰国の帰路に大事件が勃発!
天璋院は何を思うのでしょうか!!!