先進国でダントツに歯に対する意識が低いといわれる日本。想像以上に怖いのが歯周病だ。歯周病で一気に歯を失うケースも少なくない。心筋梗塞を引き起こすケースもある。
たばこを吸うと、歯周病のリスクは高まる。ニコチンによって血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になり、体の抵抗力が低下する。よって、歯周病になりやすく、治りにくくなる。また、完治しても再発しやすいため、たばこを吸わない人に比べ、歯周病のリスクはなんと5倍!
富沢歯科医院医院長・富澤直基さんが語る。
「喫煙すると歯肉の腫れや出血が見た目上抑えられ、患者さん自身が歯周病に気づきにくくもなります。歯周病を予防するためにも禁煙をお勧めします」
加齢とともに避けられない歯周病。歯と歯茎だけの問題だと考えがちだが「歯周病の炎症によって生じた毒素や歯周病菌そのものが、血液を介して体内を巡ると、全身疾患の引き金になる可能性も!」と警告を鳴らすのはクラジ歯科医院院長の倉治ななえさん。
なんと、心筋梗塞・動脈硬化を起こす可能性があるというのだ。
「歯周病菌には血液中の血小板を固める作用があり、動脈に血栓を作ります。そのため、心筋梗塞などの心疾患を引き起こしやすく、そのリスクは歯周病にかかっていない人の2~3.6倍にもなります」(倉治さん・以下「」内同)
また、「妊娠中に歯周病にかかると早産や、低体重児が産まれる確率が高まることも」あり、さらには「血糖値を下げるインスリンの働きを歯周病菌が出す毒素が阻害し、糖尿病を悪化させます」というから、歯だけの問題だと甘くみない方がよさそうだ。