シリーズ母校への惜別。
「今日の一枚」は「廊下」である。
廊下を辞書で引くと「建物の中の部屋と部屋をつなぐ細長い通路」とある。
しかし、僕にとっては単なる通り路ではない。
そこでは色んな出来事が起こり、教室以上に思い出を刻んだ場所かもしれない。
思いつくまま書き記してみよう。
@「廊下はリングである」
小学校低学年からプロレスに夢中だった僕は、
休み時間毎に廊下へ出ては、友人と技をかけあった。
当時、プロ野球には劣るものの、それなりの人気を誇っていたプロレス。
子供向けの「プロレス読本」も存在していて、
ページをめくると、有名なレスラー達のプロフィールやヒストリー、
得意技・必殺技を図解で解説してあった。
ヘッドロック、コブラツイスト、足四の字固め、弓矢固め。
パイルドライバーやブレーンバスター、ダブルアームスープレックス。
基本技から難易度の高い技まで、幅広く掲載してあったのだが、
締めの言葉はみな同じ。…「絶対にマネをしてはいけません」。
素直に守らないのが小学生である。
貴重な休み時間は、廊下というリングに歓声が木霊した。
@「廊下はゲレンデである」
ウインタースポーツにはとんと縁のない僕だが、
冬季オリンピックになると、にわかスキージャンプファンに変身。
そこで、ジャンパー役は誰かにベルトを持ってもらい、
ピンと真っ直ぐな姿勢のまま30度ほど前傾。
当時はV字飛行ではなかったため、股はピッタリと閉じた状態だ。
下敷きで向い風を送ってもらい、
さらに、学生ズボンを指でつまんでパタパタと揺らす。
当時の選手が身につけるスーツは、今ほどハイテクではなく、
風にはためいていたための演出だ。
そして、ひとしきり実況を交えつつ、その姿勢をキープした後、
テレマークで着地。…馬鹿げた微笑ましいジャンプごっこだ。
@「廊下はミュージアムである」
あれは確か職員室の入り口前だったと思うのだが、
廊下に「グッピー」の飼育水槽が置いてあった。
金魚やフナ、イシガメにしか縁のなかった僕にとって、
水槽の中は生きている宝石が泳ぐ別世界だった。
魚の華やかさだけでなく、熱帯魚飼育に使う器具類も高根の花。
ろ過装置、エアーポンプ、ライト、バックスクリーン。サーモスタット。
高価で手の届かない高級品だった。
薄暗い廊下に、青白いライトに照らされてポウッと浮かび上がる様子は、
まさに美術館の趣である。その前を通る度にため息をついた。
…といった感じで、僕にとって、廊下は様々な事柄が詰まった場所なのである。
もう1つ、廊下には大好きなものがあった。
「黒板消しクリーナー」と「電動鉛筆削り」だ。
入学当初「黒板消し」はホウキの柄でパンパンと叩いて、
チョークの粉を払っていたのだが、クリーナーの登場によって状況は一変。
クリーナー本体の少し窪んだ天井に黒板消しを載せて、スイッチオン!
黒板消しをゆっくりスライドさせると、みるみるうちにキレイになっていく!
感動した。
掃除の時は、なるべく粉をたっぷり付けた黒板消しを選んで、
クリーニングを楽しんだ。
また「電動鉛筆削り」の何とスピーディーでシャープな仕上がりにも憧れた。
自宅の「手動鉛筆削り」は、ハンドルをグルグル回し完成まで時間がかかる。
しかもなかなかキレイに削れない。
片や電動は、削り穴に鉛筆を入れるだけというスタイリッシュさ。
欲しくて欲しくて仕方がなかったが、贅沢だ!として手に入らなかった。
その欝憤を晴らすかのように、学校では思う存分削りまくったものだ。
「黒板消しクリーナー」と「電動鉛筆削り」。
僕にとっては、どちらもなくてはならない「廊下アイテム」なのである。
「今日の一枚」は「廊下」である。
廊下を辞書で引くと「建物の中の部屋と部屋をつなぐ細長い通路」とある。
しかし、僕にとっては単なる通り路ではない。
そこでは色んな出来事が起こり、教室以上に思い出を刻んだ場所かもしれない。
思いつくまま書き記してみよう。
@「廊下はリングである」
小学校低学年からプロレスに夢中だった僕は、
休み時間毎に廊下へ出ては、友人と技をかけあった。
当時、プロ野球には劣るものの、それなりの人気を誇っていたプロレス。
子供向けの「プロレス読本」も存在していて、
ページをめくると、有名なレスラー達のプロフィールやヒストリー、
得意技・必殺技を図解で解説してあった。
ヘッドロック、コブラツイスト、足四の字固め、弓矢固め。
パイルドライバーやブレーンバスター、ダブルアームスープレックス。
基本技から難易度の高い技まで、幅広く掲載してあったのだが、
締めの言葉はみな同じ。…「絶対にマネをしてはいけません」。
素直に守らないのが小学生である。
貴重な休み時間は、廊下というリングに歓声が木霊した。
@「廊下はゲレンデである」
ウインタースポーツにはとんと縁のない僕だが、
冬季オリンピックになると、にわかスキージャンプファンに変身。
そこで、ジャンパー役は誰かにベルトを持ってもらい、
ピンと真っ直ぐな姿勢のまま30度ほど前傾。
当時はV字飛行ではなかったため、股はピッタリと閉じた状態だ。
下敷きで向い風を送ってもらい、
さらに、学生ズボンを指でつまんでパタパタと揺らす。
当時の選手が身につけるスーツは、今ほどハイテクではなく、
風にはためいていたための演出だ。
そして、ひとしきり実況を交えつつ、その姿勢をキープした後、
テレマークで着地。…馬鹿げた微笑ましいジャンプごっこだ。
@「廊下はミュージアムである」
あれは確か職員室の入り口前だったと思うのだが、
廊下に「グッピー」の飼育水槽が置いてあった。
金魚やフナ、イシガメにしか縁のなかった僕にとって、
水槽の中は生きている宝石が泳ぐ別世界だった。
魚の華やかさだけでなく、熱帯魚飼育に使う器具類も高根の花。
ろ過装置、エアーポンプ、ライト、バックスクリーン。サーモスタット。
高価で手の届かない高級品だった。
薄暗い廊下に、青白いライトに照らされてポウッと浮かび上がる様子は、
まさに美術館の趣である。その前を通る度にため息をついた。
…といった感じで、僕にとって、廊下は様々な事柄が詰まった場所なのである。
もう1つ、廊下には大好きなものがあった。
「黒板消しクリーナー」と「電動鉛筆削り」だ。
入学当初「黒板消し」はホウキの柄でパンパンと叩いて、
チョークの粉を払っていたのだが、クリーナーの登場によって状況は一変。
クリーナー本体の少し窪んだ天井に黒板消しを載せて、スイッチオン!
黒板消しをゆっくりスライドさせると、みるみるうちにキレイになっていく!
感動した。
掃除の時は、なるべく粉をたっぷり付けた黒板消しを選んで、
クリーニングを楽しんだ。
また「電動鉛筆削り」の何とスピーディーでシャープな仕上がりにも憧れた。
自宅の「手動鉛筆削り」は、ハンドルをグルグル回し完成まで時間がかかる。
しかもなかなかキレイに削れない。
片や電動は、削り穴に鉛筆を入れるだけというスタイリッシュさ。
欲しくて欲しくて仕方がなかったが、贅沢だ!として手に入らなかった。
その欝憤を晴らすかのように、学校では思う存分削りまくったものだ。
「黒板消しクリーナー」と「電動鉛筆削り」。
僕にとっては、どちらもなくてはならない「廊下アイテム」なのである。