三島市の箱根西麓産メークイン「三島馬鈴薯(ばれいしょ)」を使ったご当地グルメ「みしまコロッケ」が、中国で若者を中心に大きな人気を呼んでいる。食品卸売などを手掛ける「東平商会」(長泉町)が上海市内の百貨店などで販売したところ、日本の3倍近い値段ながら1週間で4千個を完売。三島を舞台にしたドラマ「ごめんね青春!」の人気もあって順調にファンが拡大中で、本格的な海外進出の足がかりになりそうだ。
【ドラマで大ブレーク】みしまコロッケってどんなの?
みしまコロッケは日当たりが良くミネラル分豊富な箱根西麓産の三島馬鈴薯を使った一品で、独特の甘みとほくほくした食感が特徴。昨年放送のドラマ「ごめんね青春!」にも登場し、人気と知名度がアップしている。
同社は11月下旬から富裕層向けのスーパーや百貨店でプロモーション(宣伝)し、冷凍品に加えて揚げ調理した単品も用意。1パック8個入りを日本の約3倍となる86・5~95元(約1730~1900円)で販売したが、売れ行きは予想を大きく上回るペースで、「ただのジャガイモなのに甘くておいしい」などと好評だった。
ドラマのファンだけでなく、試食で味を気に入って購入するケースも多く、期間中に再度訪れたリピーターも。帰国後に現地商社から早速1万個を受注したといい、同社の山本雅弘社長は「中国でも三島馬鈴薯のおいしさが通用するという手応えを感じた。今後も現地の百貨店と継続的に連携しながら、海外展開について検討していきたい」と話した。
今回はみしまコロッケのプロモーションに合わせて、沼津市の一般社団法人「富士山浪漫之旅」が上海市内で観光PRを実施。中国の旅行会社関係者やドラマのファンなど約70人が集まり、中国人ブロガーが三島の魅力をまとめた動画を上映したり、市のマスコットキャラクター「みしまるくん」が登場したりと盛り上がった。
ドラマのファンからは「みしまるくんのスケジュールを教えて」「みしまるくんの専門店が上海に進出する予定は」などの質問も。同法人の土屋敏博代表理事は「若い女性ファンが想像以上に多かった。ドラマを見て三島に関心を持ったようでツアー誘致にもつながっている」と語った。