怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

墓参りの日

2014年11月01日 | 文化
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11月1日は、諸聖人の祝日、万聖節、諸聖徒日などと呼ばれていて、この州は祝日だ。
私はここに来てからは「墓参りの日」としている。どこの国にも同じような習慣があるものだな、と思わずにはいられない。

朝7時ごろにコーヒーを飲みながらうだうだしていたら、義母が「墓に行くけど、一緒に来るか」と尋ねるので、あまり気乗りしないけれど、こういう特別な日なので付いて行く事にした。
集落の墓地は以前にもブログ記事にした。 2009年8月9日「西洋墓地の謎」

義母はビニール袋に入れた墓場手入れセットとともに車から降りた。
まともにカメラを向けようものなら、義母が嫌がるだろうから、盗撮。ぶれて見づらくてごめんなさい。

どの墓も丁寧に美しく手入れされている。どの家も頻繁に訪れていることが伺われる。義母もほとんど毎週のように来ているんだ。

祈祷などをすることはまれで、もっぱら草木を植えたり水をやったりするのが目的の様子。
行事の日にはろうそくに火を点す。日本の墓地は(関東周辺の話だが)ろうそくや線香の火を点けっぱなしにしてはいけないが、ここは長時間点灯できる墓地用ろうそくがあって、なぜだか私的にドイツのお気に入り。

「いずれはりすが手入れするのよ」
とか何とか言う風なことを義母が言い出すので、ぎょっとした。
最近、ちょっとは庭の手入れ(野菜・香草栽培、要するに食い物)に興味を持ってきたのと、夫がリフォームや清掃作業にまったく能力がないことを知ったので、そういう仕事は身に付けなくちゃあいけないか、と覚悟していたところなのだが、その上、墓の手入れかいっ!?
ううう・・・

振り向くと、今年4月に41歳で亡くなった親族男性の墓があった。小学生の息子二人を残しての病死だ。
墓碑が新しい・・・。かわいそうに。生きているだけで儲け物だな、って彼の墓を見ながら思った。
死者や彼らが眠る場所を大事にしたりするのは、生きていることに感謝するための方法なのかもしれない。