必然的なヒストリー

クソムシが歴史系映像の感想を書いたり、妄想キャスティングしています。このブログは純度の高い自己満足で構築されています。

【篤姫レビュー】友情と決別

2008-09-14 21:03:22 | 大河ドラマレビュー《篤姫》

島津久光、江戸へ到着。
徳川幕府と勅使という後ろ楯を得た島津久光。
分は久光側にありました。ここで天璋院は「薩摩ではなく徳川の事を優先せよ」と断言。久光上洛を喜んでいた和宮一派にも、そう告げます。

そして後日、勅使・大原重徳VS老中・板倉、脇坂の論戦が繰り広げられました。
この勝負は大久保の策略により大原の勝ち。というより、老中が自滅しました。板倉らにしてみれば、大久保の策略を逆手に取って「無礼千万!」とか「薩摩藩士、乱心!」とか叫べば、まだ勝目はあったものを。幕府の対応が弱腰過ぎです。
これにより、一橋慶喜と松平春嶽が政界へカムバック!
怒りをあらわにしたのは、薩摩出身の天璋院。

彼女は、久光・小松と会見。
「攘夷は無理だと分かってるんだけど、帝がさぁ~」とか、なんだかんだと理由をつけて自らの行いを正義と言い放つ久光に天璋院が一言
「私は薩摩に誇りを持っている。薩摩には間違った道を進んで欲しくはなかった」
と告げます。
その後の、天璋院と小松の互いを見つめるシーンが印象的でした。
このシーンで一気に好感度が下がってしまった久光。久光の「藩主でもない人物が幕政改革を絵に描いた餅にしないためには、こうするしか無かった」という面を全く取り上げないところにNHKスタッフの心意気を感じました。
後日、怒りも冷めたのか心穏やかになった天璋院は小松と対面。
両者は自分の心情を正直に語り合うことで和解。
キーワードは
「力で人を動かすのではなく、心で人を動かすのです」
でしょうか。
久光の改革は己が持ち上げた一橋慶喜によってメチャクチャにされるのは、この後すぐの事でした。

そして薩摩への帰路の途中、生麦事件が起きました。
このシーンの見所は久光の言動だと思うのですが、久光のコメントはありませんでした。なぜ?
例えば
翔ぶが如く→久光役の高橋英樹が籠の中で「斬れ!」と怒りの叫びを。
徳川慶喜→久光が宿屋で休憩をしていた時に事件が起こり、久光役の江守は「あっ、そう」とそのままスルー。そして、何故か籠の中で「フンッ!」とニヤリと笑う。(何がおかしいのかサッパリ分からない!)
どちらも、全く共感が持てない久光なのですが、その点、篤姫はキャラに対して優しいですね。ここは理不尽に怒り狂う久光のシーンを入れて欲しかったところ。

天璋院は「何かの間違いじゃ!久光殿は攘夷は不可能だと・・・」とオロオロしていましたが、アナタ、すでに久光の性格はあの会談で理解したはずではないのですか。前人未踏の行動を取るのが久光のクオリティなのですよ。しかも彼は常人の予想する行動の斜め下を突き進んでいくのです。


次回、報復をしにやって来るイギリスの艦隊の前に薩摩は・・・!?
ではなく、何やら大奥がらみのお話のようで。
生麦事件の波紋は次の次へ持ち越しの様子です。