岡田監督の今季限りでの退団が決まったオリックス。24日のロッテ戦に完敗し、53年ぶりに球団ワーストに並ぶ11連敗。3年ぶりに最下位が決まったチームからは「アノ人の監督だけはやめて欲しい」という声が聞こえてくる。アノ人とは前中日監督の落合博満氏(58)だ。
現時点でオリックスの来季監督候補は、梨田昌孝氏(59)、山田久志氏(64)、現二軍監督の新井宏昌氏(60)と落合氏の名前が挙がっている。中でも中日を常勝軍団へと変貌させた落合氏の手腕を球団は高く評価しているという。
だが、現場サイドの気持ちは複雑だ。落合氏は、中日監督就任直後のキャンプから選手に対し、異例の「6勤1休」に加え、早出特打、特守、居残り練習を課した。文字通り「地獄のキャンプ」で選手を鍛え上げ、体力もつけたからシーズン終盤の粘りにつながった。中日ナインは「確かにキャンプはつらいけど、勝てば年俸は上がるし、いい思いもできる」と口を揃える。
落合氏がオリックスの監督になれば、4年連続Bクラスに低迷するチームは大きく変わるかもしれない。いや、おそらく変わるだろう。しかし、選手からすれば「地獄のキャンプ」なんてやりたくない。
さらに、落合監督が誕生すれば、中日時代に「片腕」だった森繁和氏のヘッド就任は間違いない。打撃や投手コーチも森ヘッドの人脈で固めるはずだ。現在のコーチ陣は一掃される。
宮内オーナーもオフになると、ソロバンと睨めっこすることになる。
「野球好きのオーナー(宮内オーナー)としてはチームが強くなることを願っている。それでも落合さんの場合は年間3億とも5億ともいわれる高額な報酬を含め、結果を出せば自らフロントにかけあいコーチの年俸もバンバン上げさせる。宮内オーナーが落合さんを監督に迎えるなら、その点がネックになるのではないか」(球界OB)
3年前のオフ、宮内オーナーが三顧の礼で迎えた岡田監督は、選手、コーチとうまくいかず再建に失敗した。落合か梨田か、それとも山田か新井か……ナインやコーチはファン以上に今後の動きに注目している。