三浦半島で最も美しい景観を見せるのは半島南端部の海岸線である。
江奈湾の西、毘沙門海岸あたりから、宮川湾、そして江戸期から絶景の地といわれた八景原付近までの海岸線にかけて、直角に近いほど鋭く切り立った絶壁が海に向かって続き、その真下には、さまざまな姿をした岩礁が、台地状に広がっている。
こうした海蝕風景が続くなかに、ひときわその奇景が目立つのは、“盗人狩”。
歩く人の頭上に覆いかぶさるような巨岩が、その下をえぐられて海に突き出て、足元の岩に波がぶつかっては砕け散って渦を巻き、荒々しい音をたてている。
その昔、盗賊のひとりが追われてこの絶壁の上まで逃れてきた。しかし、崖の下からは異様な物音が聞こえ、ふと下を見ると、吸い込まれるような絶壁と、逆巻く激浪がぶつかり合っている。そのあまりにも恐ろしい光景のために、足がすくんで動けなくなった盗賊は、たちまち追っ手に捕らわれたという。
江奈湾の西、毘沙門海岸あたりから、宮川湾、そして江戸期から絶景の地といわれた八景原付近までの海岸線にかけて、直角に近いほど鋭く切り立った絶壁が海に向かって続き、その真下には、さまざまな姿をした岩礁が、台地状に広がっている。
こうした海蝕風景が続くなかに、ひときわその奇景が目立つのは、“盗人狩”。
歩く人の頭上に覆いかぶさるような巨岩が、その下をえぐられて海に突き出て、足元の岩に波がぶつかっては砕け散って渦を巻き、荒々しい音をたてている。
その昔、盗賊のひとりが追われてこの絶壁の上まで逃れてきた。しかし、崖の下からは異様な物音が聞こえ、ふと下を見ると、吸い込まれるような絶壁と、逆巻く激浪がぶつかり合っている。そのあまりにも恐ろしい光景のために、足がすくんで動けなくなった盗賊は、たちまち追っ手に捕らわれたという。