安倍首相が辞意を表明されました。
長い間、大変、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
最近は「アベノマスク」とか、えぇ! と思うこともありましたが、
成果は多かったと思います。各界から惜しむ声が多く寄せられている。
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「文春」の記事より。
ベストセラーで読む日本の近現代史
『大衆の反逆』
オルテガ・イ・ガセット
佐藤 優: 作家
オルテガは、高度の専門に通暁し知識人であっても大衆の一員で
あることを免れないと考える。
テレビのワイドショーには、芸能人やジャーナリスト、大学教授などが
コメンテーターとして出演する。この人たちは森羅万象について自分の
意見を述べる。少し冷静になって考えてみれば、これは奇妙な現象だ。
芸能人は、落語、漫才、演劇、映画、歌、話術などでは、特別な才能を
持っている。しかし、政治、法律、経済などの問題については素人だ。
ジャーナリストや大学教授でも、専門的知見や経験によって責任を持って
語れる事柄は限られているはずだ。しかし、ワイドショーでは、素人で
あってもよく知っているような顔をして話をしなくてはならない。
「ここでの話を真に受けてはいけない」と視聴者は冷静に受け止めなくては
ならないのだが、実際にはそうなっていない。
資本主義社会におけるテレビ(公共放送を除く)は、
広告料によって成り立っている。視聴率が上がると広告料も増える。
少しでも視聴率を上げるという観点からコメンテーターを選ぶ。
視聴者は、有名人の言うことをそのまま信じ、受動的になってしまう。
思考を放棄する態度が、インターネットが普及するにつれて加速した。
その結果、コメンテーターが発信する特定の政治的立場に、
国民が付和雷同するようになる。
ファシズムにつながりかねない危険な状況だ。
何事につけ、自分の頭で考える習慣をつけなくてはならないが、
これには時間とエネルギーがとられるので面倒だ。
専門家会議の越権行為
食事をする時は、並んで黙って食べろというような「新しい日常」なる
生活様式の押しつけにも違和感を覚える。
食事は、栄養を摂取する事だけが目的ではない。友だちと会話を
楽しみながらリラックスする重要な時間だ。それを養鶏場の鶏のように
飯を食えと専門家会議メンバーが言うのは越権行為だ。
政府が「新しい日常」を国民に推奨したいならば感染症の専門家だけでなく、
経済学や心理学、さらに文化人類学の専門家などからも意見を聴き
政治的に総合的な判断をするのが筋だ。
感染症の専門家としては一級の知識人であっても、それ以外の事柄に
ついては素人だ。
大衆の一員であることを自覚している人は、余計なことは言わない。
しかし、コロナ禍で不安が高まった国民は、具体的な答えを求める。
それでも、森羅万象について語るという誘惑に陥らないのが真の知識人だ。
こういう自己の限界を知るさまざまな専門分野の知識人が集まって、
コリント:COLLINT 協力諜報 による集合知の力を、
首相官邸主導で強化していく必要がある。
。。。
横並びで黙って食事をするというのを聞いた時、ビックリした。
6月以降、友人とランチすることも増えた。
並んで食事をしたことはない。
そして、その様に食事をしている人たちも見たことない。
佐藤優氏が書かれているのを読んで、そうだと思った。
マスクをする。外から帰ったら石けんでよく手を洗う。
お店に入る時、消毒する。レジで並ぶ時は間隔をとる。
書道教室では皆、マスクをしている。これらを実行している。
これくらいです。