強い寒気に覆われた日本列島は2日午前も大雪に見舞われた。近畿地方北部でも50~60センチの積雪となり、同日午後も広範囲で雪になる見通し。
気象庁では今回の寒波について日本に厳しい寒さをもたらすとされる「ラニーニャ現象」の影響を指摘。昨年も発生し、珍しい現象ではないが、偏西風の流れ方や高気圧の発生位置の関係などから、今年は日本列島での降雪地域や積雪量に大きく影響した。厳しい寒さは3日以降は一時和らぐが、2月中旬には再び冷え込みが戻る可能性がある。
ラニーニャ現象とは、南米ペルー沖で海水面温度が下がり、フィリピン周辺に暖かい海水が蓄積される現象。日本に厳冬をもたらすとされている。
同庁によると、ラニーニャ現象によりフィリピン周辺の水温が上昇し、大気が暖められたことから、西から東に流れる偏西風の「亜熱帯ジェット気流」が北に押し上げられる形でゆっくりと蛇行。さらに本来は高緯度にある別の偏西風の「寒帯前線ジェット気流」も南下したことから、日本付近の上空でこの2本の偏西風が合流し、その風の流れに伴って北と西から寒気を呼び込む形となった。
さらに、極東のベーリング海で発生した「ブロッキング高気圧」が弱まった影響で、それまでせき止めていたシベリア付近からの強い寒気が南下し始め、再び日本列島が強い寒気に包まれる可能性があるという。
同じ大気の影響で、2日にはソウルでマイナス17・1度を記録。2月としては1957年以来55年ぶりの寒さとなった。
ウクライナやポーランドなどの東欧各国でも、最低気温がマイナス20度を下回るなどし、60人以上が死亡する事態となっている。