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関東の空を飛ぶ (18) - 剱崎

2009-10-21 | 関東
三浦半島東南端に位置する岬、「剱崎」。(画面左)

周辺は岩礁が発達し、対岸に房総半島を望む風光明媚な地である。

剱崎と対岸の房総半島南西端にある洲崎とを結ぶ線が浦賀水道(東京湾)の南限、そして伊豆大島とを結ぶ線は相模灘の東限となっている。

東京湾に出入りする航路における要所であり、剱埼灯台が造られ、現在も使用されている。
1866年、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ江戸条約によって江戸幕府が建設を約束した8ヶ所の灯台(条約灯台)の一つで、設計は「灯台の父」と呼ばれるお雇い外国人リチャード・ブラントンが担当した。当初は石造であったが、現在使用されている灯台は、関東大震災の後にコンクリート造で再建された。

この沖合いで、江戸幕府に納める材木を積んだ船が嵐で海底に沈んだ際、神主が剣を海に投げ竜神に祈ったところ風波が静まって材木が浮かび上がってきたことから「剱崎」と呼ばれるようになったと伝えられている。


剱崎の北(右側)、間口漁港で水揚げされるサバは、「松輪サバ」と呼ばれ、大分県の「関サバ」と並び称される。
8月中旬から11月にかけてが旬で、この時期は、腹部が金色に輝き、美味しくなるので「黄金サバ」とも称され、最高級食材として料亭などで珍重されている

松輪サバ漁は、江戸時代からの伝統である「1本釣り漁法」を守り、東京湾沿岸域をゆったりと回遊しているサバを、1本づつ大切に釣り上げる。